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2009-10-10

リチャード・パワーズについて


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 リチャード・パワーズ Richard Powersという作家は、現代アメリカ小説を読まれるかたであれば、多少なじみがあると思います。しかし、どの作品も重量級のものばかりで、手がでにくい作家であるのは確かです。そうしたことから、作品のパワーに見合った読者を獲得していないように思われます。

 理由のひとつは、その文章の密度にあります。科学、文学、歴史などの広範な知識がつめこまれた文章は、一見、敷居が高い印象を与え、実際、パワーズの知的なユーモアやアイロニーがはりめぐらされた文章は、慣れないと読みづらいものかもしれません。しかし、ひとたび、その独特な「声」のリズムとトーンに「耳」慣れすると、最後まで読まされてしまうのがパワーズの小説なのです。(ちなみに初期に比べて、最近の作品は非常に読みやすくなりました)


 現在、邦訳は『舞踏会へ向かう三人の農夫』、『囚人のジレンマ』、『ガラテイア2.2』、『われらが歌う時』があります。パワーズはいままで読んだことがないです、という方に何を薦めたらよいのか、というのは難しい問題です。どれもいいですよ、というのが本音ですが道しるべぐらいは示しておくべきでしょう。


 もしあなたが第一次世界大戦周辺の歴史に詳しいなら『舞踏会』。

 もしあなたがディズニーランド好きなら『囚人』。

 もしあなたが人工知能に果たして文学が理解できるか興味があれば『ガラテイア』。

 もしあなたがクラシック音楽の素養があるなら『歌う時』。

 どれか、あてはまる項目はあったでしょうか。


 発表は、まずリチャード・パワーズという作家の概説を行います。

 それから、デビュー作『舞踏会』について、わたしなりの見方を喋ります。 

 ハンドアウトは用意していません。もしかしたら、準備するかもしれませんが、そのときは上の欄で二、三日前に告示すると思います。とはいえ、あったとしても大したものにはならないと思いますので、当日ふらっと来て頂いて全然かまいません。


 では、金曜日にお会いしましょう。

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