詩人の始まり〜旅の記憶のこと〜

山と渓谷社 編 「言葉ふる森」 を読んだ。


雑誌「山と渓谷」に掲載されていたリレーエッセイをまとめたもの。
30人の作家が山や自然にまつわるエッセイを書いている。


昔読んだ本になるほどと膝を打った一節がある。
旅の思い出を語るとき、その人はすでに詩人である
というものだ。


特に自然を感じた記憶は人の感性を刺激して、詩人に近づけさせるのではないだろうか。
昔からそこにある山だが、中に入ると二度とは同じ姿を見せない自然の景色が広がる。
人生や存在の小ささを痛感したり、圧倒的な力を感じたり、達成感を得たり、美を見つけたり。
人が自然に触れる動機は様々だが、人間が動物である以上、自然を求めてやまないのだろう。


自然を見た感動をそのまま文章にすることは難しい。
だが、ここに収められているエッセイはそれぞれが、それぞれのアプローチで自然の魅力を伝えてくれる。
読んでいると触発されて山へ行きたくなってしまう。


なにより、感動した自然の記憶をしっかりと刻んでおくことの重要性を感じた。
地震の影響もあって、なかなか山には行けないが、何処かひろーーい所でぼけーーーっとしたい。そんな気分の今日この頃なのである。。

言葉ふる森

言葉ふる森