生存者のロック。
- アーティスト: ソウル・フラワー・ユニオン,中川敬
- 出版社/メーカー: リスペクトレコード
- 発売日: 2001/07/25
- メディア: CD
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音楽的な面で言えば、これまでのSFUに比べてゲストミュージシャンの数が少ない。フィドル、ホーンセクションなど、必要最小限のサポートにとどまっている。本作ではドラマーも固定だ。インディーになり、単純に制作費が少なくなったというのもあるだろうが、これが実にいい作用をもたらしている。アルバム全体に一貫した熱のようなものが流れていて、統一感がある。この4人で出きることを突き詰めたらこうなった、というバンドのコアな部分がしっかり見えるのがいい。そして精神的な部分では、どんとの死が中川に与えた影響は大きかったのだろう。どんとへのオマージュ、供養と言える「サヴァイヴァーズ・バンケット」でこのアルバムは幕を開ける。「みんなどんどん死んでいくねんね。生き残った奴らはどないしていくねや、みたいなね。はっきりと出さなあかんな、って」と最近のインタビューで中川は言っていたが、これが全てを表しているだろう。過去を振り返るでもなく、毎日をお気楽に過ごすのでもなく、しっかりと前を見据えて今を踏みしめる意思。それがロックンロールとして鳴らされている。で、このアルバムが実は今の日本のシーンのド真ん中を撃ち抜く破壊力があることが、うれしくてたまらないのだ。
このアルバムは「死んでいない=生き残った」者の決意表明だ。しかし、決して「生きろ」とは言っていない。でも、確実にこうは言っている。「お前らはどないやねん」と。そして生存者たちの宴は続く。