ギャングスター・レッスン / 垣根 涼介

2,3日前に読み終わった、ヒートアイランドの続編ということで、
ギャングスター・レッスンを読む。
ヒートアイランドの主役のアキが、
いよいよ裏業界の金を横取りするグループに参加していく話。


ヒートアイランドとの違いに驚き。
緊張感もなく、文体もゆるく、トリックもストーリーも単純。
この本だけを読むと、まあまあのハードボイルドなのだろうが、
本編のヒートアイランドの繋がりとして読むと、その違いに驚き。
同じ著者の作品かと思うほどだ。


同時に、ワイルド・ソウルも読んでいる。
こちらは、ヒートアイランドと同じように、
緊張感、文体、ストーリーも素晴らしい。


ヒートアイランドとワイルド・ソウルは長編で、
ギャングスター・レッスンはそんなに長い作品ではない。
今のところ垣根さんの作品は、長編が良いようだ。


面白いことに、ワイルド・ソウルもギャングスター・レッスンも
南米が出てくる。
著者の垣根さんは、南米、ブラジルとかコロンビアに強いようだ。
通常のハードボイルド作者と同じように、車も好き。
それも、外見は普通だか、中身は高度にチューンアップされた車。


垣根さんの2つの作品を読み、1つを読みかけているが、
反体制派というのか、現状を変えない人々、組織が嫌いなようだ。
読んだ3つともに、主題は体制対抗することのようだ。


作品を幾つか読むと、作家の好みも判ってくるものだ。
音楽でも、一人の人の演奏を聴き続けていくと、
音だけで演奏者が想定できるが、
これと同じか。