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自分の根っ子探し|地方公務員の日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-09-29

医療機関の出産育児一時金への対応の分かれ目は?

 現行の制度は、妊婦医療機関に分娩(ぶんべん)費用をいったん払い込み、その後、健康保険などから出産育児一時金が支給される。新制度になると、一時金が4万円増の原則42万円となり、医療機関に直接支払われるようになる。また、直接支払いの猶予を受ける医療機関は、新制度に対応していないことを窓口に掲示した上で、妊婦への説明と書面での合意を得る。

ページが見つかりません - 毎日新聞

 公立病院はおそらく直接支払継続でしょ。不払いの場合の未集金が多い医療機関や、既に受領委任払いを多く活用しているケースが多く、資金繰りも既に病院経営の一環として取り組まれているでしょうし。

 逆に、個室や他サービスを導入している個人医院等では、猶予を適用するのかもしれません。

 仮に、月の出産数が60件とした場合、40万円×60件=2,400万円。

 これが現金支払いだったのが、退院月の翌月末にならないと支払われないのであれば、猶予を主張するのかなぁ、と思います。

 いずれにせよ、出産を控えた方、各医療機関、一時金を支払う保険者は、10月1日からの制度に備えてきただけに、この猶予策の影響は小さいものではないと言えると思います。

2009-09-22

出産一時金の新制度に産科開業医ら悲鳴?

 元記事の毎日新聞の記事(ページが見つかりません - 毎日新聞)は、現行制度の一部しか説明しておらず、指摘不足の感はいなめないので、制度についてまず補足します。


 平成18年以前は、出産後に出産(または死産)を医師、助産師、又は市区町村長のいずれかの証明した書類を添えて保険者に申請しました。申請後、保険者は申請者に出産一時金を支払っていました。


 しかし、出産に関する経費を医療機関の窓口で支払わないが増えたり、支払いそのものが困難な状況があることから、平成18年から出産前に書類を提出することで、出産された方に代わって、保険者から直接医療機関等に、出産育児一時金35万円(現在は38万円)を限度として支払われ、窓口で出産費用を支払う負担を軽減する制度が始まりました。


 平成18年以前は、一部の保険者においては申請者ではなく医療機関への支払いを行う受領委任払いを行っていました。平成18年以降は制度として医療保険者は必ず行うこととなりました。

 ※ちなみに、後期高齢者医療制度等も同時に国会で可決されている医療制度改革関連法案によって制度が作られています。


 受領委任払いの場合、確実に保険者から医療機関へ出産一時金を支払うため、窓口での不払いが多い医療機関では積極的に受領委任払い制度を活用するところもありました。他方、窓口での現金払いではなく1ヶ月から2ヶ月遅れで保険者から振り込まれることから、制度の趣旨にのっとり出産費用支払いの資金繰りが困難な場合等に限り事前申請の証明を行う医療機関もありました。


 平成21年10月からは、出産育児一時金医療機関へ直接支払う仕組みとなるため受領委任払いを積極的に活用していた医療機関では受領委任払いに関する書類作成事務が軽減される一方、現金払いが多かった医療機関では最大2ヶ月遅れで出産経費が振り込まれることになります。

 ※保険者が怠慢というわけではなく、毎月1日から末日までの分を集計したとして、翌月10日までに保険者に請求をし、翌月末にお金が振り込まれるというサイクル。もっとも出産毎で請求をする、ということが可能かという疑問は残ります。


 ちなみに医療機関の請求金額が出産一時金の支給額を下回った場合、その差額支給は出産した方が保険者に個別に申請することになっています。


 医療機関としては、出産費用の取りはぐれがほとんどなくなる(保険資格の得喪が面倒)一方、保険医療と同じサイクルで出産医療費が振り込まれるとなると、制度開始時の資金繰りが問題となります。まあ、本来はその問題は知った上で制度改正を検討していると思うので、今更の感があります。


 この制度改正で一番損をしそうなのが各医療保険者です。出産一時金が42万円に上昇したことで、被保険者の保険料は上昇させなければならないし、支払いも被保険者と医療機関へ両方への支払い、医療機関のみの支払いとなり、事務量は倍近く増えることとなります。(ダブルチェックや未申請者への勧奨事務等、これまでにない業務も増えそうです)


 一時金に関しては、自分が保険者の部署にいたころの出産一時金の考え方は現物給付ではなくて、実際にお金を払った後に償還として現金で支給されるもの、という考え方でしたので、隔世の感があります。


 記事では開業医の声を取り上げていますが、今回の制度改正そのものについて、受領委任払い制度の選択制をスタートさせたのも、出産費用の医療機関直接払い制にしたのも日本産婦人科医会からの要望(産科医療補償制度開始 産科医療補償制度開始 にあたって)がなされたことからも、制度施行時の各医療機関の声というのは少し理不尽にも思えます。

2009-09-18

新制度について事務方に指示 後期高齢者医療制度は廃止

「案1が駄目か」

「じゃあ案2か案3で検討する方向で」

「検討会のメンバーは」

「マスコミ対策で、この方あたりはどうでつか?」


「でも、高齢者の負担を減らせとか、現役世代の負担を増やすな、となると」

「案1から案3の制度は変えず、公費負担比率を上げるしかないね」



「新制度の名称はいかがいたしましょうか」


「とにかく税金から賄うから、『公費高比率医療制度』でどうだ?」

「…」



 事務方に作成を指示したそうですが、いくつも新制度案を骨子の段階で発表して世論の反応を伺う、ということになるのかなあ。

 もっとも世論は前は白一色でも、一気に赤く変わるものなんだよなあ。

2009-09-17

政権交代による後期高齢者医療制度の廃止

 制度は廃止する、とのことだが、旧来の制度にするのか、新しい制度をつくるのか、いつから変わるのかまだわからない。

 廃止はマニュフェストに載っているが、最も大事な新しい医療制度の骨格は語られていない。

 無理があり、マニュフェストに掲載しているから後期高齢者医療制度を廃止する、というのはわかる。しかし、今度はどんな医療制度をつくり、それによってどんなことが可能・不可能になり、誰がどのように負担するのかが提案されなければ議論する余地すらない。

 医療保険はあくまでも「相互扶助」なわけであり、使うお金があるのであれば、誰かがお金を負担するのだ。「負担するお金」の形は、目に見える「保険料」であり、目にすることが難しい「税金≒公費負担」なのだ。


 現在9月議会中の自治体のいくつかで後期高齢者医療制度に関する一般質問や議案質疑があるようであるが、新政権≒国が医療制度の骨格を示してくれない限りには、末端の市町村が後期高齢者医療制度はいつ終わるのか、老人の医療費の負担は減るのか、国民健康保険の保険料は上昇しないか、なんてわかるわけがない。

 とりあえず、質疑される議員さんに、

「選挙公約であるところのマニュフェストや、現段階で国から制度案や変更時期が示されていない以上、現行の後期高齢者医療制度が継続されることと考えられます」

 くらいしか答えようがない、よなぁ。


 少なくとも次回の衆議院選挙まで4年という任期があるわけで、そこまでにどんな話し合いを行い制度設計をいつまでに行い、制度をいつ施行させるか、ということは、質問する地方議員さんと同じくらい(もしくはそれ以上)担当職員が知りたいんだけどなぁ。

2009-08-21

偶像、実像、将来像

 救急患者のたらい回し、産科医不足、地方の公立病院のベッド削減――。深刻な医療崩壊を食い止めるため、「養成する医師の数を1.5倍に増やす」(民主党)、「救急医療や産科・小児科・へき地医療の担い手である勤務医を確保」(自民党)など各党が医師不足対策を掲げ、この点について大きな差はない。

asahi.com(朝日新聞社):《にっぽんの争点:医療》「後期高齢」維持か 廃止か - 政治

 パイが限られているなか、そのパイをどう分けるか、というのが問題。

 不公平、無駄、いろいろな考え方があるが、これまでどこが手厚かったのか、今後は誰に多くあげるか、あげたことによりどんなことが期待できるか。


 すくなくとも、パイは勝手には増えません。ビスケットと違って、叩いてみるたび原形はどんどん崩れる気がする。