Hatena::ブログ(Diary)

mailonesghの書評

2014-04-19

カカオとチョコレートのサイエンス・ロマン

| 12:05

カカオ生産地では食べるチョコレートは作れない。なぜならば、チョコレートがパリッと割れるのは、カカオ豆の中のココアバターが固まるためであるが、熱帯雨林地方では気温が高いために、ココアバターが融けてしまうからである。(カカオバターは、カカオ豆が成長するための栄養素になる。もし、温度が下がってココアバターが固まれば、栄養素に分解できないので豆は発芽しない。)


カカオ豆の食べ方はいろいろに変化した。何千年もの間は、冷たくして飲んでいた。ところが、今から約500年くらい前にヨーロッパカカオが入ると、甘くて香ばしい温かい飲みものとなり、約160年前に現在のような、食べるチョコレートが生まれた。



感想

スゴ本オフで紹介されていた本。別にそこまでチョコレートに興味があるわけではないんだけど、『銃・病原菌・鉄』レベルという宣伝文に興味を惹かれて。

チョコレートについて、その食され方の歴史、作り方等、様々な情報が扱われており、色々と新しいことが知れた。豆知識的なものではあるけれど、結構ためになった。ココアバターには6種類の結晶多形があるとか、もっとも適した昂燭坊訃讐修気擦襪燭瓩テンパリング法についてとか、なかなか面白い。


当然のことではあるんだけど、一つの食べ物にも様々な歴史があり、技術が詰め込まれている。興味を持てば、そこから多くの世界が広がっていく。だからこそ、興味の幅を無制限に広げるのではなく、知識が関連し合い深め合えるようにコントロールしていくべきなんだろうけど。


でもまあ、たまにはこういうのもいいな。最近は息抜きばかりのようにも思うけどね。チョコレートを食べながら、まったりと読書を楽しんだ。

2014-04-12

オンライン小説サイト「小説を読もう!」

22:39

2週間ぶりの更新。

新年度になって色々と仕事の組織体制が変わったのもあるんだけど、更新しなかったのは別の理由。小説を読むのに嵌っちゃって、それ以外のことに手が回らなかったんだよね。本当、隙間時間があれば常に読んでいたし、寝る時間も削って読んでいた。久しぶりの感覚。


読んだのは、オンライン小説サイト「小説を読もう!」に掲載されている作品。

オーバーロード

デスマーチからはじまる異世界狂想曲

無職転生 - 異世界行ったら本気だす -


Web上にアップされている分は一通り全部読み終わったので、ようやくブログを更新する時間を取ることが出来たよ。どの作品も結構分量があったし、読み応えがあった。もっとも、どの作品も完結してないんだけどね。


結構面白かったけど、これだけのめり込んだのはWebという表現方式のせいだろうな。タダだし、読むために本を借りる手間をかけなくていいのは楽。PCでもスマホでも読めるし。

あと、本だったら1冊読めば区切りが出来るわけで、そこで間を置くことができる。でも、Webだとそういうのがなくて。一応、章立てにはなってるんだけど、その分量は少ないんで歯止めにならないんだよね。おかげで時間のかぎり読み進めていくことになってしまった。

それに、異世界転生ものとは結構相性がいい。俺TUEEEE系はストレス溜めることなく気楽に読めるし。話を盛り上げるためにわざわざ落とすのは、ちょっと疲れる。別に、お疲れ気味ってわけじゃないはずなんだけど。


それにしても、こんなプラットフォームがあったなんて。全然チェックしてなかった。このサイトには他にも面白そうな作品がたくさんアップされているので、どんどん読んでいこう。このブログでも紹介したことのある「ログ・ホライズン」もここに掲載されているんだね。今回初めて知った。

人気作は書籍化もされていくみたい。上記の作品も全部書籍化されている。オーバーロードなんかはWebと書籍とではかなり話が違うみたいなんで、改めて読んでみるのもいいかもな。


オーバーロード1 不死者の王

オーバーロード1 不死者の王

2014-03-30

生き残る判断生き残れない行動

| 22:20

生き残る判断 生き残れない行動

生き残る判断 生き残れない行動

実際に災害に直面すると、群集は概してとても物静かで従順になる。群集はいわれのないパニックに陥ることはない。たいてい、人々は一貫して整然としていて−親切である。普段よりもずっと親切になる。


恐怖反応を扱うのに簡単な方法がある。もっとも意外な戦術の一つは呼吸である。警察官に教える一つの型は次のようになっている。4つ数える間に息を吸い込み、4つ数える間息を止め、4つ数える間にそれを吐き出し、4つ数える間息を止める。また最初から始める。それだけだ。


災害が降りかかるのは個人ではなく、集団である。災害犠牲者は、望もうと望むまいと、集団の一員である。そして人は皆、集団でいると、一人でいるときとは違う行動をとる。災害時には、他人はもはや他人ではなくなる。災害そのものが人々の間にまたたく間に絆をつくりだす。



感想

スゴ本オフで紹介されていた本。命に関わるような危機的状況に直面する可能性は低いと思うし、この本を読んだだけで実際に活かせるかというとそれも疑問ではある。でも、知らないよりは知っていた方がいいだろうと思って読んでみた。可能性は低いとは言っても、長い人生の中で一度もない、ってことはないだろうからね。既に、阪神淡路大震災は経験しているわけだし。


人は常に理性的なわけではなく、リスク判断を間違えやすいってのは、これまでにも行動経済学関連の本を読んできて知っていた。目立つ情報に振り回されずに冷静に行動したいってのは常々思っていることなんだけど、それが緊急時においても発揮できるかどうか。若干の不安はあるけれど、自分に期待したいところだな。回復力はそれなりに持っていると思っているんだけどな。


ちょっと怖いのは、人は災害時に個人で行動するのではなく、集団の一員として行動するってこと。自分の決定での不利益ならば納得もできるけど、集団のリーダーの愚かさの巻き添えになるのは勘弁してほしい。そういった場面で行動できるようでありたいなあ。


たいていの状況においてパニックが起きることはないってのは、なるほどな、と。他にも、災害時に人が陥る心理状態について知る事が出来、かなり参考になった。リスクを見極め、準備していきたい。

現状、僕が最も可能性が高いと思っている危機は、災害よりも、経済的な環境についてなんだけどね。

2014-03-23

沖縄ナンクル読本

| 22:53

感想

沖縄計画、第5弾。情報としてはそれほどのものが得られたわけではないけど、複数の書き手たちによる様々な角度からの沖縄についての思いを知る事が出来、なかなか興味深かった。


泡盛が一時衰退してから、再び盛り返すまでの話は面白かった。あと、韓国人沖縄人に親近感を持っているってのも、なるほどなあ、と。

沖縄学−ウチナーンチュ丸裸

| 22:50

沖縄学―ウチナーンチュ丸裸 (新潮文庫)

沖縄学―ウチナーンチュ丸裸 (新潮文庫)

言語学的には沖縄の言葉は6世紀頃に日本祖語から分かれたとされ、室町期あたりまでの言葉が沖縄には数多く残っている。

「ようこそいらっしゃいました」の意味の「メンソーレ」は日本文に当てはめると「参り候え」となり、内地中世期のいわゆる候言葉が変化したものだといわれている。


中世期、かつての琉球アジアをまたにかけて華々しい大交易を展開した商業国家であったが、時代が下るとともに本来的な商売観まですっかり失ってしまったかのようである。いずれいしてもいまの沖縄の人々は無垢という言葉が当てはまるほどにお人好しすぎる。いうまでもなく、お人好しはつけこまれやすい。困ったことに、そのことを裏付けるように、沖縄悪徳商法にひっかかる人が多いのである。


商売は激しい競争心をあおるがゆえに、ときに周囲との摩擦を招く。小さな島社会という環境で生きていくためには、内的にも外的にもその摩擦のタネを排除しなければならない。たけだけしい大国に翻弄され続けながらも、この島の人々が優しさを失わずに今日まで生き延びてこられたのは、もしかするとそのあたりに理由があるのかもしれない。



感想

沖縄計画、第4弾。今の沖縄の人の気質や文化について。細かい部分から突っ込んでいくよりも、まずはこういう大枠から進めていくのがいいな。豆知識的な色々な情報を得ることができた。


沖縄の男性の自殺率が高いのは知っていたけど、それより前はもっと低かったってのは初めて知った。戦争直後に自殺者が出なかったってのは本当なのかねえ。事実だとしたら凄すぎる。そういう苦しい時代を潜り抜けてきたのに。現代はそこまで追い込まれているんだなあ。そんな中でも、やっぱり女性ってのは強いね。

2014-03-22

サウスバウンド

15:52

サウス・バウンド

サウス・バウンド

「我が家は、沖縄西表島に引っ越すことにしました。あなたたちにとって、いい人生経験になると思います。大学に行って会社員になるとしたら、多少の不利益は被るかもしれませんが、そんな誰もが歩む人生に、たいした価値があるとは思えないので、東京での生活を終わりにします」

「もちろん、あなたたちは永遠に親のものではないので、自立できると判断した時点で、独り立ちしてもかまいません。ただ15歳までは、おとうさんおかあさんと一緒に暮らしましょう。」


今日の篭城劇は、間違いなく大きなニュースになったことだろう。父は国民の目にどう映ったのか。憎まれはしないが、同情もされていないだろう。二郎は冷ややかな見方をしている。警察や企業に盾突く一人の男を、痛快に感じ、面白がりはするものの、我が身に置き換えたりはしない。テレビの前の大人たちは、一度も戦ったことがないし、この先も戦う気はない。闘う人間を、安全な場所から見物し、したり顔で論評する。そして最後には冷笑する。それが父以外の、大多数の大人だ。



感想

沖縄に親しもう計画、第3弾。Amazonで絶賛されている本なんだけど、僕には合わなかったなあ。絶賛している人たちも、別に一郎(父親)の思想に共感しているわけじゃないんだろうけど。全てを相対化・客観化して広く目配りしたい僕と、自分の主義主張を貫き通す一郎との、生き方の違い、かな。自分と違う生き方には、時に憧れなんかを抱くものだが、今回の本に関してはそう思えなかった。


息子の二郎もあまり好きになれなかった。子供特有の弱さ・愚かさが目に付いてしまって。大人や年上に翻弄されてしまうところとか、欲望をきちんと制御できないところとか。「太陽の子」の主人公も同じ6年生だったけど、あまりに成熟度が違いすぎる。まあ、二郎のほうが実態に近いんだろうけどさ。僕だって同じようなものだっただろうし、本当は強いことは言えないんだけどね。過去の自分を見ているようで嫌になるってことかな。


子供を巻き込んで波乱万丈な生き方をする両親だけど、それが親のエゴであることを自覚しているってのは、プラスポイント。無自覚に子供を支配している人っているからな。

自分の生き様を示し、子供には「自分で生き方を選べ」と言ってくれるのは、その後を考えればありがたいこと。旅立ちまでの日々も平穏にやらせてもらえたほうがさらにありがたいんだろうけどね。まあ、自分では選ばない道を見せてくれているんだから、視野は広がるだろう。