オモパが好きだ


今でこそこう、オモパコーナーの感想を書くのに差し障りが生じるなんてことはないわけですが、昔をよく知る人に聞いてみると、オモパコーナーの感想を書くなんてどういう料簡だって時代があったなんて話を聞いたり聞かなかったりしますな。そもそも当時の東京ではオモパなんて略し方をしなかったそうで。ではなんと呼んでたんですかと聞くと昔はオモ口パと呼んでいたとか。髪結いでも、芝居相撲オモ口パの話題についてこれないのでは江戸っ子と名乗る資格はないなんて風潮があったそうです。まーそこまで流行していたというのは結構な話に聞こえますけど、ひどいときには昇格退場をめぐって喧嘩沙汰になったというから穏やかでない。それもこれもすべてオモ口パに口だけを出す輩が多すぎるからだと、時のお上の一声で「口」が削られて現在のオモパになったと、まあここまでくるといくらなんでも嘘でしょうという話になるというか徹頭徹尾嘘なわけですが。
それはそれとしてニコリ153号オモパコーナーの感想です。


ドッスンフワリ

昇格めでたい。「ここで別解が生じないようにするには、このへんでこうするしかないよな……」てな状況が割と生じやすくて作成時にはもやもやしたりするのですが、誰かが作ったものを解くときにはそんなこと感じないんじゃないすかね。どんなもんでしょう。大人の余裕かあるいは子供の無垢さが必要ということかもしれません。(てきとう)


ノンダンゴ

好調でよいですね。ルールがシンプルな割に複雑なことができるのは魅力的です。「箱の中にひとつずつある黒丸と白丸の場所を確定する」ドッスンフワリと「箱の中に既にある丸の中からひとつだけある黒丸の場所を確定する」ノンダンゴでは字面で書くと目的はあまり変わらない気がするんですが、ずいぶん違って感じられるのはなぜでしょう。


オレサッカー

好評なんですか。それは失礼ですがちょっと意外。私は好きなので好評なのは嬉しいですが。前回も書きましたけど、直感重視で構成するにはルールが複雑だし、理詰め重視でいくにはパターンの広がり方が大きい(ちょっと言葉を省略してます)ので制御しにくいと思っていたのです。いや、オモパファンの許容力を侮っておりました。


ウソワン

ウソもの、ってジャンルがあるのか判らんですが、盤面系のウソものって、ウソであるかどうかを判定する局面とそれ以外の局面が乖離しがちだなーと考えるのです。ウソワンは比較的スムーズに繋がっているとは思います。そこが人気の秘密と主張したいわけでもありませんですが。


クロボウズ

1×nを配置するパズルはたまに解くと新鮮ですね。モチコロもそうだったのですが、別解を生じさせないような解答図の制約が案外と強固なので、局所的な調整が難しくてしかもそこが面白いところ。なんかオモパファンにしか伝わらない表現になってしまいましたしオモパファンに伝わるとも期待しずらいあれですが。数字が表現していることが独特なので要素の決まり方が意外で良いです。


トライアングループ

初見ではどう解いたらよいのか途方に暮れてしまいましたが、線が進めないところに丁寧に×印をつけると劇的に解きやすくなり、しかも思いもよらないつながり方の出現が楽しめました。作成時は、スリリン風のドットで一行おきに0.5マスずれたようなものを起用すると、準備の簡便さと作業のしやすさのバランスが良いと思います。長さが少し把握しずらくなるかもなので、出題時の盤面は現行のものの方が良いでしょうが。


クロクローン

黒マスがにょろにょろと伸びる感触が心地よいですね。矢印に指されない2マス以上の黒マスのカタマリは別解なしには存在できないので、そこははなから期待しないという心構えが良いかも。個人的には現状のルール3での制約は強すぎるものしか表現できないように感じますけど、他が新鮮で馴染みがないので仕方ないのかもしれません。


ということでこんなで。マクラを本文より長くしてみよっかなとちょっと思ったとかそんなこともありましたとさ。