3度目のソレント

mairuru2004-12-07

1度目は夏に、2度目はこの間母親たちと出かけた町、ソレント。行ったことが無いゆんぢが行きたいっていうから、ついて行くことにした。小さい町だし見るものがそんなにあるわけじゃないけど、可愛い町だからまぁまぁ好きなのだ。
朝9時のバスでナポリに行って、ナポリの港から11時に出る船に乗ってソレントに向かう。11時半にソレントに到着。港から町の中心に行く通りが私は大好きで、母親たちともここを歩いた。
港から石畳の道路が曲がりながら伸びてて、行き止まりに長い階段があるんだけど、崖に挟まれて陰になってて雰囲気がいいのだ。それに、その階段の上からはソレントの海がきれいに見える。母親と来た時には、彼女が高所恐怖症なのをすっかり忘れててここまで歩いて、階段を見た途端に上れないっていわれてしまった。まっすぐ切り立った崖沿いに階段がついてて、階段から下が見えるから、恐くて上れないのだ。2人分の幅がある階段だったから、崖側を歩かせて目をふさいで一緒に上ったけど、上ってくれなかったらまた下まで降りてバスに乗らなきゃいけないからこっちはちょっと必死だった。
その後町の中心の広場に行く。この辺りの旅行会社の人達に、夏に来た時に助けて貰った覚えがある。今回入ったら、前にいたおじいちゃんがいた。私を座らせてお喋りしたかったみたいで、中のオフィスに招き入れらた。地図が欲しかっただけだし、ゆんぢが外でタバコを吸って待ってたから、夏のお礼をしっかり言って地図を貰って退散した。
次にソレントの海を見渡せる公園へ出かけた。港が見下ろせて、見晴らしもいい。今日は天気が良くて海の色もきれい。っていうか、とっても暑かった。私は長そでのカットソーの下に薄手のキャミソールを着てただけだったけど、それでも暑くて汗をかく。地元の子供達は半袖とかタンクトップで、彼らだけを見てたら夏みたいだった。
それからお土産屋さん通りを歩く。じっくり見たかったけど、既にお腹がすいてたから後で見ることにして、レストランへ向かう。レストランはお土産屋さん通りの奥。夏に友達と入ったお店。12時半開店で、母親達と来たときは時間が早過ぎて入れなかったんだけど、今回は12時半ジャストに到着。二人でパスタとメカジキの燻製の前菜を食べる。私はイカ墨のパスタ、ゆんぢはサーモンとアボカドのパスタ。両方とも美味しかったんだけど、ちょっと量があったのと、こってりしてて重たくて、食べ終わったらかなり苦しかった。

食後の運動に、さぁ買い物でもしようかと通りを歩きはじめたら…お店が閉まってる。お腹がすいてしっかり忘れてたケド、ここはイタリア。昼間はお店、閉めちゃうのだ。1時半頃から4時半とか5時までは開かない。失敗。。。ソレントの見所は既に見ちゃったもの。ドゥオーモを見てから駅までの道をゆっくり歩いてみたけど、開いてたのはバールとかリストランテだけ。ゆんぢが絵葉書を買いたがってて、駅の売店で買おうと思ってたら、駅の売店まで閉まってた。小さい町でこれ以上は時間を潰せないし、ナポリに用事があったから諦めて帰ることにした。
ソレントとナポリの間は船で行くか、私鉄で行くかの二通り。船だと30分で着くけど、そんなに本数が無いから、帰りは電車にした。この電車だと1時間ちょっとかかるんだけど、面白いからまぁまぁ好きなのだ。
まず電車が汚くて小さい。ついでに座り心地も悪い。線路の幅も狭い。駅と駅の間が短くて、すぐに次の駅に止まる。なのにその間、すごいスピードで走る。トンネルも幾つかあるけどどれもギリギリの大きさで作ってあって、かなりすれすれに感じる。海が見えたりベスービオ火山がきれいに見えたりして景色も面白い。そんな感じで、乗ってるだけでもまぁまぁ楽しめる。1時間ちょっといるには椅子と電車の揺れで、乗り心地が悪くて疲れてしまうけど。
それからもっと好きなのは、地元の子供たちがいっぱい乗ってくること。この間も男の子たちと喋って楽しかったケド、今回はすごいグループと一緒の車両に乗ってしまった。ちょっとガラの悪そうな中学生?高校生達と一緒になってしまったのだ。始めの頃は普通に喋ってたケド、途中でちょっと体の大きな男の子が入ってきてからがらりと変わってしまった。まずその子が隣の友達カップルの女の子の膝をパン!と叩いたことから始まる。彼氏が怒ってすぐに飛びかかってしまった。顔を真っ赤にして何発かでっかい子を殴る。やっとそれが終わったかと思ったら、このでっかい男の子、今度は電車の上の網棚に手をかけてぶら下がり、”1,6,9!”って声をかけながら誰かに飛びかかるのだ。真下の席の子だったり、斜め向かいの子だったり…。プロレスごっこ?動物園の猿山か、どっかの中学校の教室の中に入っちゃった気分。でも皆この子を中心に集まってくる。人気者?みたいだ。気づいたら車両の端っこにいた私たちと、私たちの近くにいた4人以外は皆、この子達の学校仲間だった。5歳位男の子が一人いて面白そうに眺めてた。彼も大きくなったらあんな風になるんだろうなぁ。
ところで、彼らの言葉に耳を傾けて、声がでかいから勝手に入ってくるんだけど、さっぱりわからない。方言が強過ぎるのだ。ゆんぢは今までフィレンツェにいたから、ちょっとショックを受けたみたい。やっぱり南はちょっとガラが悪いみたい。電車中の落書きもひどいものだし、彼らを眺めてはいたけど、目を合わせるのは恐くてじっとは見れなかったもの。
というわけで、1時間ちょっとの電車の旅はなかなか…面白かったケド、疲れました。

ナポリ


前にナポリを案内してくれたアレッサンドラが、ナポリで市場をやってたから、出かけた。彼女は修復の仕事をしてるんだけど、自分と仲間の男の子と作ったものを売るっていうのだ。場所はヴォメロの丘。フニコラーレで上る。ナポリって、下の世界と上の世界があるらしく、駅の辺りの下の世界はホントに騒々しいし、恐くてあんまり歩きたくない雰囲気だけど、上に上がると静かで、ちょっとは安心して歩ける。
ゆんぢの友達が下に住んで1年近くになるんだけど、周りの日本人たちはしっかり、物を盗まれたり、ナイフを突きつけられたりしてるらしい。彼自身はそういう目に遭わないように細心の注意を払って、とにかく夜は絶対に出歩かないようにしてるっていう。サレルノで1時や2時に通りを歩ける私達とは違って、夜8時には家に帰らなきゃいけないのだ…。

フニコラーレの駅の目の前にアレッサンドラたちがいた。十数人のアーティストたちが自分達の作品を売っている。絵を売る人、陶器を売る人、アクセサリーを売る人…皆色々。アレッサンドラたちはアンティーク調の箱に絵を描いたものとか、寄木で作った飾りとかを売ってた。私が今回ソレントに出かけたのは、寄木細工のお土産を一つ彼に買いたかったからだったんだけど、ソレントでお店を見ようとしたときには閉まってて諦めてたから…ここで気に入った奴を見つけたときはかなり嬉しかった。ソレントのお店で見た奴より、ちょっとシンプルでシックで素敵だった。折角来たから何か買ってあげたかったし、でも無理して買うのは嫌だったから欲しいものが見つかってホッとした。

それからゆんぢとその辺りの通りを少し散歩。ナポリの下の町では買い物なんてほとんどしたことが無いけど、上は静かで通りも広くて安心して買い物ができる。とはいえ、ゆんぢと一緒だからあんまりじっくりアクセサリーや洋服を見るわけにはいかなくて、結局彼とおもちゃ屋さんに入った。彼の小さい弟へのお土産を買いに付き合ったのだ。そこで2人で少しおもちゃを見て買い物もおしまい。フニコラーレで下まで降りて、最後はバス乗り場へ。。。
サレルノには電車でも行けるんだけど、とにかく駅の辺りが恐いし、アレッサンドラにもいつも港から出るバスを勧められるからバスを選ぶ。でもこのバスが終わるのが早くて8時の便が最後。私たちがバス乗り場に着いたのは7時過ぎで、最後から二つ目のバス。発車してすぐに止まった停留所で沢山乗ってきて、沢山の人が立つことになってしまった。でもこのバス、高速を通る。…立って乗って危なくないのかな?皆慣れてるのか普通に立ってたケド…不思議。

いとーさん最後の夜!

サレルノに帰ってから、ゆんぢと食事に出かけた。って言ってもお腹がすいてたのは私だけ。ランチが重かったから、ゆんぢはまるでお腹がすいてなかったのだ。私の胃は…良く働くのだ。。。
家の近くのワインバー、”ゴッチャ”に行く。ここ、3ユーロ(400円ちょい)でウェイターが選んだワインを持って来てくれるんだけど、いいワインばっかり置いてあるし、レモンリゾットが美味しい。他にも料理は色々あって、皆結構食べてるから他の料理も美味しいと思うんだけど、一度レモンリゾットを食べてからこればっかりになってしまった。
ゆんぢはワインを飲み、私はワインと一緒にレモンリゾットを頂く。ボジョレーヌーボーのイタリア版のを一杯目に頂いて、これがとっても美味しかった。甘いんだけど、深いっていうか、香りが濃くって…ワインの説明は出来ないんだけど…美味しかった。でももう少し渋めのが飲みたいって持って来てもらった2杯目がまたまた美味しかった。カベルネソービニオンのワインで、CHIOPRISっていうワイン。ゆんぢはこれがかなり気にいって3杯目も同じのをって注文したんだけど、頼んだお兄ちゃんがわるかったみたいで…しっかり間違えて違うワインを持ってきた。これも美味しいことは美味しかったんだけど、2杯目の方が私たちの好み。最後に3つ全部の名前を確認して、次にまた2杯目のワインを飲みに行くことにした。
その後今日が最後の晩のいとーさんと合流して飲む。彼は今日、いろんな人とお別れをしてきたみたいでちょっと淋しそう。なるべく楽しい話をする。こっちだって淋しいもの。1時半頃、私は疲れてしまって先に帰る。何となくセンチメンタルな気分になったのと、通りを一人で歩いてて恐かったのとがあって彼に電話して…会いたくなってしまった。ウルル。