来年の相場展望


債券相場の崩壊が始まっています。
10月初旬に世界中で異常に買われ、とんでもない高値を付けた日米欧の債券価
格(金利は低下)ですが、
この2ヶ月で一気に大幅に下落(金利は上昇)、パニック的な売り物を交えて債
権市場は大混乱です。
ただし、まだ世界に大混乱を引き起こすほどの水準ではなく、来年一杯動きは止
まることなく続き、
いよいよ2012年のインフレ爆発(債券暴落)に向けて勢いを増すでしょう。
デフレからインフレの波はもう来年の夏には誰もが意識することになるでしょう。
そして、現在始まった日本株、並びに世界の株式市場の上昇は、世間の想像以上
に勢いづくはずです。
まさにインフレの扉が開かれ始めていて、デフレ論者をあざ笑うかのように着実
にゆっくりと進行するでしょう。
一般の方にとっては、債券バブル崩壊などとは全くピンとこないかもしれませんが、
自分が保有していないということもありますし、だいいち債券の値段など誰も追
いかけません。
マスコミも騒ぎませんし、全く危機の予兆など感じないでしょう。
しかし、2007年夏段階で既に始まっていたデリバティブ市場のサブプライム
ローンの暴落が始まり
結果としてリーマンショックに繋がったように、相場の急落や経済破壊というの
は、当然それなりの前兆があります。
これから起ころうとしているのは、これまでと違った新たな救いようのない膨大
不良債権の出現で、
それはリーマンショック時にはなかった債券という巨大なお荷物の暴落です。
景気が世界的に回復するということはすなわち、金利が上がるというに直結して
いきます。
また当然、商品価格なども上昇の勢いが止まらなくなるでしょう。
もし日本の景気が回復して通常金利が5%になったらどうなる?
日本国は、1000兆円の借金がありますから、金利負担が年間50兆円になり
ます。
税収が37兆円しかないのですから、当然国家破綻です。
要するに日本国は景気が世界並みに急回復しては、破滅してしまうのです。
例えば、このまま短期で日経平均が2万円とかに上昇するような好景気を受け入
れることはできません。
そのような状態は、資産効果から好景気を生みますが、結果的には金融機関の保
有する膨大な債券が
暴落して日本の全金融機関が破綻するからです。
前にも好景気があったし、債券暴落で日本の金融機関が破綻したことはないと言
うかもしれませんが、
今回は違います。
以前とは比較にならないほどの日本国債保有しており、低金利(債券高)が長
く続いた為に、ほとんど
全て債券を史上最高値時に購入しているのです。
仮に日米欧を含む世界的な急激な景気回復ということになれば一番に日本の破綻
が起こるわけです。
国家も金融機関も金利高騰に耐えることができません。
世界で一番金利が低い(債券価格が高い)ということは、裏を返せば、日本は世
界で一番金利高騰(債券
価格急落)に耐えられない国ということになります。
あれだけ膨大に発行された日本国債が国内だけでさばけるということは、日本の
金融機関のポートフォリオ
は異常に偏りがある(日本国債を買い過ぎている)ということに他なりません。
今回わずか2ヶ月で世界的な債券の大幅下落が起こりましたが、今の日本の債券
市場で債券を叩き売って
いるのは、狼狽している日本の銀行を中心とした金融機関です。
金融機関は大量の含み損を抱えた債券を保有しているに違いないですが、まだ現
在の水準では債券問題を
引き起こすことはないですからニュースにもなりませんが、今後の展開では予断
を許すことは出来ないでしょう。
恐らくこのようの書いてもほとんどの方はピンとこないかもしれませんが、株の
ケースと違って感覚が沸いてこない
から怖いのです。
ニュースにもなりませんし、金融機関の運用担当者あたりが真っ青になっている
だけで、世間一般では
何の危機感もないのです。
いわば普通の人からすれば突然嵐が襲ってきたようなもので、それはリーマンが
つぶれた直後の株の暴落で
気づくことになり、そのような大ショックはやはり来年に起こることになるで
しょう。
今起こり始めたこと、これから来年一杯起こることは、言わば前哨戦で、その前
哨戦で起こることは実は
非常に楽観気分を醸し出すことになるでしょう。
デフレからインフレへの変化、言わば不景気から好景気へ、株式が上がるでしょ
うから気分も明るくなります。
あたかも世界の景気回復が見事に政策効果によって成し遂げられたような錯覚に
陥り、止めどないインフレ
という破壊(債券大暴落)に向かうでしょう。
これから来年にはマスコミの論調も一変して、高らかに景気回復が意識されるよ
うになるのではないでしょうか。
デフレからインフレへの転換は、おそらく歴史上ないようなスピードで進み、必
需品の高騰なども起こり
デフレ、デフレを叫んだアナリスト、評論家、政治家達が見事に見方を変えてく
るのもこれからです。
来年、2011年は、本当に危機が始まる、まさにマネーの乱舞が見られ、薄っ
ぺらな景気回復が花咲く年と
なり、虚構を写すかように株価は大きく躍動するでしょう。
インフレの序章が始まり、今回の株高は本物です。
この動きは、おそらく年末年始にかけて更に盛り上がり、その後当然調整はある
でしょうが、
おそらく夏までは続くでしょう。
その上昇は、インフレの顕在化とう形である日、一気に崩れ去るのですが、今の
ところ来年夏までは青信号で、
秋ごろから黄色点滅かという考え方です。
来年前半は株式の上昇と共に景気回復やインフレへの変化といったことが話題に
上り、今、日本でインフレなど
と言ったら頭がおかしいと思われそうですが、一貫してインフレが来るという強
い姿勢です。
為替も年末、年始までは円安、ドル高の流れは続くでしょう。
ドルもユーロも問題の根は深く簡単には片付くことはありませんが、通貨の相場
は相対で決まりますから
おそらく来年の少なくとも夏くらいまではどの通貨も破壊的な変化は起きないで
しょう。
商品が上がり、人々の予想より景気回復が見られ、株価も上がるというデフレ局
面からの変化の局面でもあり
投資することで、大きな利益を得ることができるでしょうし、来年秋以降市場が
波乱となっても資源や食料に関する
株式、いわゆるインフレに強い株式は残るでしょう。
特に異常気象が世界中で続いており、食料の高騰は避けられないでしょう。
現在、中国の物価高、特に食料価格の上昇が話題になっていますが、まだこれは
序の口で、いよいよ来年は
日本への食料も衣料も値上げの波が訪れるでしょう。
小麦や大豆、トウモロコシなど代表的な穀物は当然ですが、砂糖とかコーヒー、
オレンジジュース、チョコレート
、そばとか野菜とか様々な食べ物の値段が上がってくるでしょう。
そして米にも波及する可能性もあります。
また、金(ゴールド)をはじめとする貴金属はさらなる高騰となるでしょう。
金(ゴールド)の上昇は来年が本番で、上げのスピードが出れくると思います
が、上下の動きが激しくとも
決して売らないでおけば、驚くほどの高値となる可能性もあり、保有者とそうで
ない人との差が激しくなるでしょう。
プラチナ、銀、銅も当然有望です。
石油は現在90ドルに乗せてきましたが、来年早々100ドル乗せとなるでしょう。
銅の上昇率は更に大きいものとなるでしょう。
資源関連株は徹底マークする必要があるでしょう。