Dock.app 10.7で暴走

MacOSX 10.7で時折CPUが長時間100%を記録するようになりました。
同時にメモリの消費量もうなぎ昇りに。
アクティビティモニタによると何故かDock.appが原因のようです。

よく見るとDockに書類フォルダなどを登録していてもCPU使用率が上がるようです。
そのことからDockの役割が増えているのではないかと推測しました。

LaunchPad??

調べてみるとDockがDBを持つようになったとのこと。主にLaunchPad用に
indexを作り、そのために定期的にDock.appがフォルダを探索する模様です。

Macの手書き説明書/Launchpadに登録されたアイコンをリセットしたり全消去したりする方法
http://veadardiary.blog29.fc2.com/blog-entry-3429.html

Macfan.jp
Launchpadに表示されるソフトを自分で登録したい
http://macfan.jp/guide/2011/11/30/launchpad_1.html

10.6までアプリケーションフォルダをDockに登録して使っていたのですが、これを辞めてLaunchpadを使えということなのかも知れません。

VM用共有フォルダが怪しい

これらによりだいぶCPU使用率が下がったのですが、それでもDock.appが暴走することがありました。更に調べていくと
vmwareやFusionでの共有フォルダが原因の模様です。

Lion update 10.7.2 - Dock eating memory and CPU
http://communities.vmware.com/thread/333119

vmwareを起動し、共有フォルダが有効になることでDock.appの
アイコン探しdaemonが無限ループに陥り、暴走すると推測中です。

その後、PRAMのリセットで治るとAppleから言われた人がいるようですね。
こちらは当人も様子見中。私も未検証です。

Lion update 10.7.2 - Re: Lion update 10.7.2 - Dock eating memory and CPU
http://communities.vmware.com/thread/333119?start=105&tstart=0

共有フォルダ無しにどう過ごすか

共有フォルダが使えなくなるとあまりにも不便なので、代替案としてMacOSX上で
ネットワーク共有(SMB)をさせるようにしました。
使っている感じでは(当然と言えば当然ですが)動画再生で様子を見る限りは
VMWareのネットワーク設定をブリッジではなくNATにし、クライアントから見たゲートウェイのアドレスで
SMBアクセスする方がホストOSのローカルで完結するようで早い印象です。
しかし一部のソフトウェアではそうしたネットワーク共有時のPATHが気に食わないようで
開けなかったり保存時にうまく行かなかったりするので面倒です…
いっそNASを導入してそこにホストOSもクライアントOSもアクセスするのが良いのかも…

2012年1月25日追記

その後,代替案二つを試しています.一つはベタですがDropboxによるファイル共有.
アクセスに関しては一番ストレスがない方法と思われますが,
一台のMacの上にも関わらずクラウドを経由するのはあまり美しくありませんね.
もう一つはゲストOSであるWindowsでファイル共有を行い,ホストOSのMacOSXからSMBマウントする方法です.
そもそもゲストOSの使い方はゲストOSにあるアプリを頼ってのことなので,
ホストOSから激しく読み書きしない限りは良さそうな雰囲気です.ひとまず日本語ファイル名のファイルをコピーしてテスト中です.

FiiO E5からE1へ乗り換え

以前FiiO E5に関する記事をアップしました.滅多に更新の無い当ブログですが,安定してアクセスがある記事の一つな辺り,関心の高さが伺えます.


先日,TwitterにてイーイヤホンにてFiiO E1という製品が出たとの話を入手しました.もろもろ検討した結果,購入.暫く使ってみて気に入りましたので紹介をさせて頂きます.


E1とE5の違い

通常のアンプの場合,同じ枕文字(E)だと同じシリーズのはず,という思考が浮かびます.そこはFiiOなので考えているのかどうか不明ですが,値段だけ見るとE5の方が上位に見えます.

しかし実際に比較してみるとバッテリ内蔵のE5に対し,E1はiPod/iPhoneからの取得.イヤホン出力から入力を取るE5に対し,E1はiPod/iPhoneからのライン出力を取ります.この辺りからも別のシリーズと考えるのが良いでしょう.価格差と言っても1,000円程度ですしね.

PB282715

E1を購入した理由

E5を使っていて気になるのはボディが小さいために他モデルよりは良いと思っていました,小さすぎるために却ってどこに収めれば良いかが定まらずに邪魔,という問題がありました.クリップ式なのですが,挟むところを探すのに苦労します.またラインケーブルも邪魔.30cm程度のものを採用し,カバンに付けていましたがどうにも取り回しが不便な印象でした.

加えてバッテリ式というのも難点です.E5では8時間程度持続するものの充電の際には別途USBケーブルが必要です.このUSBケーブルはiPodiPhoneとは当然異なります.結果的にE5を持ち歩くときは本体+ラインケーブル+USBケーブルが必要になります.これに加えてiPhoneも充電するとなるとiPhoneのケーブルも加わります.

そうなるとDock直接収容のE1ではiPhoneのケーブルを持っておけば充電の心配も無いというわけです.ホームオーディオであれば多少の重厚長大も許容するのですが,モバイルオーディオは極力シンプルなのが良いと悟った今日この頃です.

E1とE5の音質比較

どちらにせよ,iPodiPhone内蔵アンプからのステップアップとしてオススメなのは違いありません.しかし通常のホームオーディオであればメーカーによる一貫した音質傾向があるのですが,E1とE5に関しては全くの別物です.

まとめるとE5はドンシャリ.曲によってはブーミー過ぎる傾向に.それでもなおバスブースとのスイッチがあるのだから凄い話です.低音好きにはE5で良いでしょう.

対するE1は低音控えめ.恐らく低音好きや一部の鳴らしにくいイヤホンオーナーには「低音が無い」と言われる可能性も.対して中高音の解像度がE5には比較にならないほど良いです.最近吹奏楽をまた聞き始めたのですが金管楽器の雰囲気なんかもよく出ています.

愛用しているHP-FX500だともう少し低音が欲しいですね.UE辺りだとバランスするかも知れないな,などと思っています.それくらい中高音に寄った音作り.聴感上のS/N比は良いのでもう少し低音寄りにしてもらえると,と言うのが感想です.ただE5より癖は無いので素直に喜んで使えます.

E1を使ってみて

モバイルする以上,気になるのは使ってみて邪魔になるかどうかというのは重要だとE5で悟りました.多少邪魔になっても良いから良い音を,という人には至らなかったのでそうした目線でE1について書いてみたいと思います.

まず気になったのはクリップ部分です.このクリップ力が非常に弱い.残念なほど弱い.想定しているのはYシャツじゃないでしょうか.厚めの布地でできたカバンだと気持ちよく挟まらず,取れてしまうことも.流石にケーブルが長いので無くさないとは思いますが.

次に気になったのはボタン部分です.よく見ると真ん中の丸いものが停止ボタン.左右が音量.これだけではなく,端に位置するのはそれぞれ次の楽曲と前の楽曲にもどるボタンになっています.これがまずい.持つところがなく,先に述べたようにクリップ力が弱いため,再生しながら本体を付け直そうとすると誤って楽曲がスキップされるという不快感が結構な確率で発生します.クリップの反対側が全てボタンなのでどうしても触ってしまうというわけです.もう少し感度を低くするなどの工夫があれば良かったのに,と思うと残念です.操作性という意味では誤操作の少ないところにボリュームを配置したE5の方が好印象でした.多少価格が上がってもロックが付いてくれると嬉しいのですが.そうなるとAT-PHA30iになるんですかね.価格差は倍以上ですが.

iPhoneで使っていますが,iPhone本体の電源の持ちは悪くなりますね.ボリュームに寄るでしょうがなかなかのスピードで電源が消費されて行きます.あわせて買いたいエネループといったところでしょうか.

PB282718

まとめ

操作性に注意が必要なものの,全体としてオススメできるものです.値段を考えると恐ろしくよくできているアンプだと思います.低音好きな方はE5に行かれたほうが幸せなのは間違いないですが,そうでない限りはE1の方が質感の向上を感じられると思います.それにしてもアナログアンプで遊んでいた人間からすると実に安い…

続いて,文部科学省への意見を1,000文字にまとめ,送付しました.

<<< ここから

先日行われた事業仕分けについての意見を送付させて頂きます.
事業仕分けでは,これまでクローズであった政治決定プロセスがオープンにされたことは評価されるべきことだと思います.政治側がオープンになった以上,税金を頂いて業務を遂行している研究者もオープンにすることが求められることは然るべきという意見にも賛成しております.天下りや不透明な団体資金に切り込み,無駄遣いを改める動きは一国民として賛成します.しかしながら仕分けにおける民主党側の研究者や科学研究への誤解,博士やポスドクに対する認識の間違い,不十分な議論時間,食い違う論旨などが数多く見られました.現場の声も科学未来館以外は反映されず,弁護人も居なかった議場では,一方的な仕切りにより事業を整理された印象が拭えず,適切な仕分けがなされたとは考えられません.
財政難の中,限られた時間の中で,何を削り,何を活かすかという選択は非常に難しいとは思いますが,仕分けの再考を要望します.
文字数制限から,以下のURLに詳細を書かせていただきました.こちらは民主党WEBページより意見表明したものです.
http://d.hatena.ne.jp/makaibito/20091115

>>> ここまで

事業仕分けの見直しを要望,民主党に意見を送付

先日の事業仕分けについて,Twitter界隈を中心に意見が多く集まっています.
特に#shiwake3は目覚ましいものがあります.
現在,こうした仕分けの意見から派生し,日本における科学技術のあり方について考える
#f_o_sという議論のチャンネルが開設されました.

しかしながらTwitterでつぶやくことはローカルで愚痴るよりはずっと声が届きやすいものの,
直接的なインパクトに欠けるのも事実です.
声となって届くのか,どこまでのインパクトがあるのかは分かりませんが
民主党本部に以下の意見を提出しました.民主党意見募集窓口
一人一人の意見はもちろん大切ですが,数としてのインパクトも重要だと考えます.
この問題を重要だと思われた方は,何かしら民主党の窓口にポストして頂きたいところです.<<< ここから

先日行われた事業仕分けについての意見を送付させて頂きます.

事業仕分けでは,これまでクローズであった政治決定プロセスが
オープンにされたことは評価されるべきことだと思います.
政治側がオープンになった以上,税金を頂いて業務を遂行している
研究者もオープンにすることが求められることは然るべきという意見にも
賛成しております.

私は業務の関係上,仕分け1と3の議論を切り替えながらストリーミング
視聴しておりました.天下りや不透明な団体資金に切り込み,
無駄遣いを改める動きは一国民として賛成します.
しかしながら仕分けにおける民主党側の研究者や科学研究への誤解,
博士やポスドクに対する認識の間違い,不十分な議論時間,
食い違う論旨などが数多く見られました.
これらを踏まえ,仕分け手法,並びに結果の見直しを要望したく意見書を提出させて頂きます.

事業仕分け

事前に調査した上での仕分けという説明だったが,
議場では「私は未来館には行ったことが無いのですが」という言葉が
発せられていました.省庁側との議論の食い違いも含め,準備不足なのではないかと言う印象が拭いきれません.
以下にそれぞれの項目について述べさせて頂きます.

事業仕分けの進行

ごく短時間の中で次々に議題を消化する様を中継するということは,
非常に大変だったものと思います.
しかし内容としては仕分け人と省庁側で食い違いが多く,非常にロスが大きく,
食い違った結果,縮減,あるいは廃止されたのではないかと思われるものが
多々見受けられました.
省庁側のプレゼンテーション力,ディベート力の問題はあるかも知れませんが
弁護人やそれに類する発言が一切無く,議論として成立し,
適切な仕分けがなされたのかは甚だ疑問です.
さながら時代劇の中の裁きであり,民主的なやり方では無いと考えます.

現場の不在

事業仕分け3において注目が集まったものに,未来科学館毛利館長による
プレゼンテーションがありました.仕分け人側からも「ようやく議論できる」と
称賛の声が上がりました.
多くの事業において省庁側からの説明者のみが参加していましたが,
毛利館長のプレゼンテーション力の高さもさることながら,
現場の声としての毛利館長だったからこそできた質疑応答だと考えます.

研究の委託について,民間の委託とは大きく異なる流れがあります.
民間企業においての委託は仕様,あるいは設計というものは多くの場合において
発注者が作成します.しかしながら現在の研究事業では,テーマや課題に沿った
アプローチは研究機関や研究者が考えるものが多々存在します.
具体的にはテーマや課題を公募し,それに乗っ取ったアプローチを研究機関が提出し,
選定,委託されるという流れのものです.委託された研究は定期的な
説明会や評定を経てテーマに合致しているかどうかなどが審議されます.

このような研究の流れがある中,当事者不在では質疑に答えられないような場合もあり,
現場の状況を理解されないまま仕分けされてしまったものもあると考えます.
八ッ場ダムと同様,現場の人間との対話を行う必要があるのではありませんか.

基礎研究

現在,研究の現場において一般への広報活動というのは研究活動の一環として
行わなければならないという風潮が起きています.
具体的には説明会においての評定項目として,従来の論文投稿や標準化数に加え,
マスコミへの取り上げや,社内外の展示会への出展といったものが対象とされています.
税金を利用している以上,説明責任はあると思いますし,
こうした動きはますます広がっていく必要があると感じています.

しかし基礎研究というものは往々にして非常に地味なものです.
むしろスパコンなどは派手な部類です.
加えて基礎研究は積み重ね,あるいは複合してようやく人の目に触れる
大きさになるものなのです.
事業仕分け,特に3では委託している事業に対し,その即効性と
国民へのダイレクトな反映が求められていましたが,それ単体のインパクトが
小さいからと言ってやらなくて良いようなものではありません.
時間を掛けて説明すれば理解して頂けるようなものかも知れませんし,
その難しさを理解していただくことはできないようなものかも知れません.
少なくとも,1事業1時間で理解できないから不要,と言えるものではありません.

また,事業仕分け3では「ノーベル賞を取れるのかどうか」という議論に終始している
ものがありました.一般の方へ理解して頂けるものの指標として
ワイドショーにも取り上げられるノーベル賞というものがありますが,
すべての研究がノーベル賞を取れるわけではないことを知っておいて頂きたいです.

私はインターネットにおけるストリーミング放送を研究しておりますが,
事業仕分けに用いられた生中継のシステムにしても,
映像の圧縮,音声の圧縮,転送手法,多人数接続時の転送効率改善手法,
負荷分散といった技術に何人もの研究者が関わってきました.
そのシステムを運用していたサーバシステム,あるいは各視聴者が
見ていたPC,あるいは撮影していたカメラ.これらの機材に
何万の基礎研究から構成されているのです.
逆に申しますと,もっと多くの視聴者や,サービスの高品質化,安定性の確保には
さらに研究を積み重ね,改善していく必要があるのです.

加えて官に頼らず民間で研究すべき,という話題が登場していました.
数年前は産官学協同が華やかでしたが,長期に渡る不況により
産はさしあたって売れるものしか作る予算が出ず,
将来の基礎研究への投資というものが難しくなっております.
私自身,数年前までは某大手家電メーカーとの共同研究を行っておりましたが,
いずれも不況を理由に現在までの関係には至っておりません.
かと言って積み重ねることが重要な基礎研究を,誰もしなくて良いというのは
間違っており,何か新しいものを生み出すための積み重ねとして必要かどうかという
議論をするべきと考えます.

外国人研究者招聘と博士,ポスドク

外国人研究者の招聘について,賃金が安価であっても
「研究の質が高ければ外国人研究者は自然に集まる」という発言がありました.
この発言についてですが,一般的な方が条件の良い会社に転職するように,
条件が悪いにも関わらず集まる人がどれほど居るでしょうか.
仮に賃金が安価であっても,研究環境に惹かれて選択するケースはあると思います.
その研究環境の指標として,マスコミにも取り上げられる世界の大学ランキングが
あります.
今大学では国際的な競争力を高めるために,この大学ランキングを非常に
気にかけています.そしてこのランキング,もちろん各ランキングによって
評価基準は違いますが,教員数,博士の数,論文数,論文被参照数と言ったものが
大きく関わってくるのです.
これらを支えているものにが先の仕分けで対象となった博士であり,
ポスドクがあります.秀でた研究を行うための投資として必要な要素として
何が必要で,何が不要なのか,こうした現場の実情を踏まえて
判断頂きたいと思います.

最後に

政治決定プロセスを広く公開することによって,
政治決定に至る議論をオープンにすることによる動きは素晴らしいと思います.

しかしながら予算構築にあたり,時間的な問題があったにせよ,前提条件の相違,
食い違う議論,現場不在の仕分けには甚だ疑問を感じます.

財政難の中,何を削り,何を活かすかという選択は非常に難しいとは思いますが,
仕分けの再考を要望します.

ここまで >>>

文部科学省にて行政刷新会議事業仕分け対象事業についての意見募集が開始

11月16日付けで文部科学省のWEBページにて,仕分けについての意見募集が始まっています.
各部門別にメールが送信できるようになっています.
上記の内容にて,全分野についての見直し要望をメールしました.

MacBook(10.5.7)でスリープできない,電源も落ちない現象を何とかする

上司のMacBook(last 2008)が以下の症状を抱えていたので対処した際のメモです.

  • スリープをしようとするとすぐに復帰してしまう
  • システム終了をしようとすると電源オフ後にすぐに起動してしまう

当初はこの問題が同一の原因であると思っていたのですが,結論からすると異なる二つの問題が同時に起きていました.

10.5.7固有の問題を疑う

調べてみるとMacOS 10.5.7と特にMacBookProの組み合わせにおいて,スリープしないという症状を抱えている人が多いようです.
参考になるサイトはこちら.日本語ブログも多くヒットしますが,具体的な指示が書かれていなかったのでこちらのサイトに行き着きました.
http://www.macfixit.com/article.php?story=20090518095106449&query=10.5.7+sleep

1. Open System Preferences > Network
2-1. If you see your Ethernet port in your list of network ports (on the left-side of the window) and it says "Inactive," activate the port by clicking the gear wheel icon and selecting "Make Service Active." Click "Apply."
2-2. If you do not see your Ethernet port in your list of network ports (on the left-side of the window), click the "+" button in the bottom-left corner.
3. In the "Interface" drop-down menu, select "Ethernet."
4. Enter a name and select "Create." You should see your new Ethernet connection appear.
5. Click "Apply."

Note: If you are having this issue and your Ethernet port is already enabled, try disabling it (using the gear wheel icon menu > "Make Service Inactive"). Log out or restart your Mac, then enable it. Be sure to "Apply" your changes.

意訳すると10.5.7固有の問題でシステム環境設定のネットワークの中に,Ethernetが登録され,有効になっていないとスリープしないとのことです.既に有効になっている場合は一旦無効化し,再起動した上で再度有効化すると良いと言うことでした.

しかしこのMacBookには該当しなかったようで効果はありませんでした.そこで次の方法を試しました.

SMCリセットを行う

かつてPMUと呼ばれていましたが,PRAMとは別に主に電源周りをコントロールしているメモリがあります.これをリセットすることにより,スリープなどの問題が解決することがあるそうです.
http://support.apple.com/kb/HT1411?viewlocale=ja_JP
トラブルシューティングを行う上では,大抵の場合はシステムの再起動によって解決するので,電源そのものが疑わしい場合の最終手段として実行することとされています.

SMC のリセットは、コンピュータが動作停止した場合、またはコンピュータが反応しなくなった場合の解決策を意図するものではありません。パワーマネジメントシステムのハードウェアの故障が疑われる場合に最後の手段として行う場合を除いて、SMC のリセットは必要ありません。SMC リセットを実行すると、ハードウェアの電源管理機能がリセットされます。

上記URLによると,MacBookやMacBookProの年代によってSMCリセットの方法が異なるとのことです.

MacBook (13 inch, Late 2008)、MacBook Pro (15-inch, Early 2008)、MacBook Pro (17-inch, Early 2008)

1. コンピュータに電源が入っている場合は、電源を切ります。
2. AC 電源アダプタを抜き、コンピュータのバッテリーを外します。
3. 電源ボタンを 5 秒間押したままにしてから放します。
4. バッテリーを取り付け直した後、AC アダプタを接続し直します。
5. 電源ボタンを押して、コンピュータを再起動します。

注意:MacBook Pro (Late 2008) および MacBook (Late 2008) モデル以降は、MacBook Air のリセット手順 (後述) を使って SMCをリセットできます。それ以前の MacBook および MacBook Pro モデルには、バッテリーの取り外しを行う上述の手順に従ってください。
MacBook Air および MacBook Pro (Late 2008) 以降

1. コンピュータがオンになっている場合は、アップル メニューから「システム終了」を選択して電源を切ります。
2. 電源アダプタを正常に動作しているコンセントに接続します。
3. 内蔵キーボードの 「shift + control + option」(左側) キーと電源ボタンを同時に押します。
4. 5 秒間待ってから、電源ボタンを押してコンピュータを起動します。
注意:内蔵キーボードの左側のキーを使う必要があります。

これにより,当方のMacBookでは,システム終了時に再起動してしまうという問題が解決しました.残るはスリープが出来ない問題です.

設定ファイルを疑う

引き続き対処方法を模索していると,システム設定ファイル(plist)を捨てると直った,という報告がありました.
http://forums.macrumors.com/showthread.php?t=622188
この報告によると以下のファイルを削除することでスリープするようになった,ということでした.

/Library/Preferences/SystemConfiguration/com.apple.PowerManagement.plist

管理者権限での削除が必要なので削除時にはパスワードが求められます.
このファイルを削除することにより,無事にスリープするようになりました.

調べてみて

今日調べた範囲では10.5.7とMacBookシリーズの組み合わせにおいて,電源周りについてトラブルが発生した場合は上記の3つの方法を検討してみるのが良いようです.特にハードウェアリセットや初期設定に起因するものはOSの再インストールでは対応できないため,注意が必要です.

日本におけるTwitter利用者増加の課題は若年層にあり

Twitterにおける利用者数について述べられた記事として,5月27日Twitter、日本のユーザー伸び率好調も利用時間は米・英より短いがあります.この記事に寄りますと日本におけるTwitterの利用者数は52万人.男女比は男性が75%ということでした.私の感覚では5月末にnagano_haruさんがTwitterを楽しむ10の方法(初心者ver)を書かれた頃から新規登録者らしき人たちのフォローや参加が増えたように感じますので,若干の変化は発生しているかも知れません.

今朝方,Twitterにおける男女比について話が盛り上がっていました.TwitterはIT業界の人の登録が多い,IT業界には女性が少ないから男女比もこのようになっているのでは?という話になっていました.数日前にはTwitter上でコアなユーザーとされる人たちは「mixiTwitterTumblrとearly adaptersは移っていくんだよ」とも話していました.では本当にTwitterはそこまで流行るのか,私なりに考えてみました.

Twitterの利用者像

Twitterを眺めてみて感じるのはやはりIT業界の人が多いということです.特にWEBサービスやWEBデザイン系の人が多い印象です.年齢層は20代後半以上,男女比はニュース通りの感覚です.Twitterは草の根でフォロワーが広がっているので私の実感とはずれている人が居る可能性は十分に考えられますが,少なくともmixi前略プロフのようなサービスに比べ,高校生,大学生と言った若年層の参加が少ないと思います.

アメリカの場合,Pew Internet & American Life Projectが2008年12月に行った調査,Twitter and status updatingによると18-24歳のアクセスが19%,25歳から34歳が20%,35歳から44歳が10%,45歳から54歳が5%を締めている,と発表されています.PDFで配布されているレポートによるとユーザーの中央値は31歳である,とされています.同様に報告されているMySpaceが27歳,Facebookが26歳ということなので,やや年齢層の高いユーザーが見えてきます.日本のTwitterユーザー分布も知りたいところです.

Twitterを大学生に勧めてみて

昨年,私が商業系大学で非常勤講師先をしていた授業,これは情報処理の基礎科目だったのですがTwitterをはじめ,様々なWEBサービスを大学一年生に利用させてみました.その結果,特にTwitterは一部を除いてさっぱりウケない,というものでした.この大学だけでなく,私が普段活動している大学でも,学生に勧めてみるものの,一部を除いてあまりノってこないという現状を感じます.

最近の大学生についての分析

4月なのでほぼ高校生と言い換えても差し支えのない頃合いでしょう.彼らを情報処理の授業担当者の視点から見た場合,大きく二極化することに驚きます.高校で「情報」の授業が展開されているとは言え,多くの高校において十分な知識を持った授業担当者が居ない,進学校では軽視されることなどから,パソコンが使える学生と使えない学生に差が出来ています.ほぼ全員が遅いながらもタイピングができる当たりに「情報」授業の成果を感じます.できる学生というのはもちろんしっかりと「情報」授業を受けてきた学生・・・は少数派で普段からパソコンやインターネットに親しんだ学生が多く,放っておいてもニコニコ動画YouTubeを見たりしています.

現在の大学1年生はIT革命,常時接続の普及が始まった2000年には10歳とかですから「物心ついた頃には常時接続」世代です.一方でコミュニケーションツールとしてパソコンを使っていた人は少数です.一方,i-modeのサービスインが1999年2月なので「物心ついた頃には携帯電話」世代とも言えます.2008年4月に日本青少年研究所が発表している高校生の消費に関する調査によると高校生の携帯電話所持率は96.5%なのに対し,パソコンは21%に留まっていることが分かります.まだ高校の段階では普段から自由に使えるパソコンを持っているような家庭は少なく,友達とのコミュニケーションにはもっぱら携帯電話が使われているようです.ここではこうした時代の高校生,大学生を「携帯電話世代」と呼びます.

大学生,もとい携帯電話世代にTwitterを勧める難しさ

携帯電話世代の携帯電話の使いこなし方は,私のような昭和人間には驚きのものがあります.まずパソコンのキーボードより携帯のテンキーの方が入力が早い.用事があるときは携帯メール.携帯電話では基本的に送信元は携帯電話の機能で住所録を基に表示されますから,PC・携帯問わず基本的にメールの文面では名乗らない.サブジェクトも滅多に書かない.課題を出すとメモはせず,その場で携帯カメラで撮る.写真をメールして,と課題を出すとメールボックスの容量を考慮して添付ではなく携帯電話専用ファイル転送サービスを使う.

これらが良いか悪いかは別の問題として,彼らには彼らなりの使いこなしがあり,携帯電話に特化したコミュニケーションスタイルが広がっている印象です.

そんなにコミュニケーションが好きならばTwitterは受けるだろう,と思っていたことが僕にもありました・・・
いくつか感じた事象を以下に纏めてみます.

IDでやり取りする文化への抵抗

ID.ここでは便宜上個人を識別するためのアルファベット・数字の組み合わせによる文字列と定義します.

携帯電話の場合,コミュニケーションの手段としてメール,前略プロフが挙げられます.メールであればコミュニケーションしたい相手とメールアドレスを交換し,携帯電話に登録することで,あとは携帯電話上で自分自身が付けた本名やニックネームをベースとしたコミュニケーションが可能となります.
前略プロフの場合,名刺代わりに自分のIDを交換し,そのIDにアクセスすることで自己紹介や掲示板,日記や写真が見られるというものです.これもIDは最初の一度の交換のみで,あとは携帯電話のブックマーク機能を使えばIDに触れる機会はありません.

このように携帯電話世代に取って,アルファベットと数字の組み合わせによるIDをやり取りする機会は多いように見えて,ユーザー自身が接するのは実は一瞬です.一方のTwitterは基本的にIDが延々と表示され,返信を付ける際は@xxxxのようにIDベースでコミュニケーションが構成されます.このIDによるコミュニケーションは携帯電話世代に言わせると「気持ちが悪い」「ヲタクっぽい」と感じるようです.逆にパソコンゲームで慣れている人たちやWEBサービスでIDによるコミュニケーションを日常的に行う人たちには抵抗が無いようです.

Twitter用語が日本語から遠い

Twitterのみで用いられるコマンド,インターフェースに登場する言葉をここではTwitter用語と呼びます.

IDに続きTwitter用語が馴染みにくいようです.
Twitter用語と言うと,基本的には「トゥイット/つぶやく」「フォローする」「フォローされる」「ふぁぼったー」「RT」などが挙げられます.IDでも触れたように「気持ちが悪い」「ヲタクっぽい」と嫌悪感を示すようです.

mixiで利用される象徴的な用語に「マイミク」というのがあります.よくよく考えてみると若い人の間で流行る略語や用語は,日本語派生であったり,殆ど日本語になった英語,つまりはカタカナ語から派生したものが多いことが分かります.カタカナ語である「マイ」と「ミクシィ」を繋げて「マイミク」.初めて聞いても何となく想像が付きます.

しかしTwitterになると難しい.そもそもTweetからして馴染みが無いようです.受験英語,少なくともセンターレベルでは出てないかも知れませんね.更にRTがReTweetは厳しい.英語圏では自然な略称も「KY」を「空気読めない」にしてしまう日本語圏での浸透は難しいものです.

もっと言うと「つぶやき」という日本語自体,滅多に使わないと思いますがどうでしょう?個人的には「つぶやきシロー」以来,久しぶりに「つぶやく」という言葉を聞いたような気さえしました.実際,授業では「つぶやけって言われてもねぇ.」いう声が多かったです.「独り言」とかならまだ自然かも知れません.ちょっと危ない感じもしますがイメージはしやすいかと.

つまりこの項目で私が言いたいことは,よく使う日本語を基にした用語でないと受け入れられにくい,ということです.その点,一度受け入れられてしまえば「tsudaる」は実に日本語的なので好印象だと思います.

コミュニケーションの範囲として,既に既存サービスで満足している

これは世代に限定せず,全般に言えることだと思いますが,一度その環境に満足してしまうと,容易に移りたくないものです.その場所で構築した友人関係,コミュニケーション,知名度,データ,システムへの慣れなども容易に放棄は出来ないものです.

WEBサービス百花繚乱の現在,プロフも更新してmixiも更新して,モバゲーも触って・・・そうでなくても携帯電話メールに忙しい携帯電話世代にとって,既に友達が存在しているサービス上でのコミュニケーションに忙しい状態で,新規に別サービスに手を出すのには抵抗やコスト意識があるように見えます.

安全圏が見えないサービスは不安

こちらも学生に限らないものです.

コミュニケーションにはレベルがあると私は考えます.まず1番目は対面で知っている人との繋がりです.2番目は対面では会ったことがないけれども思想・仕事・趣味などの共通項があり,共感することがあり,身近に感じられる人との繋がり.3番目は特に共通項は無いけれども用いる言語が辛うじて同じ,というものです.

実際,mixiなどのWEBサービスであれば1番目と2番目で繋がることが普通でしょう.オンラインゲームなどで知り合いになる,というスタイルもゲームの空間を共有し,時によっては目的を同じくする,という意味で2番目に該当します.3番目に属する用いる言語のみが共通している人は,通常コミュニケーションは発生しませんが,何を言っているかは分かるため,自分に敵意があるかどうかを判別することが可能であり,敵意が無いと分かれば互いに交わることもなく,スルーすることができます.

ところがTwitterでは全世界共通のコミュニケーション基盤であるため,FlickrFacebookMy Space, Second Lifeのように突然自分の分かる言語以外で話しかけられたり,メッセージが来たりする可能性があります.そのことからSPAMメッセージを含め,慣れていない人だと自分の処理不可能な言語を前にパニックを起こす光景を多々見掛けます.Mailer Daemonを前に「何か英語のメールが届いた!」と相談された方は居られるのではないでしょうか.田舎のお爺さん,お婆さんが外国人を見てパニックに陥る光景と同じと言えるでしょう.慣れれば言葉が通じなくてもなんとかなるようになりますが,分からないうちは何だか怖いのです.

そのような状況でも積極的にコミュニケーションを取る人はさておき,知っている範囲,把握できる範囲,想定できる範囲,理解できる言語でのコミュニケーション環境でなければ不安だ,というユーザーは多数だと思われます.

面白さを分かる道のりが説明しにくく,体感してもらうには道のりが長い

Twitterを授業,という短時間で痛感したことは「面白さを短時間で説明しにくい」「面白さを分かって貰うためには時間が必要」ということがあります.

Twitterのヘビーユーザーに語らせると「フォローしている人が100を越えると面白さが変わる.1000を越えると世界観が変わる」とのことです.まだ私は100台なのですが,50前後から社会の話題の流れが見えてくるようになりました.それから100を越える当たりで様々な業種の人が混ざり始め,絡みが見え始め,コミュニケーションの深みが分かり始めます.

しかしこれが授業のたかだか10数分の実習ではフォローするのは近隣の5人程度であり,ただの「宛先に節操のないコミュニケーションツール」との認識から出ることはありません.ここから面白さの分かる50,100のフォロー数に達するにはなかなか根気の要る作業になります.前述したようにコミュニケーションについては携帯電話で満足しているケースが殆どなので,そこからコミュニケーションの輪を拡げるための行動と,他に面白いことについて行動することを比較してしまうと,後者に流れてしまうようです.例えばニコニコ動画YouTubeにアクセスする方がTwitterでフォローを増やすよりも彼らには遙かに楽しいわけです.

対面できる友人から拡げる

既に既存のサービス上でのコミュニケーションを取るのが忙しい彼らをTwitterに振り向かせるには,ニュースのような単一方向のアプローチよりも,まずは対面ベースで面白さを伝える人の存在が必要になってくると考えます.

先に述べたnagano_haruさんのTwitterを楽しむ10の方法(初心者ver)では,

(3)知人・友人は誘わない。
あえて、誘わない。mixi(ミクシー)とはちがう。

とありますが,大抵の不特定多数と繋がるWEBサービスにおいては,ある程度自立した社会人とは違い,周りの対面で知っている友人からスタートさせるのが抵抗が無いようです.まずは知り合い同士で雑談をし,知り合いの輪に物足りなさを感じたら知らない人とのリンクを求め,フォロー数を増やしていくというのが周りに居る学生の傾向です.

Twitterを若年層に流行らせるにはどうすれば良いか?

総じてTwitterアメリカ同様,大人向けのサービスなのではないでしょうか.Twitterを使う学生を見てみても,周りの人が多く利用しているので使っていたり,ゲームなどである程度上記の文化を飲み込める人が積極的に利用しているようです.

日本におけるTwitterの一般化を目指すとしたら,以下の項目が挙がると考えます.

  • 日本語・カタカナ語ベースのTwitter用語,インターフェースへの変更
  • IDではなく,ニックネームベースのやり取り
  • mixiのようにある程度日本語で閉じたサービス環境
  • 未知なる人と繋がる意欲喚起
    • 若年層の近くでTwitterの良さをオンライン,オフラインで広める人の存在

この中のいくつかを採用するだけでも,ユーザー層は広がるのでは,と思います.
まぁ,1番目以外,2番目は辛うじてwrapperを噛ませば良いかも知れませんが,3番目は最早Twitter「みたいなもの」であり,Twitterではないのでしょうけどね.

6月24日23時更新
Twitterの男女比については全世界のtwitter男女比で言及されています.男女比はデータが分散しているのでなかなかまとめるのが大変なんですよね.