たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「筋少のライブにいったまま、帰ってこなかった…」筋肉少女帯「仏陀L」

ちょっと自分内で筋少熱がさめないので、しばらく自分祭りします。
そんなわけで、オーケン関連CDとエッセイ・小説のプチレビューを気まぐれにしていきます。というか思い出雑記。分かる人だけ分かってください。また、知らない人には、1mgでも興味を持ってもらえたら、うれしいなあ。


曲目
1、モーレツア太郎 
2、釈迦 
3、福耳の子供 
4、オレンジ・エビス 
5、孤島の鬼 
6、サンフランシスコ 
7、イタコ・LOVE〜ブルーハート〜 
8、ノーマンベイツ 
9、ペテン師、新月の夜に死す!

仏陀L」はメジャーデビューアルバム。さすがにもう絶版で、アマゾンなどでは手に入りません。
メンバーは黄金期の頃とは全く違い、同じなのはベースの内田のみ。キーボードのエディ三柴は今もサポート参加してますね。そして、三柴キーボードが猛烈に美しく、惚れ惚れさせてくれるアルバムでもあります。
しかし、見てのとおり、表紙からしてどう考えても世の中斜め目線に見てます。デビューアルバムでなんで婆さんですか。
 
1曲目のモーレツア太郎は、赤塚先生のマンガからのネタです。とはいっても「啓蒙してくれよ!」と叫びまくります。なぜア太郎に啓蒙されるかは個々の解釈にゆだねられるところですが、コミックソングとして作られたアニソン「コボちゃんグルー」にも通じるところがあります。何かを啓蒙・教育する状態、と言うのがオーケンの今でも一環したテーマにもなってますネ。「神菜、頭をよくしてあげよう」とか。
2曲目の「釈迦」筋肉少女帯のテーマソング的な存在。

ポップンミュージックに収録されるほどに、一部コアなファンにはあまりにもメジャーな曲。とはいっても、多く聞かれるのは「大釈迦」の方なので、こっちの原曲のほうはちょっと斬新に聞こえますネ。歌い方もだいぶ違います。ナゴム版だと「月の光あびてアンテナがさびる」の部分が、屋根から落ちて脳髄が飛び散る、みたいな歌詞だったと思います。とにかく「シャララシャカシャカ」が気持ちいいので、みんなで覚えてカラオケで歌おう!
4曲目、オレンジ・エビスは自分の大好きな曲。もともとは「オレンジ・ペニス」でした。でだしの「ラッシャー木村はえらい!」がもうシュールすぎて。いまだにオレンジとエビスの意味がわかりません。
6曲目はこれまた筋肉少女帯の重要な位置を占める「サンフランシスコ」。結成10年アルバムでこの後日談的な曲があるので、そちらも必聴。サーカスのイメージはこの後、元祖高木ブー伝説のPVにつながっていきますが、基本は丸尾末広が描くような、そして江戸川乱歩が好んだ、混沌とした世界。乱歩の影響は「孤島の鬼」「ペテン氏、新月の夜に死す!」にも色濃く出ていますネ。
 
「サンフランシスコ」は、結局人間の脳髄が感じる恋愛とか感情って、本当はなんだんだゼ?という問いかけを元にしながら、サーカスの混沌と重ねていく名曲です。それは曲の作りにも現れていて、プログレッシブの文法を使いながら変拍子でつむいでいかれます。また、このときのエレキピアノの音がすごくいいんだ!三柴さんほんと最高。
 
デビューしたてで、がむしゃらに前に進もうとしつつも「自分は何を考えているんだ?それはなんなんだ?アンテナで何か受信しているのか?」というオーケンの考えが色濃く出された一発目のアルバム。ギターやドラムは確かにこの後に続くアルバムと比べるとかなり軽いので物足りなさはありますが、「筋肉少女帯オーケンをじっくり楽しみたい」人はやはりここからがいいと思います(ほんとはナゴムからでも空手バカボンからでもいいけど)。
あ、そだ、8曲目の「ノーマンベイツ」の元ネタは映画「サイコ」でアンソニー・パーキンスが演じたキャラクター。筋肉少女帯のファンクラブの名前にもなっていましたネ。ここでも猫が出てきます。名前は「ケムリ」。続くアルバムでも次々と猫が出てくるのが、一つのテーマなのでしょう。
 
次回は「SISTER STRAWBERRY」。