たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

夏休みに読みたい!マンガ10選

夏です! 8月です!
信じられんスピードで夏がやって来ました!
海だ! 山だ! プールだ! 
家でひきこもりだ!
 
……。
まあね。
そもそも大人には夏休み自体が無いので、「夏休み気分」を味わうしかないんですけどね。
 
そんなわけで、夏になったら自分が読んでいる漫画をちょっとあげてみようと思います。
まさに夏向け……というわけではないです。
だけど夏になったら読みたくなる、夏だから読んで欲しい。そんな10選。
 

●夏は熱血の季節●

夏と言えば夏バテ。
そんな中でパワーを送ってくれる作品を。
 
空色動画(1) (シリウスコミックス) 空色動画(2) (シリウスコミックス) 空色動画(3) <完> (シリウスコミックス)

空色動画全三巻。
はい、いきなりインドアですね。
でもこれほど夏向きの漫画もなかなかないよ!
確かにやってることは地味に部屋にこもってがりがり絵を描くことなんだけど、アニメーションになってあらゆるものが飛び出し、世界はもちろん、想像の彼方まで自由に飛びまわる様は夏に吹いてくる爽やかな風そのもの。まさに空色!
一見リア充ギャル系漫画に見えますが、根底に流れるのは様々な鬱憤だったり、思春期のモヤモヤだったり、苦しみだったり、そこから生まれる最高の喜びだったり。楽しいを感動出来るこの作品はまさに夏向け。
どこまでも抜けていく青空のように、想像力に果てなんて無い! 
さいっこうに楽しいじゃないか!
いいか!アニメに限界なんてないんだぜ!「空色動画」
わたしたちが動くから、アニメは動くんだぜ!「空色動画」2巻
待ってろ、次に動くのはこっちの番だぜ!「空色動画」3巻
 
弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)

弱虫ペダル
「夏」オンリーではない、いつでも読みたい名作ですが、あえてススメる。
特にほら、そこの疲れたお父さん! 会社から帰ってきてくたびれた社会人のあなた! 山積みの仕事を抱えて「人生楽しいのかなあ」と不安になっているあなた!!!
夏バテにここまできくカンフル剤は、ないよ!!!
というか自分も仕事の辛い時期はこれ読んで乗り越えました。もうね。特に巻島先輩のクライミングバトルのシーンでどんだけ泣いたか。あの全力を振り絞る世界にどれだけ体の血が震えたか!
そりゃ自分は今は全力で振り絞る、なんてことできないけど(翌日に響くし)、代わりにこの漫画の中の彼らは、やってくれるんだよ。
なんで巻島先輩?って聞かれるかもしれませんが、きつくて苦しくてどうにもならないのってやっぱりじゃないですか。坂なんだよ夏は。暑くて苦しい夏なんだよ。その中を全力で登り合う二人を見て、もうどっちが勝ってもいい!!と何度見ても思う。
夏バテな人に「がんばれ」ときつい言葉は言ってこないけれども、最低限の絶望を引っ張り上げてくれる強烈な熱量をもった作品。
 
G戦場ヘヴンズドア 1 (IKKI COMICS) G戦場ヘヴンズドア 2 (IKKI COMICS) G戦場ヘヴンズドア 3 (IKKI COMICS)
夏なのに「少女ファイト」じゃなくてあえてG戦場ヘヴンズドア
これも、ちょっと自分がへこたれたときにすぐ開けるようにしている作品。
といっても「夏らしい」作品ではないです。むしろ「季節なんてもうどうだっていい」作品。だからこそ夏に読みたいんだ。
モノを作り、描き、人が生き、死ぬ。
それでも、やっぱり、どうにもならないくらいゆるがないものがあって、あって、仕方ないんだ。

オレ達はもう、多分、一生退屈しないに違いない。

何度読んでも好きな言葉。作中は季節が夏かどうかなんて関係ないけど、彼らの心は永遠に夏だ。
そして、それを読んでいる瞬間のぼくも、夏だ。
 

●夏の命●

夏は命の膨らむ季節。草が、動物が、人間が生きる季節。
 

愛人-AI・REN-
僕の知人の人ならみんな知ってると思いますが、会う人会う人全員に「これは読んでおいたほうがいい、ほんと一生に一度は読まないと損だ」と言い続けている、僕の人生における3本の指に入る傑作中の傑作。
強烈に好きすぎてもうどこから語ればいいか分からないくらいなんですが、読んだ後世界が変わって見えます。大げさかもしれないけど自分はそうでした。
なぜか?
作者の田中ユタカ先生が命かけて描いているのが伝わってくるから。
この中に描かれているのは「命」そのものなんですよ。その「命」を、まさに作家として「命」をかけて描いているのが、理屈やテクニックを超越したところから襲いかかってくるんです。
必ず来るお互いの「死」を意識しながら、終わりかけた世界の中で「生きる」ことの感触を手にしていく。だからといって安易に生き残ることはできない。死ぬときは、必ずやってくる。その中で何が出来る? その中で、泣き暮れて過ごすのか?
この作品の中で見られる気候はちょっと不思議ではあります。しかし、夏らしい清々しい季節の中で、死を目の前にしながら生きていることと実感していく様は夏にこそ読んで欲しいんです。
まさに魂を振り絞って描いて書き足され、生み出されたエンディングは、本当に、是非とも、読んで欲しい。
 ヨコハマ買い出し紀行
これも言うまでもなく有名な作品ですが、やっぱり読むなら四季を感じる瞬間に読みたい。
さらさらーっと読めば、確かに「アルファ達をめぐる優しい時間の物語」なんですが、実はその後ろに流れている時間は非常にハード。
水没しながら無くなっていく世界。成長して旅立っていく子供たち。色々なものを得ながら、同時に失われる世界なんです。
だけどアルファやココネはロボットだから、10年以上たっても何も変わらず、ただカフェで待ち続けているだけ。
時間の流れは無情であるがゆえに、生きている美しさを描く。それをアルファの一人称視点によって、俯瞰した作品です。
個人的にタカヒロとマッキがすごい好きなんですよ。あの人間の少年少女。だけどその二人が大人になっていくことが、喜ばしいのに泣けてならない。
人は、強く生きてる。
 吉富先生、夏の裸足少女三連発!
地球の放課後、熱帯少女、BLUEDROP。BLUEDROPは初代ので。
脚フェチならいわずとも「買うべし!」と言った作品3冊なんですが、吉富先生の人間観がものすごく不可思議なんですよね。
夏の様にいきいきと駆け抜けていくみずみずしさを持っているのに、なぜか妙に陶器のようにもろくてカサカサしている。
そんな人間を、夏の暑さの中に落としこんで、水しぶき浴びながらガンガン前に進んでいくような不思議な作品です。
読んだ人は分かると思いますが、熱帯少女以外はやっぱり「終わりくる世界」モノ。好きなんです。
でも世界の終わりものなんだけど、セカイ系にならないのは吉富先生の人間の「生」の感覚がちょっと変わっていて、とてもたくましいから、だと思います。
世界が終わりかけてるのに元気に遊んで楽しめちゃう杏南ちゃんの「おっぱーい!」の叫びを聞けば、不安解消元気もりもり。脚ペロペロ(^ω^)。
にしても熱帯少女のスイカ風呂や、なんだか内臓の中にいるみたい、という表現、この方じゃないと思いつかないよなあ・・・。
「BLUE DROP」に見る、特別化されゆく「少女」の姿
 

エロマンガの夏●

夏と言えばエロマンガだよね!
と言っても「水着でえっち!」という作品は数多くありすぎるので、がっつりしぼってこの二人。
 

霧恵マサノブ先生の海、LeviAThaNシリーズ
分かる人には痛いほど分かる、感性の合わない人にはさっぱりピンと来ない、そんな不可思議なシリーズです。
スク水少女のレビアたんがやってきてエッチする…と書くと全然訳がわからないかもしれませんが、そこから広がる壮絶に広い物語の重みが半端じゃない。エロマンガでしか描けない世界を、エロマンガの技を駆使して描いたとんでもない作品。しかも物語も伏線だらけなので、読み終わった後「あっ!」となってまた読みたくなる。
にしてもなんでエロマンガであることを強調するかというと、この作品の「性」のあり方が人間の「生」のあり方に直結しているからです。
だからこそ、夏に読んで壮大な物語の中で「性」と「生」を感じたい。
個人的に二冊目の中に収録されている「旅人と絶輪島奇譚」がものすごく好きです。性ってこういうものだよね。
 日本の夏といえばMARUTA先生しかないだろうと。
物語にハッピーとかバッドがないんですよ、MARUTA先生。とにかく「日本に生きている」「日本で性を持っている」という事実と、それによる悲喜こもごもに答えはないことを淡々と、でもじっとりと描く稀有な作家さんです。
具体的に言うと、夏の日、蝉しぐれの中畳の上で、汗が滴る中でまぐわいあうそんな感じのエロマンガ
そして、エロはあくまでも夏に生きる日本人の一部である、という捉え方がとても魅力的で、叙情的なんです。まるで一編の詩を読むような作品集。
だから夏に読みたい。だから夏に読んで欲しい。
セックスが描き出す一瞬の快楽と日常のリアル。「彼女が恋人を好きになった理由」
夏の田舎の町に、彷徨い続ける性欲「キミの好きな女の子のカタチ」
 

●ぼくらの忘れられない季節●

今自分の中でホットなのでもう一度プッシュ。ばもら!
明るく楽しいフットサル漫画、ではあるんですが、とにかく少女たちのディスコミュニケーションっぷりが悲しくも目が離せない。
ほんと、大人から見たらささいなことも悩んで、どうすればいいか困惑して自分の居場所が分からなくなってしまったあの日々。そんな日のことを男女ともに思い出せる、とても素敵な作品だと思います。
釜ちゃんのように「自分なんて……」と卑下しながらも輪に入りたくて困惑している部分に共感するか、あるいは久米ちゃんのように自分を押し殺してでも輪を保って行く子の危なっかしさにハラハラするか。他にも個々のキャラクターの性格が繊細に描かれた逸品です。
夏かと言われると、うーん別に夏ではないんだけど……でもこのキラキラしつつギスギスした、でも楽しかった青春時代は「夏」そのものだと思う。
私たちはいつだって、お互いの距離感が分からないまま暮らしてる。「ばもら!」
頑張ってもうまくいかない、私たちのディスコミュニケーション「ばもら!」2巻
 なつのロケット
題名を聞くだけで涙腺がゆるむくらいの、自分の中で三本の指に入る傑作。
というか正直、この作品は好きすぎて頻繁に読めない。
だから夏のゆったりした時間に、そっと本棚から取り出して、おそるおそるじっくりと読み、そして本棚の奥にしまい込む、そんな儀式のようにして読んでいる漫画です。
夏に少年達がロケットを飛ばす。途方も無い出来事のようだし、大人は怒るかもしれないけれども……でも少年のその瞬間にしか出来ないことってあるんだよ。
ばからしい? うん、とっても役に立たないかもしれない。
でも打ち上げたいんだよ! ロケットを、高く、打ち上げたいんだよ!
この思いの詰まったロケットがどうなるかは読んでください。
でも大事なのはロケットの結果じゃない。そこに到るまでの少年たちの過程。そして見守ってくれる大人の存在。
夏の今こそ、是非読んでください。
 

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他にも永遠に夏な「侵略!イカ娘」とか、kashmirワールドの入門編としてもってこいの「デイドリームネイション」など、マッタリ系のも入れたかったんですが、テンションが夏で上がりすぎたのでこうなりました。
ちなみに秋編をやるとしたら「サナギさん」を入れます。なんかサナギさんは秋に読みたい。冬編なら雪をも溶かす「任侠姫レイラ」をいれたい。単行本でてないけど。
アウトドアな日々も、インドアで涼む夏もいいけれど、インドアで激しく燃える夏を感じるのもまたいいんじゃないかなーと思うのです。
 
この夏読みたい!オススメ夏の10冊 - orangestarの日記
この記事に触発されて書きました。
結構季節にあわせて好きな漫画選ぶのって、たのしいヨ。