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2015-05-15 私立リリアン女学園日記

[]なぜ放送準備室には『究極超人あ〜る』が多く置かれていたのか

先ほどラジオ「なまたまご。」お聞き頂いた方ありがとうございました。

 

今回のテーマは「究極超人あ〜る」。

2000年代、「げんしけん」が始まった時は「あ〜ると似ている」「似ていない」「オタクとはなにか」論争が盛んでしたが、今それらの記事は、ことごとくブログごとなくなっていました。

寂しいですね。

でも「究極超人あ〜る」も卒業していきますから、そんなもんです。

 

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さて、『究極超人あ〜る』は大変奇妙な作品です。

「あらすじ」らしいあらすじはまず、基本的にない。

ギャグ漫画であることは間違いないけど、ちょっと人気の度合いが半端じゃなかった。

(マジで当時文化部はみんな持ってた)

 

当時、運動部系のマンガが多い中、非常に珍しい「文化部」マンガだったから、とか、オタクの原型になる第一世代オタクのファンロード気質(好きなモノを共有する相手が見つからない渇望)があったから、など色々理由はありますが……まーよくわかんないよね、形がないし。

けど、傑作と言われるのにはやっぱり理由がある。面白いのには理由がある。

 

そのヒントは、ラジオでいただいた「放送部に多く置かれていた」というコメント。

 

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まず、光画部文化的活動をしています

モラトリアムな空間なのは間違いない。

「暇つぶしの合間に人生を送っている」のも間違いない。そこが楽しい。

ただ「人生」はちゃんと送っている。

ここが大事。

モラトリアムに逃げ込んで何もしないわけじゃない。

ちゃんとクリエイティブな活動を、暇つぶしの合間にやっています。

それも「楽しみながら」。

 

ぼくの大好きな一枚です。

そもそも「究極超人あ〜る」は恋愛沙汰が一切ない。片想いをほのめかすのはあっても、主要キャラの恋愛関係がない。

だから輝くこの一枚。これも青春といえるのではないでせうか?

 

撮影者は堀川椎子。

しいちゃんは目立たないキャラですが、このめちゃくちゃな光画部をまとめる枠組み・囲いだったりします。

鳥坂先輩やあ〜るの暴走も、彼女の手のひらの上。意外にしたたかで、賢い子です。

彼女の撮ったこの一枚、すごくよく出来ていると思うんですよね。

というか「究極超人あ〜るという作品」を表現していると思います。

こじんまりとした空間で、何かをしている若い人々。

汗にはまみれていないけど。

 

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「究極超人あ〜る」というか、ゆうきまさみの経緯に大きく関係してきます。

ゆうきまさみは、みのり書房OUTや、ラポートアニメック、アニパロコミックスの持ち込み連載者。

ガンダムパロディ「ざ・ライバル」でデビューしました。

77年の劇場版ヤマトを見たゆうきまさみ。アニメファンの憩いの場、江古田のまんが画廊に通います。ネットのない時代の、数少ない「趣味人」の集まる場でした。

ここでヤマトのパロディ同人誌をに出会います。

 

衝撃だったでしょうね。これ見た時の話をぜひ聞いてみたい。

「アニメのパロディ」というものに出会い、それが仕事になったゆうきまさみ。

友人の川村万梨阿、とまとあきと、ノートにネタづくりをして楽しむようになります。

 

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この「閉じた空間」で何かをわいわい楽しみながら作る楽しさ。「あ〜る」の空間、光画部にとても似ている。

光画部も場所を追われて苦労する話がありました。あれは共感した人多いんじゃないかな。

どこか、趣味のあう仲間が「集まる場所」がある、というのは非常に重要。

だべるのメインで、遊びながらクリエイティブなことをする。実にする。

同人誌みたいなものだと思います(っていうかゆうきまさみのは、ほとんど同人誌ですね)

ちなみに、このネタ作りノートは出渕裕の目に止まり、「機動警察パトレイバー」になっていきます。

 

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この光画部のポスターも良く出来ている。てか大戸島さんごの存在が光画部そのものですね。

「うまい写真」を撮りたいんじゃない。自分たちにとっての「いい写真」が撮りたい。

場所は、もちろん部室。

そしてせまい暗室。今使わないねー。

 

この閉じた個室というのが、「放送部」の人の心に刺さったんじゃないかと感じたのね。

同じような現象は「図書室」でも起きていましたし、「美術室」でも起きていました。

写真部は……写真部見たこと無いからよくわかんないなあ。

 

放送部は本当に隔離された「閉じた部屋」。

中には、ポットやお茶菓子を持ち込んでのんびり放課後ティータイムな放送部も多かったとか。学校によるよ。

やっているフリーダムな行動の上に、後に「オタク気質」と呼ばれるようになる感覚が、趣味の共有が、狭い世界の中で行われる。

その上でみんな作品を、ある意味そこそこに作り、次々と卒業していく。

 

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光画部のハイテンションな面白さ。

「終わる文化祭」のいちまつの寂しさ。

適度なリアリティと適度なウソのバランス。

マニア趣味やパロディの、押し付けない盛り込み方。

 

無理やりいうなら、「究極超人あ〜る」は「バランスのいい作品」「欲しかったものが、そこそこに満ち足りている作品」

 

ネットのない時代の、オタク気質が眠る人間にヒットするわけです。

女の子もかわいいしな!

やはりゆうきまさみの、ショートカット貧乳っ子は最高だぜ。

大戸島さんごと並んで、ぼくは天野小夜子派です。

序盤は「幽霊」だから「幽霊部員」というしょーもないノリで、アンドロイドと幽霊のいる非日常を適度につくっていました。

しかし後半になって、しいちゃんが卒業してからは彼女があらゆるものを掌握する強い女になるんですよね。

熊耳武緒と香貫花・クランシーを足して二で割ってマイルドにした感じ。

しいちゃんと小夜子がいることで、この部が「だらしない」部ではないことが、「究極超人あ〜る」のバランスの良さの一つでもあると思います。

あとは、しつこいけど、恋愛沙汰がないことね。

 

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鳥坂先輩は人気キャラです。でも00年代は鬱陶しがる人もいました。

まあ、やかましい先輩だしね。

今の子があ〜るを読んだら、どう見えるんだろう?

最近はネットの関係もあり、年齢差を気にせず趣味人は仲良くなるようになったので、ひょっとしたら鳥坂先輩は「面白い人」と受け入れられるんじゃないかなあ?

だがな。

中学生の久美子との関係は、ぼくは嫉妬するぞ!!!

彼女とは書いてないんですがこれは、ねえ、これはねえ!

今思えば、かっこいい先輩が小中学生相手に仲良くしているなんて面白い、というギャグなんですよ。

けどさ、今見たら事案でしかないじゃん。

美少女中学生とイチャイチャしている、公務員

くそっ、鳥坂先輩勝ち組すぎる。

……この二人がどういう関係なのかも描かない。

あくまでもエッセンス。この不安定な世界は絶対に壊れない。

「究極超人あ〜る」は、究極に研ぎ澄まされたバランス感覚のとれた作品です。

 

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次回22日のよもやまがたりラジオ「なまたまご。」は「げんしけん(初代)」を予定しています。

よろしくお願いしますー。

たまごまごごはん出張所-ニコニコミュニティ

 

 

それでも、それでも、光画部はパラダイス。 - たまごまごごはん

 

終わり。

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