シャア少佐そうしましょうを早口で三回言う

というわけで、モテる男はみんな観てる!でおなじみの劇場版「機動戦士Ζガンダム星を継ぐ者」を近くのシネコンで観てきた。今回のために新しく書き足した画と以前のTVシリーズで使われたままの画が混在する形の再編集+αの映画である、というのは事前に知っていたので、その映像の差についてはある程度覚悟して行ったのだけど、オープニングCG後のファーストカット(TV版そのまま)が目に飛び込んでくるや否や、古さを感じるもなにもいきなり受信甘めのMXTVの再放送レベルの画質だったのには度肝を抜かれた。想像以上の粗さだ。詳しいことは分からないが、20年近く前の作品であるということに加え、それを無理やり大画面に引き伸ばしてることで余計に粗さが目立っているのだと思う。大画面と最新音響施設であえて再放送レベルの画質のアニメを観る、という行為には、海外旅行なんか行くよりも家で一日のんびりとしてるのが一番の贅沢だね!に似た「一周回ってすげえ贅沢してる」的な響きがあるが、ご存知の通り、実際家でのんびりするなんて別に贅沢でもなんでもないこと同様に、贅沢気分などどこにもなく、ただ金を払って再放送のアニメを観ている感、早い話が、やべぇ!ハメられた!感があり、開始そうそう観に来たことを後悔させられた事実を否定しない。

が、そんなことを思っていたのも最初のうちだけ。開始10分もしないうちから、ものすごい疾走感。総集編(14話を90分に!)だから展開が早い、ということは当たり前として、それとは別の疾走感。話が一気に展開しつつ、雪崩式に山場をブち込まれる感じで、全然気ぃ抜く暇ねえの。かといって、メインどころのキャラクターの心理描写もおざなりになってなくて、あーもすーもなくぐいんぐいん引き込まれた。台詞が変わってたり、キャラクターの性格が微妙に(一部大幅に)変わってたりしてるのも楽しくて、なんつーか良い仕事したリミックス盤を聴いてるような感覚。TVシリーズでは秒殺(死んでないけど)もいいとこだったカイが、今後も活躍してくれそうな感じを見せてくれたところなんてもう、鼻血が出そうだった。いや、ホントに想像してたより数段面白かった。好きな人なら…という注釈付きではあるけれど、そして、終演後、一緒に観た友人に最初に吐いた言葉は「全部描きなおせよあのハゲ!」ではあったけれど、迷ってるなら観に行くべきだと断言!旧画の画質で受けるあの衝撃込みで体験すべき!