陰謀説は「新・国民の油断」からはじまった?
id:makinamikonbu:20051026のエントリにて、
牧波さんは「はてなキーワードに陰謀説を書いたのは小谷野氏ではなく、
id:shikineという人でした」と、id:makinamikonbu:20051023にて、
ろくに検証もせずに書いてしまった嘘についてのお詫びと
再検証を行った結果判明したことを報告しました。
このときの「嘘ついてごめんなさい報告文」を読まれた方の中には、
あることについて疑問に思われた方もいらっしゃると思います。
つまり「id:shikineという人が陰謀説をキーワード欄に書いたのは2005/01/19。
しかし、扶桑社版『As Nature Made Him』が出たのは5月
……時間軸おかしくない?」と。
牧波さんもずっと考えていたのですが、あえて隠蔽していました。すみません。
牧波ってなんて悪い奴なんだ!としかってあげてください。退治してあげ(略
という訳で、amazon.co.jpがはじめてくれた新しいシステムのおかげで、
マクドのスマイル並みの値段で検証することができました。
では、2005/01/12、
つまりid:shikineという人が陰謀説をキーワードに載せる一週間前に発売された
新・国民の油断 「ジェンダーフリー」「過激な性教育」が日本を亡ぼす
- 作者: 西尾幹二,八木秀次
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2005/01/12
- メディア: 単行本
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このことをアメリカのジャーナリスト、ジョン・コピラントが雑誌『ローリング・ストーン』で暴露し、これがアメリカでは全米雑誌賞を受賞するなど、大きな話題を呼ぶことになります。本にまとめられ、日本でも『ブレンダと呼ばれた少年』(村井智之訳・無名舎、平成十二年)と題されて翻訳が出版されますが、この翻訳はどういう経緯か、すぐに絶版になります。そのため古本がずいぶん高い値段で流通している状態です(二七五ページ参照)。
一方、マネーの本は(パトリシア・タッカーとの共著『性の署名――問い直される男と女の意味』、原著は一九七五年刊)のほうは、人文書院刊で昭和五十四年以来、翻訳本がいまは品切れになっていますが、つい最近まで増刷され、女性学の基本文献とされています。どうも出版界に不当な圧力が加わっているようなのです。
「どうも出版界に不当な圧力が加わっているようなのです。」
「どうも出版界に不当な圧力が加わっているようなのです。」
「どうも出版界に不当な圧力が加わっているようなのです。」
「どうも出版界に不当な圧力が加わっているようなのです。」
「どうも出版界に不当な圧力が加わっているようなのです。」
あちゃー、明言しちゃってますよ。
新しい歴史教科書をつくる会の八木秀次だいせんせーさまは。
id:makinamikonbu:20051023を読んで下さった方ならば、
- 女性学のテキストで使われている『性の署名』の研究は「双児の症例」ではなく、マネー氏やタッカー氏が半陰陽の患者を相手にしてつきとめた「遺伝子、内分泌、外性器における自然的性差の連続性」であること。
- 二人の人間が対象の「双児の症例」だけでは、性差の連続性についての「正しさ/間違い」を証明することは不可能であること。
- 2000年に発売された無名舎版が絶版となった理由は、無名舎自体が2001年に出版事業から撤退したためであり、親会社のマクミランランゲージハウスに問い合わせれば容易に確認できること。
- さらに2000年5月24日に発足した復刊ドットコムにて「As Nature Made Him」のリクエストが出されたのは、発売してから4年近くも後の2004年7月15日だったこと。
以上の4点を確認してくださっていると思っております。
え?性の署名の検証はどうなったかって?――明日には必ず間に合わせます!
(漫画家みたいな台詞だ、とツッコミが来そう……すみませぬ)