グラフ旭川2014.4月号ハイブリッドレジンクラウンの新しい流れ(1)

グラフ旭川2014.4月号
グラフ旭川とは、1979年に創刊した、旭川の郷土誌です。
< http://www.graph-as.com/page/index.html >


今回は、グラフ旭川2014.4月号3月25日発売の、”市民の健康ガイド”に、マッキーの記事が載ってます!

遅れましたが今日はその記事の掲載(1)です!
(一部追加と写真のみ差し替えです!)
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ハイブリッドレジンクラウンの新しい流れ(一部保険適用)

山田歯科医院 山田雅昭

はじめに
むし歯の治療法として、クラウンを利用する歯冠補綴があります。
これには、歯冠部全体をカバーする全部被覆冠と、一部をカバーする一部被覆冠の2つの方法がありますが、どちらも噛み合わせによる圧力から歯を保護し、長期的に歯を安定させる必要があります。
これまでは、歯冠補綴は歯科医師や歯科技工士が手作業で行っていましたが、熟練度によって質に差が出やすいなどの問題点もありました。
先進医療による歯冠補綴では、設計から作製に至るまでの過程をCAD(三次元設計システム)と、CAMシステム(自動機械加工)によって自動的に行なわれるようになりました。

CAD・CAMで白いクラウンが小臼歯に保険適用
今回、4月1日から前述のハイブリッドレジンによる歯冠補綴(白いクラウン)が小臼歯のみ保険に適用されます。
手順としてはまずクラウンの土台となる支台歯を作って型を取り、スキャナーで型の三次元計測を行います。その計測をもとに、CADを使ってクラウンを設計し、その形状データを加工用データに変換して、CAMによて自動的に成形します。
CADとCAMを使うことによって、作業効率が高くなり、品質のばらつきも少なくなりました。
従来のクラウンは、主に材料として歯科用金属と、歯科用のプラスチックである硬質レジンが使用されてきました。
しかし歯科用金属は、耐久性はあるものの金属アレルギーの人には使用できないという欠点があり、一方硬質レジンはアレルギーの心配はないものの変色や消耗など、耐久性に問題がありました。
先進医療に指定されていたこの技術では、従来よりも高い強度があって、変質しにくく、金属アレルギーの人にも使用可能なプラスチックとセラミックを混ぜたハイブリッドレジン(セラミック)を使用します。
このため、アレルギーの有無にかかわらず、長時間にわたる同一のクラウンの使用が可能です。
なお、歯科用CAD・CAMシステムを用いたハイブリッドレジンによる歯冠補綴の適応となるのは、上下小臼歯の単独の歯冠補綴です。
クラウンの連結やブリッジには適応していません。
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追加!!

保険適用のCAD/CAM冠の製作の流れ:
CAD/CAM冠は、模型をスキャンする間接法による製作が要件として指定されています。
1)歯科医院において、クラウンの印象やバイトを採得する
2)採得した印象から、石膏模型を作製する
3)石膏模型およびバイトを、CAD/CAM装置が設置されている歯科技工所等へ
4)石膏模型をスキャンする
5)スキャンされたデータをもとに、CAD/CAM装置を用いて技工物のデザイン、削り出し
6)削り出された技工物を、歯科技工士が調整する
7)歯科医院に、CAD/CAM冠が納品
8)患者にCAD/CAM冠を調整装着する

写真は、CAD/CAMの作業順です!!
(また、提携技工所(8HAND)< http://8hand.jimdo.com/ >の協力を得て、デモ用模型で制作過程の写真を撮りました!)