第一回本屋大賞を受賞した、
こちらを読んでみました。
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/26
- メディア: 文庫
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新しい記憶が80分しか持たなくなってしまった数学者の老人と、
家政婦さんとその息子との交流を描いた作品です。
人間の「記憶」ってやつについて深く考えさせられ、
「ハードカバーの新刊は買わない」という自戒を破り、
こちらも買ってしまいました。
- 作者: 荻原浩
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2004/10/20
- メディア: 単行本
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50歳の働き盛りのサラリーマンが、
突如、若年性アルツハイマーに罹ってしまう物語・・・。
二冊とも今年映画化されました。
この二冊、どちらもかなりお薦めです。
是非二冊連続で読んで欲しい。
「記憶」ってある意味「人格」・「人生」のすべてですよね。
「物心がつく」という「記憶」の「フェイド・イン」から始まる「人生」。
そして「死」という「カット・アウト」で終わる「記憶」。
美味いものを食いたい。とか、楽して儲けたい。とか、
どんな欲望だって、それ、「記憶」がなければ発生しないんだし、
「記憶」がなければ、何も感じないってことです。
排泄物が汚いという記憶を失った痴呆患者は、
たいていそれを食べてしまうそうです。
「呆ける」ということは、
「カット・アウト」の「死」の恐怖を和らげるために、
「フェイド・アウト」に変えてくれる、
神様からのプレゼントだという人もいます。
だけど「記憶」ってやつは、
痴呆症やアルツハイマーの患者じゃなくても、
間違えている場合もあるし、
時間が変化させている場合もある訳で、
常に正しい真実な訳ではないんです。
般若心経のいう、
「色即是空 空即是色」や、
「不生不滅 不垢不浄 不増不減」っていうのは、
こういうことをいっているのかなぁ。
「大脳≒記憶≒人間」じゃあ、
なんだかつまんねぇもんねぇ。