「神剣 人斬り彦斎」(ハルキ文庫)




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神剣 人斬り彦斎 (時代小説文庫)

神剣 人斬り彦斎 (時代小説文庫)




もう残り少ない、
葉室麟作品の文庫化を、
心待ちにしながらも、
寂しい気持ちも同居する、
なんとも複雑な心境。
ハルキ文庫から先月発売されたコチラは、
あの佐久間象山を暗殺した、
"人斬り彦斎"こと、
河上彦斎の生涯を描いた歴史小説
幕末四大人斬りの一人ですが、
薩摩の中村半次郎田中新兵衛
土佐の岡田以蔵と比較すれば、
正直、どんな人となりだったのか、
一番想像がつき辛い武士。
そのミステリアスな人生から、
るろうに剣心」という漫画の、
主人公のモデルになったそうですが、
漫画はちゃんと読んだ訳ではないけど、
正直あんなキャラではないと思う。
もちろんこの小説も、
新撰組との対決等、
フィクションが交えられているけど、
なんとなく神の名の下に、
女子のような小柄な元茶坊主が、
居合で淡々と人を殺しつつ、
明治政府に疎まれていく、
その行程が今まで読んだ、
どの資料、書籍、小説よりも、
一番自然と理解出来る作品でした。