野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

日本センチュリー交響楽団

徹夜で作曲を終えて、すっきりした状態で、大阪のenocoへ。日本センチュリー交響楽団NPO法人スマイルスタイルの共同によるThe Workなる音楽プロジェクトの5回目のワークショップ。

これまでの経緯は、過去のブログをご覧下さい。

http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/20140408
http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/20140421
http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/20140509
http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/20140530

で、本日は、10分を超える29ページのスコアを携えて、リハーサルに臨みました。弦楽四重奏トロンボーン2の6名がオケの楽団員、打楽器や鍵ハモ、鉄琴などが、ハローライフに登録の若者、野村がピアノというアンサンブル。

ぼく以外の全員が、今朝完成した譜面を初めて見て、全員がいきなり初見でリハーサルが開始しました。これまでは、ハローライフのワークショップにオーケストラの楽団員が参加しているような雰囲気でしたが、今日はオーケストラの楽団員達のリハーサルに、若者達が参加しているような感じです。もちろん、楽譜を読む能力などは、オケのメンバーが優れているわけですが、初めての曲に取り組むという意味で、両者が対等な立場で、音楽に取り組んでいる場になり、こんな場面に遭遇したことがなく、びっくりしました。そして、全員の集中力や頑張りで、最後には、無理矢理ですが、なんとか全曲を通すことができました。

オーケストラのメンバーが、素人の人と一緒に音楽をすることは、これまでにもあったでしょう。でも、今までの実践と決定的に違ったであろうことは、今朝できたばかりの譜面に、全員がその場で初見で向き合い、全員が本当に何も分からないところから、ゼロ地点からリハーサルを始めた、ということです。そして、皆が黙々と練習を重ねて、どんどん音楽が出来上がっていく現場に遭遇できたことは、感動的でありました。

次回6月27日が最後のワークショップで、7月6日が本番になります。これは日本のオーケストラの歴史での重要な転換点だと、後世に語られるコンサートになるはずです。それに向けて、あともう一歩。