野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

バルトークとのセッション

ということで、昨夜から徹夜で、朝、新曲を書き終えて、ギリシアのAlexisに送らなければいけない録音や譜面を探し出して、送り、11時に鍼灸の予約を入れているので、眠ることもできず、朝食後、鍼灸に行って、体調を整えてもらう。

で、自宅に戻り、KBSラジオの「いしいしんじのころがる石の音」の公開収録に出かける。7年間続いた番組の最終回の収録にゲストとして参加。蓄音機で、作家のいしいしんじさんがコレクションしているレコードを色々かけて、放送する番組。息子のヒトヒくんも大活躍。

いしいさんの思いつきで、バルトークの自作自演のレコードの蓄音機再生に合わせて、野村が共演する、という夢のバルトーク+野村セッション。練習もサウンドチェックもなしで、一発勝負の収録。バルトークと言えば、蓄音機の人。農村で歌を録音し、それを蓄音機で聴いて数多くの民謡を分析し、譜面にし、そうしたものが創作にも大きく影響した作曲家。そのバルトークの演奏するピアノの録音を、また蓄音機で再生し、それと共演する。不思議な体験。

蓄音機の再生の音量は、共演するには決して大きな音量ではないので、鍵ハモを少し強めに吹くと聞こえなくなってしまう。そんな中で、微かに聞こえる蓄音機の音の気配を、耳で聞くというよりは気配をつかまえながら、鍵ハモを吹いていました。あれがラジオで流れてくるのですね。どんなミックスになっているのか、楽しみです。3月30日の24時、31日の0時に放送されます。そして、放送の31日の日に、大津のながらの座・座にて「徹夜の音楽会」という企画で、いしいしんじさんと共演いたします。

http://nagara-zaza.net/2018/000323.php

それにしても、蓄音機の音色は、独特なライブ感があり、音楽との距離感が全然違って、他では得難い体験で、それを次々に体験させていただき、大感謝です。いしいさんのサービス精神と気配りとやさしさと音楽愛が満ち溢れた時間。その後、いしいさんご一家の皆様、KBSの小林さんほか、面白い方々と、宴に参加させていただき、楽しい夜を過ごし、徹夜のまま、22時ごろ帰宅。無事、日本の時間に眠ることに成功。グッバイ時差ぼけ!