野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ヨーク大学にてレクチャー

エンリコの家を出て、地下鉄が途中で、止まってしまったりするのも、予想通り。ギリギリにクングスクロス駅に着くが、乗る予定の電車も遅れてくれたので、間に合った。ロンドンを出て、ヨークに電車へ。2時間半の電車で北上。車窓から牧場での牛や羊の姿や紅葉が見える。ヨークについて、友人のマイケルと再会。ランチをしながら、色々語り合う。マイケルは日本語を独学中で、随分上達していたので、時々日本語でも話す。
その後、ヨークの町を歩いているうちに、懐かしの音楽書の古本屋。店に入り、店主のおじいちゃんと束の間のお喋り。24年前にヨークで学生をしていた時、この店にもよく来た。
ヨーク大学につき、音楽学部の作曲の先生トーマス・シマクと会い、ヨーク大学の作曲セミナーで1時間半のレクチャーをする。学生は主に作曲の大学院生。最初に、「鍵盤ハーモニカ・イントロダクション」を実演し、通常のセミナーとの違いに当惑する学生たち。その後、日本センチュリー交響楽団とのコミュニティ・プログラムについて説明し、さらに、最近の作品「Cheap Imitations」や、「オリヴィエ・メシアンに注ぐ20のまなざし」について解説した。講義が終わった後、学生たちが話しにきてくれた。感想の中には、

解体工事とコラボレートした「騒音コンサート」が凄くよかった
大学にいると、狭くなってしまいがちだが、本当に色々なフィールドで楽しんで活動しているのが、素晴らしいと思った
「ミワモキホ」がとても美しい曲で好きだ
以前、アルコール中毒の人のための音楽ワークショップをしたことがあったが、また、そうした活動をしてみたいと触発された
通常の作曲セミナーは、楽譜の細部を分析することが多いが、それと違って、音楽や発想を心底楽しめた

などがあった。ベンは、自分のつくっているエレクトロニクスの楽器を見せたい、と言って、見せてくれた上に、駅まで車で送ってくれた。電車でロザラムまで移動。エンリコと合流し、ホテルにチェックイン。明日からは、エンリコと小学校でワークショップ三昧の3日間。