野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

肥後琵琶リサーチ#5

2月28日に琵琶を購入してから、まもなく2ヶ月。熊本に移住してから、もうすぐ3年。肥後琵琶について、色々学ぶ日々が続く。本日は肥後琵琶リサーチ5回目。南関町地域おこし協力隊で肥後琵琶奏者の岩下小太郎さん、最後の琵琶法師とも言われた山鹿良之さん…

合唱の思考 柴田南雄論の試み

永原恵三『合唱の思考 柴田南雄論の試み』(春秋社)読了。宇土のブックオフに入った時、自分が読みたい本はないだろうと、ぼくは舐めていた。しかし、そこに、この本があり、郊外のブックオフに、柴田南雄に関する本がある熊本の文化度の高さに感激して購入…

竹野相撲甚句とテトラコルド/永田法順さん/今年も門限ズ

朝起きて、突然、竹野相撲甚句の分析をし始めた。どういう特色があるのだろうと、前唄と本唄について分析していくと、小泉文夫のテトラコルドの考えが有効。 1 レファソ 2 ラドレ 3 ドレファ 4 ソラド という4つのテトラコルドに分解してピッチだけに着…

トーマス・マン/橋口桂介さんの琵琶語り/千住の1010人と天候

我が家では、毎晩寝る前にトーマス・マンの『魔の山』を朗読するとよく眠れるので、毎日、朗読をしているが、すぐに寝てしまうので、少しずつしか進まない。でも、ついに上巻を読み終え、明日から下巻に。上巻の最後は、それなりにドラマだった。はたして、…

3分音/千住の1010人の人数構成について

庭でミントが育っているので、採れたてのミントでミントティーを入れてみる。ハーブの生命力はすごい。 モーリス・オアナの作曲作品はしばしば「3分音」を使用するのだが、作曲家曰くスペインなどの民謡には、3分音は自然に出てくるのだと言う(ドビュッシー…

サンリオ展と藤浩志

熊本市現代美術館で、明日から開催される『サンリオ展』の開会式と内覧会に参加。熊本会場では特別に藤浩志さんが出品しているので、藤さんご夫妻にお会いするのがメインの目的。 sanriocharactermuseum.com サンリオの創業が1960年で藤さんが1960年生まれと…

The Kyushu biwa tradition/門限ズ/ジョリヴェのガムラン

せっかく熊本に住んでいるので、継承者が数名という肥後琵琶をリサーチしている。肥後琵琶の琵琶ひきは、明治以降(当道座=盲人の職能団体が廃止以降)は「妙音講」という芸能組合に属していたそうであるが、「妙音」という言葉が面白い。絶妙な音とでも言…

肥後琵琶リサーチ4回目

肥後琵琶の稽古4回目。後藤昭子さんのお宅で、岩下小太郎さんと3人で(途中で、小太郎さんのオンラインの生徒さんも合流)。里村真理さんが編集で関わった中野裕介さんのカタログが完成し、後藤さん、小太郎さんは、2年前の不知火美術館・図書館での中野裕…

庭仕事/千住の1010人

もう長いこと、生ゴミを庭に埋めている。これで可燃ゴミが大幅に減らせるのと、埋めたゴミから想定外に野菜が出てくることもあり、出てこなくても畑の栄養になるからいいや、と埋めている。ぼくの作曲に似ている。鍵盤ハーモニカ、ペットボトル、廃棄された…

荒井良二がケンハモを描いている/世界のしょうない11年目/バルトーク

4月20日から刈谷市美術館で始まる荒井良二展のチラシが届く。絵が新しい。ちらしもニューボーン。ギターを弾いている人の横に、鍵盤ハーモニカを吹いている人がいて、小さなエレキギターを弾いている人がいる《生まれたばかりのぼくのギターの音はどこか遠く…

「計画しない」を計画するー即興力とコミュニケーション

高松市美術館の開館・閉館の音楽の編集作業。閉館時刻が違うバージョンのものをつくる。要するに、「午後5時になりましたので閉館いたします。」を「午後7時になりましたので閉館いたします。」に差し替えるのだが、「午後7時」だけして言ってもらってい…

レインボー岡山のワークショップ/千住の1010人を考える日々

宇城市不知火美術館で本日より『マナブマベ・ツナグ』展が始まり、レインボー岡山さんのワークショップが開催されたので、ワークショップを見学に行ったが、参加できそうだったので参加した。 岡山さんは、派手な衣装を着ているが、ワークショップの進行も非…

レインボー岡山/香港の高校生

高松市美術館の閉館の音楽の調整をして後、不知火美術館で設営中のレインボー岡山(岡山直之)さんを訪ねる。明日から始まる展覧会『マナベマブ・ツナグ』展の準備をされている。岡山さんは、2001年に東京オペラシティアートギャラリーでの『出会い』展で、…

高松市美術館閉館の音楽

高松市美術館の開館・閉館の音楽を作っていて、「開館の音楽」、「閉館30分前の音楽」ができたので、本日は「閉館の音楽」に取り組む。 閉館の音楽は、合唱曲の《ライオンの大ぞん》を流したいと思い、最終的に、《おむすび山の磬の祈り》の冒頭で行なったサ…

閉館30分前の音楽/肥後琵琶と相撲

高松市美術館の開館・閉館の音楽をつくっている。この音楽の作り方としては、3月3日に開催したサヌカイト体験ワークショップの録音音源と、3月3日のコンサート本番の録音音源をベースにし(そこに少しだけピアノを重ねて)、現在編集中。 本日は、16:30に流…

ディディエ・ガラスの一人芝居/閉館30分前の音楽

秋に一緒に日本国内でツアーを予定しているDidier Galasとオンラインで話す。フランスのモンペリエに住んでいる演出家/俳優。10年ほど前に、彼の《ことばのはじまり》を鳥取、京都、三重、東京などで上演し、パリやマルセイユで彼と公演をしたりワークショ…

高松市美術館 開館の音楽

昨日初稿を送った《高松市美術館 開館の音楽》、美術館の牧野さんからのフィードバックを参考に、細かい編集作業を続ける。ワークショップの参加者の方々が鳴らしたサヌカイトが下手に聞こえてしまいそうなところに、色々音を重ねて、そう聞こえないようにし…

高松市美術館/毎日新聞/ピアノ音楽史

高松市美術館の開館の音楽の編集作業が続いている。微妙な調整が続いているが、これ以上の作業は蛇足になりそうなところにきたので、一度、ここで完了として初稿を高松市美術館の牧野さんに送る。美術館の空間やスピーカーなどで聞いて、言葉が聞き取れるか…

開館の音楽/ケンハモの奏法

熊本は桜も終わりかけ。しかし、ここのところ雨が多い。今日も雨が降った。今年も花見はしなかった。 相変わらず、高松市美術館の開館の音楽をやっていて、だいぶ完成には近づいてきてはいる。サヌカイトの音、声、ピアノの音でできている。サヌカイトと声は…

今、この時/パープルリボン作曲賞/サヌカイト

だじゃ研のメンバーを紹介するインタビューが続々と公開になっているが、新倉壮朗さんの回が公開に。 aaasenju.wixsite.com 新倉壮朗くんの映画第2弾ができ、予告編が公開になった。予告編に野村も少し登場している。 www.youtube.com 第2回パープルリボン…

肥後琵琶を学ぶ(3回目)

肥後琵琶のお稽古3回目。琵琶を入手してから1ヶ月経った。前回同様、岩下小太郎さんと後藤昭子さんのお宅へ伺う。5月12日に鹿児島で薩摩琵琶の演奏会があるので、一緒に行かないかとお誘いを受ける。肥後琵琶は今年で350周年なのだが、演奏者が数名しかい…

そして私も音楽になった/たらいまわしにされる/掃除する

小西公大(編)『そして私も音楽になった』(うつつ堂)読了。作曲家の宮内康乃さんも執筆されていて、宮内さんより献本していただいたので、早速読んだ。宮内さんの高知の小学校でのガムラン実践が第8章だが、ウガンダのカリオキ、タイのモーラム、教室で…

日本の作曲2020-2022/ピアノと鉛筆と筒/ピアノとサヌカイト

『日本の作曲2020-2022』(サントリー芸術財団)がpdfで公開になった。野村誠作曲《どすこい!シュトックハウゼン》(2021)も紹介されている。紹介されることは、有難いので感謝。ただ、5人の評者全員がぼくより年少の方がいないので、少し世代が偏っている…

新年度のはじまり

昨日いっぱい働いたので、今日は働かずにのんびりと過ごす。庭の植物たちは、ここのところ加速度的に成長をしている。抜いても抜いても雑草が元気だ。山々は霞んでいる。花粉が多いのか、PM2.5なのか、それともただの春霞なのか。花粉のせいなのか、鼻水がひ…

ミュシャミュシャモシャモシャミュージック/香港の高校生との2回目

本日は、熊本市現代美術館アートラボマーケットで4時間に渡って、『ミュシャミュシャ・モシャモシャ・ミュージック』を開催した。 www.camk.jp 熊本市現代美術館には、ミュージアムショップとカフェが併設されていたのだが、そのカフェは営業をやめてしまい…

サヌカイトと声とピアノ/ミュシャモシャの準備/香港の準備

高松市美術館の開館の音楽の音源を作っている。ワークショップで演奏してもらったサヌカイトの音源を繋ぎ合わせ、そこに、ワークショップで語ってもらった声を重ね、そこにピアノを重ねる。ワークショップのサヌカイトの揺らぐリズムを整えてしまっては、ワ…

ミュシャミュシャモシャモシャ/開館の音楽/ミヨー見まね

3月31日の日曜日は、熊本市現代美術館でワークショップというか、野村誠という広場が出現するのをやりたい。出入り自由なので、好きなときにどうぞ。 www.camk.jp 高松市美術館の開館・閉館の音楽をつくっているが、現在取り組んでいるのは、 おはようござい…

肥後琵琶の多様性とカオス/サヌカイト

琵琶を習い始め、本日が2回目の稽古である。肥後琵琶という熊本に伝承されてきた琵琶がある。 www.nhk.or.jp www.youtube.com お稽古と言っても、肥後琵琶には筑前琵琶などのようには、教えるメソッドもないそうで、岩下小太郎さんからは、まず筑前琵琶を学…

第150回だじゃれ音楽研究会

東京に移動。上野の森美術館でのVOCA展を見る。(熊本で知り合った)しまうちみかさんの作品など鑑賞。 東京藝術大学千住キャンパスで、音まち事務局と打ち合わせ。次年度の『だじゃれ音楽』について。2025年度に『千住の1010人』を開催する計画に向けて、来…

豊永さんとのクリエーション

豊永亮さんとスタジオに入る。1990年、ぼくと豊永さんのデュオにヴァイオリンの澤民樹くん、パーカッションのBob Barrazaを加えてpou-fouを結成し、翌年にはホルンの小林薫さんを加えた。即興をしているうちに、共同作曲になっていった。 www.youtube.com 豊…