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高山真のよしなしごと

2017-06-22 街は訪れるためにある。映画は見るためにある

 体調や年齢を言い訳にするのはダサすぎる、という自覚は深々とあるのですが、夜の街に繰り出す頻度はガクッと減ってしまいました。それでも、1ヶ月に何度か、「今日はかなりいい感じ。日中の過ごし方が穏やかすぎたせいかしら、夜になってもかなり元気だわ」と思うときには、ちょっと頑張って出かけてみたりしています。って、「47歳の身で1ヶ月に何度もそういう感じになるのなら、充分元気じゃねえか」と思った方はいらっしゃるでしょうか。あたくしにとっては本来、3日に1度くらいの頻度でこういう感じになるものなのです。ええ、あたくしは「病も元気も気から」の熱烈な信奉者です。とは言え、病気に関してはお医者さんを全面的に信頼してはいますが。

 先日は二丁目のさるお店で、ジャスミン茶などを飲みながらママと語らい、カラオケなどたしなんでおりましたら、店に入ってきたお客さんが「高山さん!?」と。なんと15年近く前、『Oggi』(小学館)の連載を立ち上げてくれた初代編集者・Sさんでした。彼女は、あたくしが別名義で書いた『エゴイスト』の編集者も務めてくれた方。それなのにあたくしったら、名乗っていただくまで彼女のことが認識できませんでした。つかSさんったら、15キロ近くのダイエットに成功したんですって! 女性で15キロって凄い数字よ。ほんと、バーの薄暗がりの中のシルエットはもちろんのこと、近くでまじまじみても、目の大きさから鼻筋の通り方の激変は言うに及ばず、頭蓋骨の大きさまで変わってしまったように見えたんですもの。

 Sさんは「高山さんのお体のことはもちろん知っていましたけど、ご連絡を差し上げていいものかどうか、ずっと迷っていた」とおっしゃって。そうよねえ、あたくしも、仕事がらみで近しい人の「あの人、がんなんですって」という話を、人づてに聞いたとしても、その人にご連絡をするタイミングをはかりかねてしまうもの。

 いやあ、夜の街には出てみるものね。好きな人に、いまのあたくしの「リアル」を見せられてよかった。それに、やる気も出ましたしね。代謝機能がおかしくなって早数年、もう自分の「今の」体をコントロールすることだって可能なはずです。炭水化物カットのダイエット肝臓に負担をかけるので無理ですが、方法はまだあるはずだものね。

 さて、まずは近々、映画を見に行くことから始めましょう。ちょっと自慢させていただきますと、あたくし、この間、『レタスクラブ』(KADOKAWA)の担当さんのお計らいで、脚本家山本むつみさんにお目にかかる機会を得たのです。山本さんといえば『ゲゲゲの女房』『八重の桜』『相棒』『コウノドリ』などを手がけられた、押しも押されもせぬ脚本家。その方が、あたくしの『恋愛がらみ。 〜不器用スパイラルからの脱出法、教えちゃうわ』をたいそう面白がってくださった、と担当さんに聞いたのがきっかけ。おしゃべりの会は本当に楽しいものでした。

 その山本さんが、映画の脚本を初めて手がけられた作品が、24日から公開されるのです。『いつまた、君と 〜何日君再来』は、向井理さんのおばあさまの半世紀を映像化したもの。あたくし、こういう「激動の時代を生き抜いた女の物語」に弱いのよ。最近もっとも好きな漫画のひとつは、有間しのぶの『その女、ジルバ』(小学館)だったりするし。なんと言うか、世代とか血縁とかを飛び越えて、命とか生き様とかの「バトン」を受け渡してもらっているような気持ちになるわけです。そうそう、ペドロ・アルモドバルの映画『オール・アバウト・マイ・マザー』が好きなのも同じ理由ね。

 同じ場所や同じ時代を生きていない人から学べるもの、吸収できるものはきっとある。見えないバトンは、きっと自分の周りにもいくつもある。最近ますます、その「見えないバトン」を探したい、感じたい欲求が大きくなっているあたくしです。

 向井理さんについては、この表記を不思議に思った方もいるかしら。あたくし、個人的な知り合いではない俳優や作家に「さん」なんて敬称、つけたことがない人間。ただ、向井さんに関しては、どこまで話していいものか迷うけれど、仕事がらみで「なんて素敵な方なのかしら」と思ったことがありまして。「この案件における向井さんのお優しさや義侠心が表に出ることはないかもしれないけれど、あたくしは一生覚えておきましょう」という出来事があったわけですよ。それ以来、面識もないのに勝手に肩入れしちゃっていたりするのです。

 あたくしの場合、何かしら予定を先に入れておくと、不思議なもので体調も上向いてくるの。やはり街は訪れるためにあるし、映画は映画館で観るためにあるものよね。

http://itsukimi.jp/

 このHPの「劇場情報」を見てみると、やはり近いのは新宿ね。映画の帰りに伊勢丹によって、エヴァンのマカロンとか買って帰りましょう。楽しみ…。

 あ、少しお知らせが遅れてしまいましたが、『小説すばる』(集英社)、17日に発売しています。あたくしにとっての医食同源のひとつ、ケーキに関するエッセイです。よかったらご一読くださいませ。

2017-05-26 Demolition

 雨の日はどうも体が言うことを聞かなくて困ります。友人との電話で「意外と湿気ってダイレクトにくるのねえ」と話しましたら、「ようやく? 30代あたりで出始める人間けっこういるわよ」との返答が。いままでどれほど体が鈍感に(あるいは丈夫に)できていたのか…と改めて気づいた次第です。

 こういうときは別の友人に電話をして「何かさっぱりしたものを食べましょう」と誘いをかけるに限ります。ええ、体の動きは緩慢なのに、胃腸の動きはとっても活発…。健康なときであれば「こういうときこそダイエットを決意するのにちょうどいいタイミングなのに」くらいの自責の念も生まれるのですが、ま、食べられるってことは、いいことですからね。

 友人が車で迎えに来てくれるので、それまでに、このわがままボディをきちんと包んでくれるお洋服を選ばなくては…。15年ほど前、あまりの可愛さに衝動買いしたものの、サイズが少々大きくてタンスの肥やしになっていた、グッチのシャツジャケットにしようかしら…。つか、それも小さくなっていたらどうしよう…。

レタスクラブ』(KADOKAWA)の6月号、5月25日に発売になりました。隔週刊から月刊に変わり、あたくしの出番は「奇数月の25日発売・偶数の月号」になりました。雑誌のリニューアルが行われても、連載を継続して残していただいていることは、書き手にとって本当に光栄なことです。読者の皆様方に厚く御礼申し上げます。よかったらご一読くださいませ。

 連載の「女は続くよどこまでも」は人生相談のページで、それぞれの回で2人ずつ、合計4人で受け持っているページなのですが、「偶数月の25日発売・奇数の月号」では、あたくしも大好きな小説家・桜木志乃さんが担当していらっしゃいます。連載がスタートする前、自分以外のメンバーを担当編集の方からお聞きしたときに、飛びあがって喜んだことを覚えています。

 先日、担当の方から、桜木さんがあたくしの原稿を褒めてくださっていたとお聞きして…! ええそうね、あれはエクスタシーと呼んでも差し支えない高揚感と多幸感でした。いまだに思い出すと細胞の一つ一つが踊り出すもの……って、そっか、こういう雨の日は、それを思い出すと体が動き出すわけね!

 その連載、ご相談の受け付けはメールでもおこなっています。レタスクラブの誌面にも記載されていますが、担当さんのご厚意で、ここに記す許可をいただきました。

MailBox@lettuceclub.net

(@を英数半角の@にしてお送りください)

高山に相談ごとがある」という方は、上に記載したメアドに「高山に回答してほしい」的な一文を入れて、お悩みをお送りいただけたらと思っています。また、ご感想などもこちらのメアドでOKだそうです。桜木さんにいただいたお褒めの言葉も、読者の方からのご感想のメールも、あたくしにとっては本当にありがたいものです。どうぞよろしくお願いいたします。

2017-05-20 がんに負けないワガママボディ…

 肝臓がんがみつかって、早いものでもう1年9カ月が経ちました。最初に見つかり処置をして以来、かなり密に検査をしているおかげで、「早い時期に見つけて、早い時期に叩く」のがわりと功を奏していると実感しています。もちろん医者は禁酒を言い渡してきてはいますが、もともとお酒がなくてもまったく不自由しないタイプなので、事実上は何も止められていないのと同じなわけです。

 それにしても不思議なのは、さまざまな治療の副作用として「食欲減退」とか「吐き気」とかの覚悟を当然していたのですが、そういったものがほとんどない、ということ。ま、それを「製薬の世界も日進月歩ね」と素直に喜んで、美味しいものを美味しくいただく生活をずっと続けていれば、やはり落とし穴はあるもので、どうも代謝はずいぶんと落ちてしまったよう。当然、体はどんどん丸くなっていくばかり…。

 先日も友人たちが開いてくれた退院祝いの席で、はちきれんばかりのマイわがままボディに対峙した人々から、「そもそも姐さんは本当に入院手術をしていたのか」と疑問の声が上がる始末です(あたくし、入院中の導尿カテーテルを入れられてる姿を誰にも見せたくないので、基本的には病室の番号を教えないのです。ひとりだけ、あまりにも熱心なお見舞い要求に負けて、カテーテルが取れた後に通したことはありましたが…)。

 つか、わがままボディの影響は当たり前ですが顔面にも及んでいます。小じわ、消えちゃってますからね。ええ、「年を食ったら若さを保つために多少は太れ」の法則、世に言う「松坂慶子方式」あるいは「カトリーヌ・ドヌーヴ方式」を、知らず知らずのうちに体得していたわけです。病気以前より規則正しい生活を心がけているせいか、顔色までよくなってやがんの。友人たちから「入院手術・詐欺疑惑」の声があがるのも致し方ありません。

 それはそれとして、努めて客観的に見る限り、「多少は太れ」の域をはるかに超えてしまっているのも事実です。お洋服マニア時代に買ったドルガバやグッチ、サンローラン、アン・ドゥムルメステールはほとんど入りません…。

 どうにかしたいんですけれどねえ、週明けは小説すばる集英社)の「泣けるケーキ」の打ち合わせで、またケーキを美味しくいただくことになるし、夜は夜で別のお友達が開催する退院祝いで美味しくいただくことになるし…。

 とまあ要するに、この時点で「美味しくいただく」ということを確信しているくらい、体感としてはいい調子なのです。推定4人の読者の皆様方、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。まだまだあたくしはしぶとく世にはばかってやりますわ! このわがままボディと共にね!

 5月17日に小説すばる、発売しております。よろしかったらぜひご一読くださいませ。実を申しますと、この連載は、当初半年の予定でした。それが伸びたのは、ひとえに読者の皆様方のおかげです。心より御礼申し上げます。ありがとうございます。

 木っ端物書きにとって、読者の皆様からのご感想が編集者に届くのは、何よりもありがたいものです。もし、お読みくださったうえでご感想をくださる場合、小説すばるの編集部にお手紙などでお送りをいただけますでしょうか(住所は小説すばるの、後ろから2ページ目に表記してあります)。

 ボディ以上のわがままなお願いであることは百も承知ですが、伏してお願い申し上げます。

2017-05-08 back to basic

 4月の下旬から入院をして、手術したりしてました。ま、早め早めの処置をしていくという感じですので、手術自体もまあまあつつがなく終わったのでは、と自分では思っています。その結果がしっかり見えてくるのは5月の終わりごろ…という感じですが、とりあえず体力的には問題ないのが嬉しい感じ。退院時に禁止をされた項目もありませんでした。ということは、ケーキをいただくこともできるということ! 近々イデミ・スギノに行かなくては…。

 さしあたって今週は草間彌生の展覧会に行き、友人とお食事会を開く予定です。たぶんお蕎麦になるのかしら。楽しみ…。

2017-04-13 どうしてこんなに悲しいんだろう

 浅田真央の引退発表から1日以上経って、いまだに周りにぼんやりと膜がはっているような、とぷんとしたゼリーの中に閉じ込められているような感覚から抜け出すことができません。いつかはこの日が来るのは当然ですし、浅田真央自身の決断に異を唱えるつもりなども毛頭ないのですが、何と言うんでしょう、「miss you」という感情がいちばんしっくりくるのかもしれません。自分の中で冷静さを取り戻してからでないと、お金をいただいて書く原稿で浅田真央のことを書けるようにはなれない。そして、その時がくるのはもう少し先になりそうです。

 今はただ、凄いものを見せ続けてくれたことを感謝したい。浅田真央のジャンプ、ステップ、スピン、スケーティング、演技、すべてが大好きでした。今後どんな人生を歩むにせよ、ただただ幸せだけを追い求めてほしいなあと祈っています。