トライアルに励まされ

 昨日は、漫画家の栄羽弥(さこう・わたり)さんと、本当に久しぶりにお目にかかったの。アタシの最初の本『こんなオトコの子の落としかた、アナタ知らなかったでしょ』(飛鳥新社)をお読みくださった栄羽先生が、先生のマンガ『コスプレ・アニマル』(講談社)の中に、「高山さんをモデルにしたキャラクターを作りたい」と、担当の「みどさん」を通じて飛鳥新社に連絡を取ってくださったのが、知り合ったきっかけ。アタシたちの出会いの一部始終は『コスプレ・アニマル』の5巻の巻末で描かれているわ。ものすごく引力の強い、魅力的なキャラとして描いてくださって、うれしいやら恐縮するやらだったことを、今でもはっきり覚えています。

 友人がやっている四谷三丁目のイタリアン、スティモーロで軽いランチをいただき、そのあとはアタシ的ナンバーワンのパティスリー、イデミ・スギノで軽くケーキを…、という流れ。美味しいものをはさんで、お仕事のことやアイドルのこと、それから健康のことなどをたっぷりおしゃべりしたわ。

 栄羽さんは、お描きになるマンガに負けず劣らず、ご本人もすごくチャーミングな女性。多方面への熱烈な興味の持ち方も、「エンタメ作品を描く人」として、学ばせていただくことも多いの。「生きていく中で得られることのすべて、感じることのすべてを、自分の心の栄養にしていこう」という、とても前向きな欲張り感が素敵なのよ。そういう方といろんなことを共有できているなんて、アタシにはとても名誉なことだし、うれしいのね。スティモーロとイデミ・スギノも、お気に召していただいたようで、本当によかった。

 アタシの最新刊『恋愛がらみ。 不器用スパイラルからの脱出法、教えちゃうわ』(小学館)を、「私の読者さんには10代の方たちも多いんですけど、そんな若い読者さんにとって、10年後も20年後も『刺さる』と思える本だと思います」と褒めてくださったのもありがたくて…。基本的に私の読者さんは20代以上の方たちばかり。『恋愛がらみ。』も、ファッション誌『Oggi』(小学館)で連載しているエッセイがベースになっているものだしね。栄羽さんがおっしゃるように、10代のオンナの子ちゃんにも、「もっと大人になったとき、この本はもっと刺さる」と思っていただける本になっていたら、本当にうれしい。そう思ってくださる方がいる限り、まだまだがんばって書き続けなくてはね!

 栄羽さんは『ハニー・ホリック』(講談社)を完結させたばかり。イケメンを描かせたら、大げさでもなんでもなく「当代有数」と言っていい栄羽さん。その栄羽さんが、「オムニバスの恋愛模様がひとつの大きな流れにつながっていく」という、とても難しい物語の構造にチャレンジなさっている意欲作よ。もちろん少女マンガの必須要素「キュンキュン」も健在。エンタメに必要な「基本」から目をそらさず、しかし常に「something new」(何か新しいもの)を探す…。自分を高めるために新しい挑戦を続けていく栄羽さんの姿に、大きな励ましもいただいたデートでした。そうね、『コスアニ』風に言えば、リカちゃんとオーナーの「おとな力アップ」のデートって感じかしら。うふふ。

 さて、8月17日発売の『小説すばる』(集英社)9月号から、エッセイの新連載が始まります。期間限定ではありますが、文芸誌での連載ということで、アタシにとっても新しいトライになります。集英社の「すばる」ブランドの文芸誌は、『すばる』と『小説すばる』がありまして、『すばる』は純文学系作品、『小説すばる』はエンタメ系作品を扱っています。ご参考までに。

 それにしても、アタシが文芸誌…。お話をいただいたときは「あまりにもおそれ多い」と思ったけれど、栄羽さんの「いままでの自分を越えるためにトライする」という姿に励まされたし、アタシも自分なりに全力を尽くすつもりです。近づいたらまたお知らせいたしますね。