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2010-07-16

[][]劇評 さかせがわ猫丸さんの『ロミオとジュリエット』 11:06 劇評 さかせがわ猫丸さんの『ロミオとジュリエット』を含むブックマーク 劇評 さかせがわ猫丸さんの『ロミオとジュリエット』のブックマークコメント


 明日12時開演の回を観てきます。今からかなり入れ込んでいますw。この後は、24日に雪組宝塚大劇場公演ミュージカル『ロジェ』とショー『ロック・オン!』を、その次の週の8月1日には花組宝塚大劇場公演ミュージカル『麗しのサブリナ』とスパークリング・ショー『EXCITER!!』の3週連続観劇という快挙?の予定です。

 梅田芸術劇場での宝塚星組公演、ミュージカル「ロミオとジュリエット」が、7月10日、初日を迎えました。シェイクスピアが残した世界で最も有名なラブストーリーは、世界中で愛され続け、ここから「ウエスト・サイド物語」などの名作も生まれています。2001年にはフランスでジェラール・プレスギュルヴィック氏がミュージカル化。斬新で大胆な演出が爆発的な人気を呼び、スイス、ベルギー、カナダ、イギリス、ロシア、ハンガリー、オーストリア、韓国などで上演され、500万人以上の動員を誇ってきました。そんな話題の舞台がついに日本へ上陸! 宝塚バージョンとして星組で初上演されます。

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 ロミオを演じるのはもちろん、星組トップスターの柚希礼音(ゆずき・れおん)さん。 ジュリエット役は娘役トップの夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さん。そして男役2番手の凰稀かなめ(おうき・かなめ)さんがジュリエットの従兄弟・ティボルトを演じ、2人の間に複雑に絡み合っていきます。

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 今年3月にフランスで本場の舞台を鑑賞したという3人は、製作発表記者会見で「古典イメージを覆す大胆な演出に魅了された」とそろって声を弾ませ、作品に臨む気合も十分でした。さらに人気の海外ミュージカルを日本人好みに潤色・演出する名手・小池修一郎氏が宝塚風にアレンジするとあっては、ますます期待に胸が高鳴ります。

 開演前の舞台には、真ん中にブルーのハートマークがついた「Romeo&Juliette」という大きな金色の文字が浮かび、いきなりロマンチックな気分にさせられます。 幕が上がると、オープニングから登場するのは「愛」と「死」。このミュージカルでは「死」をイメージするダンサーが登場しますが、宝塚はさらに「愛」もオリジナルで加わっています。「死」は黒づくめの男性で、いかにも不吉な気配を漂わせながら踊り、悲劇を暗示し、反対に白く輝く女性「愛」は、優しく温かく舞い、幸せな気持ちに包みこんでくれます。「死」を演じるのは、星組の新進スター真風涼帆(まかぜ・すずほ)さん。端正な容姿が妖しいムードにぴったりです。一方の「愛」は若手の礼真琴(れい・まこと)さん、男役ですがとてもキュートです。どうやらこの「愛」と「死」の概念が、この物語の肝となりそう…。

 イタリアのヴェローナでは、キャピュレット家とモンタギュー家の争いが何代にも渡り、それは今の若者たちをも巻き込んでいた。そんなある日、ヴェローナ一番の富豪パリス伯爵(天寿光希/てんじゅ・みつき)が、キャピュレット家の娘ジュリエットに恋をする。キャピュレット卿(一樹千尋は、借金も肩代わりするというパリスの申し出に、この縁談をまとめようと意気込んだ。幼い頃からジュリエットを想う甥ティボルトの反対や、ジュリエットの戸惑いも聞き入れようとはしない。

 柚希さんはロミオで新境地を開くこと間違いなしと思わせるほど、新しい一面を見せています。どちらかというと熱く男らしくワイルドなイメージが強い柚希さんですが、繊細かつピュア、でも恋には情熱的になってしまう好青年のロミオを演じていて、そのさわやかさに驚かされました。

 夢咲さんも彼女自身が持つ可憐さがジュリエット役にピタリとハマっています。純な2人が「いつかきっと運命の人に出会えるはず」と夢見ている姿がやけに可愛らしくて、切なくなるほど。対立する若者たちもキャピュレット側は赤、モンタギュー側は青と、憎しみ合う双方でイメージカラーを明確に分けているのが、華やかな衣装とあいまって強い印象を残します。

 キャピュレット側のリーダー的存在となるのがティボルト。恐いもの知らずの荒くれ者ながら、ジュリエットへの叶わぬ想いに苦悩するという難しい役柄を、スマートなイメージの凰稀さんが殻を破るように演じています。モンタギュー側は、ロミオの親友ベンヴォーリオ(涼紫央/すずみ・しお)マーキューシオ(紅ゆずる/くれない・ゆずる)。この涼さんが白に近い金髪のショートでインパクト大! 新鮮でとてもよく似合っています。紅さんも若さと熱さを爆発させ、着実に成長を感じさせてくれます。

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 キャピュレット家で行われた仮面舞踏会。ベンヴォーリオとマーキューシオに唆され忍び込んだロミオはそこで、パリスから逃げ回るジュリエットと出会う。これこそが運命の出会いだった。互いの家が対立する相手だと知っても、気持ちはもはや抑えきれず、ロレンス神父(英真なおき/えま・なおき)の元、ジュリエットの乳母(白華れみ/しらはな・れみ)の協力を得て、永遠の愛を誓った。だが2人の結婚を知った双方の友人たちは激怒。争いが始まり、ついにティボルトがマーキューシオを殺害し、逆上したロミオは自らナイフを手にティボルトを殺してしまう。

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 この作品はとにかく音楽が素晴らしくて、ロック調にアレンジされた軽快な曲も、しっとりと聞かせる歌も、どれも耳馴染みよく胸に染み入ります。特に若者たちが歌う「世界の王」という曲は、小気味いいリズムで「朝から夜まですべての時間を…」というメロディーが頭に残り、一緒に歌い踊りたくなるほど。また、ロミオが「死」にまとわりつかれながら歌う「僕は怖い」も圧巻で、柚希さんの歌唱力と表現力に思わず感動してしまいました。双方の母(音花(おとはな)ゆりさんと花愛瑞穂(かわい・みずほ)さん)、キャピュレット卿、乳母、ベンヴォーリオなど脇役の人たちにもソロパートがあるので、それぞれの心境と人となりが伝わり、物語に深みを与えます。もちろんロミオとジュリエットが歌う主題歌「エメ」のドラマチックさは言うまでもありません。

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 作品に流れる全体のイメージは美しくて宝塚らしく、愛に満ちています。乳母がジュリエットの使いでモンタギュー側へ訪れるシーンも、原作にある厳しいものではなく、マイルドに明るくアレンジされていますし、悪役になりそうな人々も人間的に描かれ、不快な気持ちにならないのが嬉しい。そしてラストシーンの幕が下りる直前の美しさは、まるで一枚の絵画のようでした。悲劇なはずなのに、甘美な余韻と幸福感すら味わえてしまう。そこが「愛」と「死」にうまく操られていたところなのかもしれません。

 古典の重さや難しさは一切なく、現代的かつ斬新な演出で、弾けるダンス&ソングに「新しいミュージカル」を体感しました。7月の梅田芸術劇場公演から8月の博多座公演と続きますが、宝塚大劇場以外の場所から生まれたこの名作が、今後も宝塚の財産となって息づくことは、もはや疑う余地もないでしょう!

◆ミュージカル「ロミオとジュリエット」

《梅田芸術劇場メインホール公演》2010年7月10日(土)〜2010年7月26日(月)

《博多座公演》2010年8月2日(月)〜2010年8月24日(火)



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