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2006-01-26

A君(17)の戦争


さて、「ライトノベル☆めった斬り!」で面白そうと思って読み始めた本です。


主人公がファンタジアな異世界へ飛ばされて魔王となって活躍する。……あらすじはそうなります。ありがちですね?


しかし、作者はどうやら「ライトノベルの形態をとりつつ架空戦争小説を書く」というのを目的にしているようで、戦争(戦闘ではなく)をかなり精緻に検証して書いています。戦時国債を売りさばくために戦闘を開始するライトノベルの主人公は初めてみました(笑)。


ノリとしてはこんな感じです。


魔王軍総帥統合野戦命令第1号


『〈カルネアデス〉作戦発動について』


一、全部隊に達する。

一、魔王軍は本0400時をもって作戦〈カルネアデス〉を発動、作戦目的を完遂せんとす。

一、なお、作戦期間中は戦闘魔法使用制限を解除(オール・マジックス・フリー)。各種族はその全力を用いるべし。

一、各員奮励努力せよ。

一、総帥は勝利を期待する!


(発令者)

魔王軍総帥・魔王軍最高司令官・市立天抜高校二年四組出席番号五番

小野寺剛士


(発令代行者)

魔王軍参謀総長・吸血族長位継承予定者第二位・吸血族公女

アーシュラ・ガス・アルカード・ドラクール

(第3巻「たたかいのさだめ」より)


魔王は現世界から、その時代に合った人間が召喚されるとされて、前魔王は1980年代に召喚されたオタクの田中さんで(笑)、外交に能力を発揮している。プロジェクト・マネジメントを導入した魔王とか、農作業を導入した魔王とかもおり、主人公は「戦争」の能力で召喚されたらしい。しかし、なぜそうした人材が選ばれて現れるのかは謎とされており(途中までは)、それが「世界の謎」になっています。


8巻まで読みましたが、6巻まではライトノベルのキャラクター性と戦争小説の形がマッチしており、たいへん面白いです。7巻以降の「魔王領攻防戦」に入ってから、作者がさらにやりたい放題になって(笑)、戦争小説にバランスが傾いている感じで、ちょっと、とも思うんですが。

たとえば、魔都ワルキュラ防衛のための塹壕戦 (^^; があり、絶望的なゴスタン大尉の防衛戦が描かれたりするんですが、


100式精霊化連発ショート・ボウガンの弾倉が空になる。あわてて樹脂で縦長にまとめられた30発の矢弾を弾倉に落としこみながらゴスタンは思った。

こういう時は家族や恋人のことをおもいだすものと予想していたが、全然そんな気分にはならない。不思議だ。とてつもなく不思議だ。

(第8巻「うしなうべきすべて」より)


えーと、どこの第一次世界大戦ですか?(笑)


まあ、ともかく面白いです。ちょっと地の文の説明が長かったりいろいろで抵抗がある人がいるかもしれませんが…1巻を読んで合わない人はやめましょう。


あと、なんとなく思ったのは、往年の「ルナ・ヴァルガー」に雰囲気似ているなあということです。ちょっとアレだったりするところとか。


オススメです。


新装版A君(17)の戦争1 まもるべきもの (富士見ファンタジア文庫)

新装版A君(17)の戦争1 まもるべきもの (富士見ファンタジア文庫)

つぼいつぼい 2006/01/26 07:54 巻が進むたびに薄くなっていくのがどうも(苦笑)。

AyukataAyukata 2006/01/26 10:15 豪屋大介の中の人は佐藤大輔って話もありますね。だったら話しが戦争に傾くというのも解らないでもないです。

mallionmallion 2006/01/27 03:12 もう一つのシリーズ「デビル17」(こちらはライトノベルに名を借りたエロ小説らしい)の方がウケがよくて、そちらにかかっているらしいですね。
皇国の守護者の作者さんですか?>佐藤大輔 うーん、ほんとでしょうか。たしかに作者、ボードゲーマーだろうなーという感じですが…

Vampire.S にいさまVampire.S にいさま 2006/01/27 19:21 佐藤→砂糖→甘い→苦い→ニガウリ→ゴーヤ→……

mallionmallion 2006/01/28 04:39 ほえー! な、なるほど。

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