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2007-04-28

ヒーロークエスト考(1):「神話的な英雄」の類型


nacky 卿よりのリクエストを受けていて、いろいろ考えていました。まあまだまとまっていないのですが、書きながら考えていってみます。


まず、今回はグローランサに限定せず、一般神話における「神話的な英雄」の類型について。




f:id:mallion:20070428055311j:image:rightグローランサの創造者であるグレッグ・スタフォード氏が、アメリカの神話学者ジョセフ・キャンベル氏の理論に強い影響を受けていることはよく知られています。ジョセフ・キャンベルの理論は(学会的には曖昧な評価を受けつつも)非常に人気があり、スターウォーズ初期3部作のプロットなどは完全にキャンベルの神話パターンに沿っていることが指摘されていたりします。(こことか参照) ジョージ・ルーカスも確か「神話の力」という本の対談でそれを認めていた……気がする(もう読んだのが遙か前で記憶が曖昧ですが)。


キャンベル氏の代表的著作としてあげられるのが、「千の顔をもつ英雄」です。



んで、実はこの本について僕は未読なのですが(笑)、非常によくまとまった書評がありますので、そちらを参考にして「神話的な英雄」の類型を簡単にまとめてみます。



一般に、ほとんど全ての英雄の探索行の物語は、

  1. 旅立ち・別離(セパレーション)
  2. 通過儀礼(イニシエーション)
  3. 帰還(リターン)

という段階を踏みます。


  • まず、「旅立ち」では、英雄が属している共同体から離れて、此岸(通常の生活領域)と彼岸(冒険の舞台)の「境界」を超え、探索に赴きます。
  • 次の「通過儀礼」は、「試練」と言い換えてもいいものですが、この試練を克服することで、英雄は以前のもの違った存在へと変貌します。
  • 最後の「帰還」では、彼岸から此岸に英雄が戻って、知識や宝物などによって、英雄の属している共同体に変化をもたらします。(彼岸から帰るのに失敗することもある……浦島太郎の最後とか、ヤマトタケルが最後に白鳥となって飛んでいってしまうとか)

重要なのは、神話的な英雄がバックボーンとして「共同体」を有している、ということです。ただ単に高い能力があるだけでは「神話的な英雄」ではないわけです。


多くの「神話的な英雄」は、一般の人とは区別された特別な能力をもちますが、それは「彼岸」と「此岸」の境界に立つ存在であることを示しています。

簡単にまとめれば、「人の手におえないもの」(=自然、災害、死など。そして、それを支配する神々など)に対して、共同体の代表としてそれに対面し、和解するか克服するかし、共同体にその利益を持ち帰るのが「神話的な英雄」であると言えるでしょう。


そして、多くの英雄物語が悲劇的な結末を迎えるのは、やはり最終的には「此岸」に英雄がとどまれないことを示していると思われます。


そして現実世界の多くの儀式は、こうした「英雄の探索行」のパターンを再演し、共同体に属する個人が英雄の持ち帰った力を獲得する、という意味づけで行われています。「入信儀式」とか「成人儀式」とかは、「イニシエーション」とよばれています。インディアンの成人儀式では「ヴィジョン・クエスト」がおこなわれましたが、キリスト教とかの洗礼儀式も形式化された神話の再演(キリストの洗礼の繰り返し)であることは変わりがありません。


これをTRPGシナリオ的に類型化するとどうなるか……というのは面白い試みだと思いますが、だれかやってくれぇ。という希望表明になってしまいますな(笑)。

ここらあたりが比較的参考になるかも。



んで、グローランサではどうなるか……、というのは次回に続きます。

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