Hatena::ブログ(Diary)

まりおんのらんだむと〜く+ RSSフィード Twitter

◆最近の記事一覧→こちら ◆おすすめ記事→2007 2006 ◆りんくす→こちら ■TOME@wiki

2007-08-07

オーランスの死の物語「解放王の帰還」


f:id:mallion:20060507185144j:image:right:w170「オーランスの死の物語」も(ようやく)最終回。

「えーと、そういえばあの人はどこへ行っていたんだ?」の、彼女の登場です。


裏では、大変なことをやっていたみたいですけどね……

それについては、参照情報をどぞ。





いままでのまとめ


参考情報





ルナー軍撤退後の戦場。

氷点下の寒さの中で累々たる死体は凍りつき、四方では手足を失った不具の男たちが呻きながら倒れ伏しています。その流れる血が雪をとかし、土と混じり赤い泥濘となって歩くPCたちの足をとります。


なんとか生き延びた者たちは、復活した魔術で傷を癒し、火を起こし糧食をとって回復に努めます。人々のあいだを癒し手たちが走り回り、重傷者の手当てに奔走しています。勝利を得たとはいえ損害は甚大で、反乱軍はその戦力のほとんどを使い果たしていました。


と、その時。


遠くから、何かピキッ、ピキッ――と空気が凍りつく音、そして何か小鳥が木を叩くようなかすかな音が聞こえてきます。


PCたちが顔をあげると、数百メートル離れたところに、巨大な氷柱が出現しているのに気がつきます。その氷のなかには、かすかな人影。額にはかすかな星の光が輝いているのが見えます。叩く音は、その氷柱から聞こえてくるようです。


「カリル様!」

“紫の”ミナリスが叫び、氷柱に向かって駆け寄ろうとします。


PCたちがなぜか(笑)一番近くにいます。駆け寄ると(するよね?)、カリル・スターブロウは氷の中に閉じ込められており、皮膚には霜がおり、目はなかば閉じられ、唇はほとんど紫色になっているのが分かります。その指先だけが動いて、内側から助けを求め、氷をたたいているのです。


GM:さて、どうする?

PC1:「カリルさま!」と剣で氷を割ろうとする。〈剣攻撃 17w2〉で。

PC2:そこらにある焚き火の燃えさしをひろって、氷柱を融かそうとしてみる。

PC3:《一里の投槍》をつかって、ジャベリンを魔術強化して氷柱を砕きます。

GM:ふむ。では《氷 10w4》の抵抗で判定してくれたまえ。これは神によって作られた氷だから、すごく硬いからな。失敗? では氷はすべての攻撃をはねかえすぞ。カキーン。


ということで、どうやって氷柱を砕くか? ということなんですが、じつは今までの文章の中にヒントが隠されています。思いつくか、ちょっと考えてみてください。

















分かりましたでしょうか。

答え。


「流れる血が雪を融かしている」のに気づいたでしょうか。血を氷柱にかけてやればよい。実際にはインスピレーションロールか、ミナリスが気づいたことにしてもよいでしょう――。


うーむ。ご無体な。と思わなくもない展開ですね。グレッグ氏はシナリオの伏線張るのがあまり上手くないな。「普通気づかんわ!」と言いたい(笑)。

自分としては、PCが協力して判定値をあげつつヒーローポイントを使って抵抗をうわまわって成功したりとか、試行錯誤してもよしとするでしょうけど、実際にプレイした西山さん、どうしたか教えてください(笑)。


さて、PCが血を氷柱にかけてやれば、氷柱は煙をあげて融けだし、やがて轟音とともに崩れおちます。その後にはカリル・スターブロウが、気を失って倒れています。


ブライアン王をはじめ、反乱軍のリーダーたちはショックで青ざめながら駆け寄ってきます。


と、そのとき。


PCたちは、カリル・スターブロウの脇に、ひとりの少女が立っているのに(突然)気がつきます。


たった今まで、確かにそこにはその少女はいませんでした。

美しいその少女はひらひらの服をまとい、その足元には花が咲き乱れています。彼女には影がなく、視線はすべてをつらぬくかのようです。


PCたち、また戦場の者たちすべては彼女を目にしたとたん、まったく動けなくなってしまいます。

オーランス人たちには、彼女が何者か、すぐに理解できます。


オーランスとアーナールダの娘である、“永遠の春の乙女”ヴォーリアです。


ヴォーリアはPCたちを見ると(実際には、その場にいるすべての者が「自分の方を見た」と感じます)、口を開きます。


「あなたは、家族にだいじなものを分けてあげた?


 血族をだましたことはない?


 氏族の敵とたたかった?


 癒し手たちを助けてあげた?


 ……」


女神は、「オーランスの死」、大暗黒のさなかの行動をたずねてきているのです。

PCたちが質問に答え、家族と氏族とオーランス人のために行動したことを応えるたびに、ヴォーリアはその春の力、再生の力を解放していきます。


ヴォーリアがいついなくなったのか、誰も気がつきませんでした。

春の力はそよ風に乗って、オーロックスの丘をつつみこんでいきます。

丘は、一面の花々につつまれ、傷を負っていたものはそれがいつの間にか癒えていることに気がつきます。

ヴォーリアがどんな姿をしていたか、それを思い出せるものはおらず(神の特性です)、ただ春の印象のみが残っています。


カリル・スターブロウは、家臣たちに支えられてPCたちの方へやってきます。ヴォーリアの力をもってしても回復しきっておらず、すぐに癒し手の治療が必要なことは見てとれますが、彼女は自分を助けてくれたPCたちに礼を言わねばならぬとやってきたのです。


「君たちは、わたしのヒーロークエストの最後を助けてくれた。私は7日前……あれは本当に、7日前のことだったのか?」 カリルの問いに、“紫の”ミナリスは頷きます。


「7日前に、私はわずかの供をつれて助けを求めて旅立った。私は“光持ち帰りし者たちの探索行”を、真のバージョンで試みた。オーランスが弱っているときであれば、その敵も弱くなっていると思ったのだ。たぶんそうだったのだろう。私はたくさんのものを失った。大切なダルビスとアヴァルナも……。しかし、最後のところで、友よ、君たちが私を助けてくれた。そのおかげで、やり遂げることができた」 カリルはPCたちを一人一人記憶するようにじっと見ます。


「君たちを覚えているだろう」そういうと、運ばれてきた担架に倒れこみます。「癒し手のところへ」


カリル・スターブロウから流れた血が地面におちたところには、紫色の「悲嘆の花」が花開きます。しかしその花は、花開く雛菊とケシの花のなかにうもれて見えなくなってしまいます。





こうして、「凍土の戦い」は終結しました。




この戦いの後、この戦いに参加した者たちだけは、魔術を使うことができるようになりました。PCたちをはじめ、この戦いに参加した者たちはドラゴン・パス各地へ赴き、まだ「冬」の中にいる人々にオーランスの復活を伝えてまわることになります。(「新たな息吹」(New Breather)と呼ばれる)


後に、この戦いはオーランスが解放された戦いとして認識されることになります。ドラゴン・パスにあいていたエア・ホールは閉じますが、ルナー軍はほとんどその戦力を減らしておらず、ターシュや帝国本土からの援軍により、さらにドラゴン・パスでの支配を強化していくことになります。タティウスの「大昇月の寺院」の建設は続き、それが完成すれば再びオーランスは死を迎えることになるかもしれません。


帝国軍は「新たな息吹」を狩り出し、殺戮するための部隊を送りだします。反乱軍が勝利するためには、さらなる同盟、さらなる魔術、さらなるヒーロークエストが必要とされるように思われました。


英雄戦争はブライアン王のエスロリア戦争、そして「星船の帰還」、「ドラゴンの目覚め」へと続いていきます。


「いまや大暗黒のとき。戦いに備えよ!」


「オーランスの死の物語」はこれにて終了です。

ながながとありがとうございました。