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2008-02-25

千の顔をもつ英雄、あるいはTRPGと「世界の危機」


はいはい、昨日書けなかったエントリです。っていってもたいしたことない。



千の顔を持つ英雄における英雄(神話的英雄)の定義っていうのは、

  • 常人とは異なった能力を持つ(「彼岸」=非日常世界と「此岸」=日常世界の境界に立つ)
  • 共同体を代表して、
  • 冒険を行い、
  • 共同体に変化をもたらす

というもんじゃないかと思うのですが。――いやなんで「思う」かというと原本読んでないからですけど(笑)(田舎だと図書館にも置いてないよー)。


グローランサにおいてはどうか、っていうと、これはヒーロークエストという形で表現されています。@wikiにエントリをまとめてみた。



で、この流れを最大化すると、「世界の危機を救う英雄」という、コンピュータRPGで典型的に見られる英雄物語になるわけですね。(共同体=人類、変化=世界を変化させる)

ミニマムに近いところだと、共同体=依頼者、変化=事件の解決、ということになります。紅茶さんのエントリの引用でいうところの「お伽話」のパターンということになりますか。


しかし、よく考えるとこの「共同体を代表して」「冒険を行い」「共同体に変化をもたらす」というセッティングを「システム的に実装している」TRPGってのは実はあんまりないんではないでしょうか。


ラースフェリア(セブンフォートレス)とかは日常的に世界の危機が訪れていますが(笑)、あれは世界設定としてだし。ソードワールドにおける「魔精霊アトンとファーラムの剣」(なつかしい!)とか、MERPにおける「指輪戦争」だとかも同様。


このあたり、Vampire.S にいさまは、TRPGでは世界の記述や変動に要する手間を省略する手法がみられると考察しております。

「世界の破滅予定」を設定

世界あるいはそれに匹敵する共同体の「近い将来における破滅」(*1)を予め設定しておく


「空白地」を設定

既存の地理的・社会的・経済的体系が「影響を及ぼしていない」と設定される領域(*2)を定め、主人公達のみにその領域に対するアクセスを許可する

--

(*1)世界を滅ぼす計画を持った魔王

(*2)例えば、地理的には「未踏の大地」、社会的には「冒険者という社会の束縛を受けない生き様」、経済的には「地下迷宮に転がる所有者無しの財貨」等。


ヒーローウォーズ/HeroQuest がルーンクエストに比べて「英雄」をあらわすためにシステム的に進化していた点は、この「共同体を代表して」という機能を、縁故というメカニズムに簡明にまとめた点にあります。


Vampire.S にいさまは、RuneWars において、「世界を変化させる」という点についても、「アクシオム」(変わらないルール=メタルール)と「ルール」(変化させることのできるルール)というかたちで実装するつもりのようです。


今、特定の共同体≒世界の持つ特性は、『戦闘』や『交渉』、『貿易』等のルール体系によって表現されていると考えよう。例えば、『交渉』に比して『戦闘』による問題解決の方が有力なルール体系を持つ世界は、それだけ“野蛮”だと考えるのだ。


こうすると、例えばある英雄による「世界を平和にした」という業績は、『交渉』と『戦闘』の相対的な価値を修正することで表現することができる。

既存の行動ルール――『戦闘』や『交渉』――とは異なる、新しいルールを「セッションの都合に合わせて」導入――例えば、セッション中にひょんなことから恋愛沙汰のシーンが登場した時、新しく『恋愛』というルールを導入し、ゲーム全体の雰囲気をギャルゲーに近づける――ことも、可能になる。


この結果、セッション中で新しいルールに基づいた手段を使用することができるから、「新しいルールに基づく英雄の伝説」――例えば、「愛の力で世界を平和にした」ヒロインなど――を、キャラクター作成やセッション開始後に語ることが可能になる


えー、誤解を招くかもしれませんが、RuneWars のコンセプトの一つは「戦闘ばっかやってて楽しいですか?」というものらしい(笑)ので(実際、戦闘だけならルーンクエストの方が楽しいとはVampire.Sにいさまも言っていた)、戦闘も農作業も商取引も恋愛も、ルール的には等価で扱えるようになっています。(そして、ヒーローウォーズも方向性としてはそっちを指向しているんですが、やっぱり戦闘に偏っているためちょっとシステム的に齟齬が生じてしまっている感じ)


なんで、農作業で世界を救う英雄も表現できることを目指したのがルーンウォーズともいえましょう。「おれは三圃式農法で世界を変革する!」みたいな。グローランサでは、こういった行為はみな「ヒーロークエスト」を通じて行われる、というかたちになっています。


さて、TRPGでいうと、世界のルールが世界の危機のあとに変わってしまったTRPGは存在します。ローズ・トゥ・ロードシリーズ=「ユルセルーム」です。あれは世界の危機が去ってシステムが版上げになるたびに時代が進んで、世界観=ルールが変わる、ということをやっていました。ただ、これはシステムごと変えてしまうという手法ですね。


じつはグローランサでも、「期」が変わるごとに、どうやら世界のルールが変わっていた、ということはありそうで、実際、グレッグが漏らした言葉によれば、英雄戦争(=ゲーム的な未来)の中で、魔法のルールが変わっていく予定みたいです。だから、たぶんアドオンでルールが出る予定だったんだろうと思います。


RuneWars では、そのルール変更を、プレイヤー/マスターに任せてしまおう、というところが新しい……のかな。


いつもどおり、まとまらずに終わる。

∀x∃y∀x∃y 2008/02/25 11:16 >「共同体を代表して」「冒険を行い」「共同体に変化をもたらす」

 アルスマギカのCovenatルールなんかはそうだと言える気もしますがどうでしょう。ミニマムのパターンである依頼型であればソードワールドには明確に実装されてます。また単純に「共同体(と呼べる規模の存在)」が依頼者であればこのパターンのものになるのであまり「実装していない」とは居えない様に思います。

>「共同体を代表して」

 なので、この文脈で〈縁故〉を議論するとちょっとミスリーディングになってしまう危険性が有ります。実際

>「おれは三圃式農法で世界を変革する!」

 というネタは「縁故」に縁故がどうこうって話はメインで出てこないですよね。
(そりゃ、「はるばる外国から持ち込んできたサツマイモを皆させる(政策を実行する)」という話なら縁故でしょうが、毎回戦闘で終わりそうなネタですなw)

akitoakito 2008/02/26 01:35 キャンベル大好きなのですー。「だれそれが村の境界を越えてトウモロコシを持ち帰った」とかを語った起源説話風のものはどれも英雄の偉大な物語として強力な素材になるんですが、TRPGだと“変化”をシナリオではなくシステム的に捉えるのが難しいのが悩みどころ。障害排除型のシナリオで、戦闘に逃げればできるわけなんですけどワンパターンなのですよね。
# まよきんはそういう意味で、もたらす英雄PCができる希有なシステムなのですよな。

mallionmallion 2008/02/27 07:41 >∀x∃yさん
グローランサにおける技術革新ってヒーロークエストでもたらされると思ってまして、そのヒーロークエストのためには縁故をつかった「共同体の支援」が必要、という前提が抜けてました。すいません。
ルーンウォーズは共同体の支援が縁故のコミットメントに統合されたので、わかりやすくなったと思うですよ。

>akitoさん
迷宮キングダム! そうでした。忘れてました。あれも共同体を代表して共同体に変化をもたらしてますね。

∀x∃y∀x∃y 2008/02/27 11:43 >「共同体の支援」

 コミットメントによって獲得できる魔力はそのソースに寄らず20R0なのでヒーロークエスト(少なくともR2級の世界)ではルール的に効果を持ちません。そもそもコミットメントは「キャラクターが自分(という資源)をどの様な対象にささげているか」を表すもので「共同体から何を受け取っているか」はまた別の基準です。
(確かにコミットメントによって得ているリソースは有りますが前述の通り、ヒーロークエストレベルの現象を基準にするなら微々たる物です)

 結果、ヒーロークエストにおいて共同体をリソースに使うには何らかの特殊な結びつきを構築する必要が有ります。
(まあそのための手段は魔術とか色々あるでしょうが、実際に機能しているのは『縁故(より厳密には交換)』のメタルールだろうという事です。)

 また、ヒーロークエストの結果が共同体に波及させるのに「共同体の代表」である事も「共同体にコミットメントを支払う」事も別に必要ではないです。
(でないと来訪者は共同体を変革できないのですが)

 細かい話ですが〈三圃式農法 15w3〉なんてアトリビュートが有れば普通にR2級の農業系ヒーロークエストは何の支援もなく達成できる訳です(判定にこけないから)。この場合において共同体は結果の時点でしか表れませんし、まあ悟法の魔術ってこういうものなんじゃないでしょうかねえ。

mallionmallion 2008/02/28 06:45 あれ? 十分な大きさの共同体(400人以上)であればルーン強度がかわって(R2)、支援も大きくなるんではないのですか? んで、それを「共同体の支援」として使うのだと思い込んでいた。
ルールまだよく理解してないなー。
この「共同体の支援」はヒーローウォーズ以降のグローランサのキモなので、RWでどう実装されるかはくわしく知りたいトコロ。

∀x∃y∀x∃y 2008/02/28 13:19  「共同体そのもの」が持つアトリビュートの値はその構成員からささげられる資源(これがコミットメント)の総量から規定されるので、当然規模が大きくなれば値も増えます。が、これはあくまで「共同体」の持つアトリビュートです。確かに割り振ったコミットメントの量に応じて一部のアトリビュートを使用可能になる場合は有りますが、そのルールと同じ箇所に明記されている通り

 ・ルーン強度はキャラクター側の縁故に記載された値を使用
 ・実際のアトリビュート使用に関しては自身の〈(該当)縁故〉を用いた『交換』が必要
(つまりどれ程相手の規模が大きくても自身のアトリビュートの値で頭打ちになる)


 なので、基本的に通常の判定に関するオプション以上の物ではないと思います。

 ここからは個人的な纏め(多分そんなにはずしていない)ですが、

・二者間のクーポンのやり取りは全て『交換(メタルール)』にのっとって行なわれる
・良く行われる『交換』のパターンに関しては処理を形式的に定めてまとめてある。(一つ一つはルール)

 縁故、共同体、信仰辺りは全てこのレベルの話です。書かれたルールの細かさなどは下敷きにされているHQの説明の量によって違うでしょうが何が特に重要って訳ではないですよ。

mallionmallion 2008/02/29 07:56 なんとなく分ってきました。
ただ、「共同体の支援」はグローランサにおいて重要な「原則」(アーグラス皇子もつかってました>グローランサ年代記)なので、これがメタルールでないのはまずい気がします。

∀x∃y∀x∃y 2008/02/29 11:58 >メタルールでない

以前まりおんさん自身が確認した通りメタルールとは、

 PL(及びGM)が、ゲームにおいて束縛される規約

を定めたものです。なのでその定義上(どこまで行ってもキャラクターに関与する形でしか機能しない)「共同体の支援」はメタルールになることは有りません。同様、PCサイドで扱われる現象は基本的にルールの扱うものです。実際

 ※人が20R0ダメージを受けたら{重症}で行動不能になる

というのもルールですね。
(Blogまとめの該当部分には『肉体』オペレーションとある)

「重要だからメタルール」という訳ではそもそもないですし。

∀x∃y∀x∃y 2008/02/29 12:18 で、「共同体の支援」が(あまり)特別に扱われない理由ですが、R=Wでは

 「共同体」自身もまた一つのキャラクターとして扱われる

という性質があります。でこの場合「共同体」は(普通は)高いアトリビュートをもった個体として扱われます。これに対し適切な〈縁故〉を有していればその力を利用する事ができるでしょうし、これがHQにおける「共同体の支援」に該当しているものでしょう。

ところで、PCの縁故の対象が

 自分の故郷
 オーランス
 アーグラス

であった場合をそれぞれ考えて見ましょう。どれも大変強力な存在なのでヒーロークエストにおいて大きな助けになる可能性はあります。この中で「共同体」なのは一番上だけですが、別にこれだけを殊更別扱いにする理由は無いですよね、という事で説明になっているでしょうか。

そりゃそれとして形而下において上三者は大分趣が違うので実際どの様に扱われるかは違ってしかるべきだろう、という話になり、結局

>・二者間のクーポンのやり取りは全て『交換(メタルール)』にのっとって行なわれる
>・良く行われる『交換』のパターンに関しては処理を形式的に定めてまとめてある。(一つ一つはルール)

という結論に落ち着くことになります。

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