《光の壁》は萌え呪文である。
イェルマリオの最強呪文(笑)である《光の壁》についていろいろ言われていたので、まとめです。
呪文自体はこんなかんじ。
(注:ルーンクエスト3版のものです)
光の壁
4ポイント
遠隔、残照、受動(壁を移動させるときは能動)
大きさ10m四方、厚さ10cmの光の壁をつくりだす。この壁は一方の側には見通すことのできない強い輝きをもつが、もう一方の側からは反対側を見通すことができる。《光》呪文と同様、全方向を10mにわたって照らす。壁は術者によって1ストライク・ランクあたり1mの速度で移動させることができる。壁は総面積が100㎡であれば自由に形を変えられるが、厚さは常に10cmである。
まず、RQ3の精霊呪文では珍しい集団に効果を及ぼすことができる補助呪文であることが特徴。とくに射界を遮断することで、命中率を下げさせることができるので、遠距離で接敵したときに効果が高いです。
さらにこちらからは視界が通るので、弓兵隊の前面に2m×50mの壁として出現させてぐるっと半円形に展開すれば、接敵されるまでは打ち放題!
まさしく、集団戦を得意とするイェルマリオン必携の呪文といえましょう。
提供カルトも蛮族ベルトのメジャーカルトではイェルマリオぐらいしかなく、イェルマリオPCとしては、かならず習得していました。
問題は、じりじりとしか動かせないのですぐ突破されてしまうことと(笑)、イェルマリオンの仇敵であるトロウルはソナーで物を見るので視界を遮っても効果がないということです。
イェルマリオの神性呪文である《陽光》も、太陽の光はトロウルにはルール的にはなんの影響もないので意味がないとか、デザイナー陣がイェルマリオをいぢるために呪文を設定したようにしか思えないところがありました。
あとポイントが4ポイントというのもどうよ、と。でもイェルマリオは提供呪文も少ないし、友好カルトもあまりない(*)からあまり問題ないんだけどね!
……さみしくなんてないぞ。
(*)正確には、エルフ(アルドリア)とかイェルムとかヴリーマクとか蛮族ベルトでどーしろとという友好カルトが多い
イェルマリオはなぜ弱いのだろうか?
エイジ
彼らはなぜ弱いのですか??そーいえば昔から謎でした。
ルーンって日本版だと良く分からないのですが、やはり戦いに負けて取られたせいだとか・・初歩的ですみません。
ぐわああ! きーてはならんことを!(笑)
……煎じつめると「戦士カルトを名乗っているのに戦士カルトっぽい呪文がそろってない」ということに尽きますが(笑)、具体的にみていってみましょう。
(1)神話的・社会的な理由
よくまとまっていてグローランサ入門に最適といわれるルーンクエスト90's より、イェルマリオのところの一部を抜粋してみます。
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守るものは正義、帯びるものは黄金の鎧。
イェルマリオは光と真実の神であり、神話の時代にオーランスと戦った太陽神イェルムの息子である。イェルマリオは人間たちに弱者を保護し、最後まで正義を貫くこと、そして美しいものを愛することを教える。
神話
イェルムが地獄に送り込まれると、世界から火と光が失われた。太陽は堕ち、火山は冷え、かがり火は燃え尽きた。イェルマリオは父の代わりに世界をまもるために戦ったが、暗黒神との戦いの果てに傷つき、太陽の一族の証である火の力まで失った。しかし、イェルマリオの光は、暗黒に閉ざされた世界で人間やエルフや植物たちの唯一の希望として輝き続けたのである。
苦難の中でも正義を貫き通す者。それがイェルマリオである。
ここから既にいろいろと問題点が浮かび上がってきます。
(2)ルール的な理由
これはすでに述べましたが、まとめると、
- 戦闘系の精霊呪文が少ない。
- さらにいえば《治癒》がない。
- 最強呪文が《光の壁》ってどうよ。
- 入信者から必ず取る「加護と制約」でおもしろ制約がついてしまうことがある。
- 「風呂に入ってはならない」とか「雨宿りしてはならない」とか「鳥肉食べんな」とか。
- 神性呪文が《猫目》(*1)とか《陽光》(*2)とか《鳥との会話》とかどうしろと。とりあえず《盾》取っとくか。
(*1)猫のように夜目がきくようになる
(*2)太陽のように明るくなるがトロウルには効果なし。ヴァンパイアとかには効きますが
これで「弱者を守れ」「ゾラーク・ゾラーンが仇敵」とか言っているので、それはハードボイルドに生きるしかないでしょうという感じになります(笑)。
鮎方さんも指摘しておられますが、イェルマリオは本質的には「辺境開拓の神」で、農民が自警するためのカルトだったのが、戦士団として扱われるようになったため、ゆがみが生じてしまっているのだと思います。
※
でも、ではなぜそんなイェルマリオが一部に熱狂的な愛好者(わたしだ)がいるかというと、
- やせがまん、かっこつけしいしたい(笑)。
- まあハードボイルドといってもいい。
- 社会武器が槍で、貫通(インペイル)が強い。
- 加護で強力なキャラクター(90%以上技能持ちとか)が生まれることがある。
- 陽の天蓋領には美男美女が多いらしい。
- 美男美女を拾ってきて育てるから。
- 勝手にパーティ内でのキャラクターが立つ(笑)。
- 社会的に「ドミナントな文化」の外側の立ち位置なので、いろいろと動くことができる。
大きなレベルで言うと、イェルマリオはルナーvs.サーターという対立構図のなかで中立勢力(傭兵団)であるので、シナリオ的にも使いやすいというのもあると思います。
最近のイェルマリオ設定
グレッグによれば、ドラゴン・パスの陽の天蓋寺院は、サーターのターカロール王の時代に暗黒の民であるキトリ族を征服し、その子孫を農奴として使って自分たちは傭兵として外に出て外貨をかせいでいるとのことです。
このキトリ族ってのが「非物質化できる」「ウズの神々を信仰しているが人間でもトロウルでもない」とかお化けみたいなやつで、昔は「影の帝国」とかを支配してました。なんでこいつらをイェルマリオンたちがやっつけられたのか謎。
トロウルを追い払うために、ターカロール王がモンローフを助けて陽の天蓋寺院の設立に手を貸していたりします。
その他、「History of the Heortling Peoples」によれば、イェルマリオは第一期にはデイサネルスというナイサロールの先兵として知られており、トロウルの主神であるカイガー・リートールを焼き払ったりしております。
もしかして、グレッグの中ではイェルマリオってすげえ強いことになっているんではないかと疑いたくなってきます(笑)。
イェルマリオは裸族なのか?
piroki
アルダチュールがイェルマリオの聖都になったのって、いつからの設定なんでしょね? Questlines誌からかな。ここのイェルマリオンは「正しき風の反乱」でルナー側にたって現在もオーランシー(特にエルマル信徒)を虐待しているらすぃw
zeb
陽の天蓋寺院はSun Countyによると、
全部で15コだったと思います。
(今手元にないので、間違ってたらすみません。)
うち11コはWesley氏のLunar Empire
の地図に載っています。
残りの4コのうち、ひとつがサーター南部、
もうひとつがプラックスだとして、あと2コは
どこなんでしょうね。
アルダチュールのは陽の天蓋と言えるのかな・・・。
北方地方の支配者・鉄拳ハーヴァーからしてイェルム信者らしいですから、それで強化されたところもあるのかもしれません。でもやがてアーグラスに粉砕されるんだろうか。
thalion
>でもイェルム側からは認知されていない(笑)
え?そうなの?知らなかった…。
最近の研究(イェルム側から神話を語った Glorious ReAscent of Yelm とか)を読むと、イェルマリオの名前は一言もでてきてません(笑)。
さらに最近の研究だと、どうもナイサロールとかと関係が深いので、まったく太陽神殿から認知されていないわけではなさそうですけど。
「まーあっちが息子だって言ってるから、そうしておいてやろう」という感じでしょうか。
oomizuao
第一期のイェルマリオの英雄Palangioさんの記述を見る限りではすごく強そうですよね。イェルマリオンなのに口から火を噴いて〈一なる老翁〉の城の入口を溶かしたりしてますし、
あれ、デイサネルスってイェルマリオって名前だけどもしかして中の人違うんじゃねーだろうかと思わなくもない(笑)。
Epikt
全部で6000人という規模で男の多くが兵隊で傭兵稼ぎしてるとなると、屯田兵の集落みたいなもので国と言えるかどうか。
Vampire.S にいさま
キトリ=ヘイロースを使って軍隊維持ってんですから、元ネタはスパルタでしょう。そういう国、と思うのが正しいのではないでしょうか。
つまり、イェルマリオの重装歩兵は皆パンツ一丁なんでしょう、たぶん。これなら制約にも反しないし。
oomizuao
パンツ一丁で戦う髭美形の集団。それがイェルマリオンですね。分かります。
・
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なんか「戦闘服は大青の化粧だけ」なオーランシーとあんまり変わらない気がしてきたんですが。(´・д・`)
Epikt
スパルタというより山越えた後のハンニバル軍団って感じですぜ。
……こうですね、わかります。
まじめに言って、加護と制約をまじめにとっていくと「鎧はつけない」ということで裸族になってしまうのですが(笑)。
RQ2のイラストをみても、どうもイメージはギリシアの重装歩兵のようですし、意外と正しいのかも……(マテ)
alley-cats
RQ3 では兵士としての イエルマリオはすげー強いですよ。
弓90%、槍90%がゴロゴロいて、光の壁やホプライト壁で防御も完璧。
集団になるとあなどれません。というか束になるとオーランシなんかより断然強いです。
単体の戦士としては … ですが。
独自技能として「両手槍+盾併用」技能なんつーのも持ってますしね。
(ファランクスを組むための技能です)
訓練なんて受けられない農夫の息子でも、加護によってはいきなり槍の名手になって出世できるというところも社会的には特徴でしょうか。「おら、自警団に入っていずれ伯爵になるだ!」
Gathering Thunder では、オーランシー側の対イェルマリオ傭兵団戦術として、とにかくアンブッシュしろ、あと右側にまわりこめ(ファランクスを組むと、右側は槍をもっているので盾がなく防御が弱い)とか書かれておりました。強敵として認知されてはいるようです。
エイジ
お世話になりました。
個人的な感想としては、満身創痍な敗残兵だけど、太陽の眷属だからプライドだけは高い・・・(ファンの人すみません)って感じですか。
イェルマリオの本質は、「敗北してよみがえること」にあるのですよ。
あと、迫害されると信者の結束が固まるってこともあるよね(笑)。
イェルマリオの英雄戦争
History of the Heoltling Peoples には、実はイェルマリオについての情報がけっこうあったのでした。
そちらをまとめてみながら、「イェルマリオって結局なんなんだ?」、「英雄戦争において、イェルマリオはどんな役割を果たすのか」ということに迫ってみたいと思います。
イラストは「イェルマリオ」でぐぐると最初に出てくる画像です。
…………。
って、ヒロキさん!ヒロキさんじゃないすか!(しかも剣の賢者だ)
イェルマリオの神話と歴史
イェルマリオについては、いろいろ述べてきましたので、お読みいただいた人ならば、次の wikipedia の項目もたのしく読めるでしょう。
神々の戦いにおいては、死した父イェルムの留守を守ってよく戦ったが、嵐の神オーランス(Orlanth)に黄金の丘という場所で打ちのめされたところを、暗黒の部族の戦神ゾラーク・ゾラーン(Zorak Zoran)に襲われ、火の力を奪われた。以後、ゾラーク・ゾラーンを不倶戴天の敵とする。
イェルマリオ信仰は『グローランサ年代記』の記述によれば、高地のゼイヤラン文化圏に属するオーランス信徒の中で信じられてきた太陽神エルマル(Elmal)を元に、低地のダラ・ハッパ人の太陽神(イェルム)信仰の流儀を取り込んで作られた信仰であるとされる。開祖モンローフも、元来エルマルの信徒であったが、エルフの間でわずかに知られていたこの新しい神イェルマリオを求めて、神界への英雄的探索行(ヒーロークエストと呼ばれる)を行い、新たな真実を見いだすことに成功したと考えられている。
これが大まかな神話です。
ヒーローウォーズの時代になり、神話が整理されて、以下のようなかたちになります。
イェルマリオとは“イェルムの輝き”という意味である。またしばしば“イェルムの息子”としても知られている。これらはみな称号であり、神の真の名は入信した者にしか知られていない。彼は偉大な統治者イェルムの息子であり、黄金の時代にあった多くの太陽の一つの神だった。これらの太陽たちは神々の戦いの中で次々と墜ち、最後にはイェルマリオだけが残った。その彼さえも“残酷なる神”ゾラーク・ゾラーンに敗北し、火の力を盗まれたのである。
しかし、イェルマリオは敵神が立ち去ると再び立ち上がった。それ以降、彼は民を安全を守ったのである。入信者たちは、イェルマリオが信者の祈りに助けられつついかに行動したのか、いかにその炎の力を取り戻し、太陽を再び灯すために天空へと送ったのかを学ぶ。“残酷なる神”は追い払われた。現在も、信者たちは太陽の軌道を保つための魔術を行いつづけている。
800年代後半、EWFからやってきた傭兵たち(もともとはパヴィス市を守って遊牧民と戦うためにプラックスにやって来た)によって太陽領は創設された。ドラゴニュートとドラゴンたちがEWFを滅ぼしたとき、ほとんどの陽の天蓋寺院は廃墟と化したが、プラックスの太陽領は破滅を生き延びた。だが自由農民が奴隷化され、寺院での礼拝に祈祷師の習わしを用いるプラックス遊牧民が聖職位を握っていた数世紀間に、この地の慣習と信仰は蝕まれていった。
孤立の諸世紀の間、遊牧民支配の間にイェルマリオの儀式は滅びの危機に瀕した。だが前世紀になって、英雄モンロ(Monro)がドラゴン・パスより使徒を送って寺院に接触してきた。来訪者たちは伝統的な神教の信者たちを力づけ、遊牧民の祈祷師を追いだした。そうして古代のカルトは再びその全き栄光を再確立したのである。この二つの寺院の関係は今なお続いている。
さらに、HotHP での追加情報を箇条書きにまとめてみます。
- 陽の天蓋寺院が建設されたのはST.200年代
- 第一次ゼイヤラン戦争(368年)以降、オーランス人を管理するために各地に陽の天蓋寺院が建設される。
- 「夜と昼の戦い」のとき、ナイサロールによってデイセネルス(Daysenerus)が陽の天蓋寺院の神であることが明らかになる。
- デイセネルスはカイガー・リートールの軍を粉砕し、戦場に最初の寺院が建設された。
- これが現在のドラゴン・パスの「陽の天蓋寺院」のあるヴァーンター(Vaantar)である
- デイセネルスは「イェルマリオ」(イェルムの輝き)と呼ばれ、その後、光の帝国の各地に寺院が建設される。
- トロウルと化したアーカットにより、ヴァーンターの寺院をはじめ各地の天蓋寺院は破壊される。
- 第二期、シリーラにわずかに残ったカルトは、イェルマリオ・サルカントゥスという名前で各地で信仰されるようになった。
- ヴォタンクの未開の地にも、英雄バラザールによってもたらされる。
- イェルマリオ・サルカントゥスは、EWFの心臓部を攻略する「真正黄金部隊」の召喚にこたえて、ドラゴン・キル戦争に巻き込まれて消失した。
- 辺境にあったプラックスの陽の天蓋寺院のみはサルカントゥスの信仰を残したが、遊牧民の支配を受けほとんど教義は失われていた。
- サーターのモンローフが、ターカロール王の命を受けてイェルマリオを「再発見」し、各地の陽の天蓋寺院を復興させた。ヴァーンターの寺院はこれゆえもっとも権威あるイェルマリオ寺院となっている。
ああ、ふくざつ。
イェルマリオの本質
なんだかよく分からなくなってきましたが、けっきょくイェルマリオの本質ってのはなんなんでしょう。
……じつは、非常に単純なのです。
イェルマリオの神話と歴史を見ると、同じパターンが何度も繰り返されています。それは、「敗北してよみがえること」です。
イェルマリオしかり(ゾラーク・ゾラーン)、デイセネルスしかり(アーカット)、サルカントゥスしかり(ドラゴン・キル戦争)
イェルマリオは何度も何度も滅ぼされ、熾き火となり、再び燃え上がって新しいかたちとなって甦ってきました。
イェルマリオは、死んでよみがえる太陽を表した神なのです。
だから、ヒーローウォーズのイェルマリオの奥義が、以下のようなものであることは納得がいくでしょう。
奥義:《敗北を生き延びる》
(《光》の神力を使うのに成功した正々堂々たる戦闘中、信者が致命的な傷を受けた場合に、この奥義を用いて健康状態を「瀕死」から単なる「重傷」へ変えることができる。傷を癒すための通常の抵抗値か、戦士を「瀕死」に陥れた魔術能力のいずれか高い方に対してこの奥義で勝利を収めなければならない。成功すればいかなる魔術的・物質的な調査においても信者は死んでいるように見える。敵が立ち去れば、即座にこの擬死から目覚める。イェルマリオの英雄のなかには、この奥義を使って真の死から本当に立ち戻るものもいるという)
……。
だから、弱くてもいいんだ!(笑)
さらに言えば、この歴史のパターンからすると、イェルマリオのカルト自体、第三期(英雄戦争)の終りまでには消失することが運命づけられているような気がするのですが。
えーと、「それが英雄戦争におけるイェルマリオのプロットだ」とか言いませんよね? いいませんよね? >グレッグ
イェルマリオの希望
zebさん(id:illuminate33)が、World of Glorantha Mailing List で、グレッグさんに直接イェルマリオについて聞いてくれました。
グレッグによれば、
- 日本でのイェルマリオについての議論が読めたらなあ。
- アルダ・チュールに陽の天蓋の寺院があっただって……気づいてなかったよ!(おい)
- 「絵にもかかれているし、あるんだろうねえ」だって。
- アルダ・チュールの寺院は陽の天蓋寺院かもしれないが、「古の天蓋の寺院」ではない。(ここ20〜30年内につくられたもの)(by Jeff Richard)
- バラザールにも陽の天蓋の寺院はあった。
- 地図では確認できないので、地図外のディケーネ砦にあるんだろうか。
- Griffin Mountain では、ディケーネ砦にあるのは Yelmalion Temple と書いてあるが、陽の天蓋かどうかは不明。
- 曙の時点では、陽の天蓋寺院は存在しなかったよ。「夜と昼の戦い」以後にイェルマリオのことは発見されたんだ。
- こうして「サン・カウンティ」の記述はグレッギングされました。
イェルマリオのカルトが第三期の末に破壊されるのではないか?という問いに答えて:
うーん、それはつまり太陽神の運命だね。
でも、ほとんどすべての者が、やがて来る「新しき神々の戦い」では破壊されるんだ。
日本にいる人に、イェルマリオの開祖の言葉を伝えてほしい。
「みずからの〈炎の魂〉に〈大いなる光〉をしっかりと持つものは、苦難を耐え抜く。そしてまた陽は昇るだろう」
(Those who have the Great Light securely within their Fire Soul will endure, and rise again.)
よかった。グレッグから不当にいぢめられて本当にいなくてよかった……(笑)。
イェルマリオは弱くない
Epikt
イェルマリオに炎の魂あるのですか?
Vampire.S
少なくとも、「神話で負けてるんだから自分も弱くて良い」とか言ってる信者の中には何も燃えてないでしょうな。
うむ、そのとおり。
「常に逆境にある」(とくに社会的に)という状態を利用してキャラクターを立てるのが正しいイェルマリオンのあるべき姿でしょう(笑)。
じつはイェルマリオは、キャラクターつくりたての状態ではそんなに弱くないです。むしろ加護と制約で90%の槍技能とかついてると、フマクトPCより強い……とは言わないまでも、パーティ内でもそこそこの戦力になる。少なくとも、足手まといになることはないでしょう。
んでは、どうPCのキャラを立てるか。
社会的にはアレだけど実は強い(スターニャ様)
- PCじゃないが(笑)。
- 成長すると魔法の弱さが際立ってきてしまうので、ヒーロークエストとか部下3名とか部隊でとかで補う。
- 武器とか防具とか、地位とかで圧倒する。
- “嵐の砕き手”とか名乗ってしまって、もうオーランシー挑発しまくり。
- 巨大鷹とか乗っても可。って普通できねえよ。
社会的にはアレなんで、逆境に負けずに立ち向かうキャラ
逆境?関係ないね!というキャラ
- 外見的には美男美女が多い(らしい)という設定とからめて。
- チャラ男だが実は芯がとおっている、とか。
- フルメタル・パニック!のクルツ・ウェーバーみたいの。
- 正義のために!と言って突撃。
逆境は神が私に与えた試練だ、というキャラ
- 辛気臭くなる(笑)。
- が、典型的なのはこういうタイプなのかなあ。
- 聖堂戦士団には多そうだ。
生まれついての敗残兵(笑)
- コメントにも書かれていますが、「こいつがいると必ず負けて、しかもこいつだけは生き残る」というのが敗残兵の真骨頂です、ねえ。
- イェルマリオの神話をみると、これが本当に神を体現しているのかも(笑)。
- あ、奥義を習得すればルール的にも再現可能なのかwww
- 僕も「また生き延びてしまったぜ…」というキャラをやったことあります。
※※※
さて、真面目に「イェルマリオに炎の魂はあるのか?」ということについて。
イェルマリオは、外部に放出される火の力は失っていますが、「冷たき光」であるので、内部には火の力をもっています。
イェルマリオの力について、神話は以下のように語っています。(History of the Heortling Peoples, p.108)
しかし、“一なる光”の輝きを消すことはできない。そうは見えても、その力は常にまた灯されるだろう。冷たき光は、生命を取り戻してふたたび燃え上がる。それが、「再点火」の秘儀なのだ。冷たくとも、光はともされ、そして松明から松明へと受け継がれていく。かつてイェルムはそうして灯され、太陽は昇り、世界は新しくなった。熱と光は、冷たき光から来た。冷たき光のたいまつは今はなくなったが、必要となったとき、それはまた灯されるだろう。いまや熱と光の背後にある「輝き」を信ずる者は少ない。彼らはイェルムやエンヴェリヌス、ポーラリスといった“劣った”顕現を信じている。
多くの古き陽の天蓋寺院がふたたびよみがえった。彼らもまた、自分たちを護り、秘された炎を、来るべき大災厄から守り抜くために準備を整えている。
来るべきもの、それはつまり、英雄戦争である。
イェルマリオは、大災厄の中で秘された魂の中の炎であり、「再点火の力」(Power of Rikindle)を体現する神なのです。
自らの破滅を予期しながら、しかしイェルマリオンはそれに逃げず、立ち向かっていくことでしょう。それが神の体現した神話なのですから。