2009-08-10
【NHK】日本海軍 400時間の証言 第二回〜特攻 やましき沈黙〜
今夜は「特攻」に海軍幹部が如何に関与していたか、というお話。
「特攻」という視聴者受けがするテーマなので、実際は少ない証言を無理やり肉付けして1時間番組に仕立てた印象がありました。
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【追記】
「たのみこむ」にも依頼が出されたようです。
■組織の意思決定における「空気」論には、ちょっとウンザリ気味
昨夜の「なぜ戦争を避けられなかったのか?」という話題でも、「陸軍の満州事変以来の流れが・・」とか「皇族軍人を利用した陰謀とすら言える軍令部強化の流れが・・」「陸軍強硬派によるクーデターの恐れがあり、海軍がこれを先制すべきとする空気が・・・」「対米開戦は不可避という情勢が・・」みたいな、その場を支配する「空気」が海軍の将校たちに決断させたのだ、とする筋書きで番組は作られていたと思います。それは今夜も同じでした。
反省会の参加者の一人、たしか軍令部所属の三代辰吉大佐の証言だったと思いますが、「特攻」が行われるに至った経緯として、「現場からの熱意」とか「情勢」とか言う表現で、やはり「空気」がそうさせたというニュアンスで語っていたと思います。別の参加者も、番組のサブタイトルになっている「やましき沈黙」という表現で、自分自身は間違っていると思っていても言い出せない雰囲気が当時の海軍にはあったという感想も紹介されていました。
このような「空気」論を受けて番組のまとめは、現在の我々も組織を支配する空気に流されることはあるけれど、人命が懸かっているような場合には、流されない勇気を持つことが大切だ。それがこの反省会から私たちが学ぶべきことではないだろうか・・・みたいな内容だったと思います。これを聞いて、一人テレビの前でズコーっとなってしまったわけですw
「場を支配する流れ」とか、『咲-saki-』じゃあるまいし。
■「空気」論は、具体的な反省から逃避する方便では?
あくまで番組で取り上げられた「反省会」の一部分を聞いた限りの印象に過ぎないのだけれど、海軍組織の中枢に近い人間、つまり軍令部に所属する人ほど、「空気」論を語る傾向にあったように感じました。そしてその発言は、不祥事を起こした企業や役所、政治家の会見での答弁を思い起こさせます。
「空気」論というのは、日本の組織にありがちな失敗の原因と言うよりは、失敗の具体的な本質や責任の所在をボヤかすためにありがちな手口に過ぎないのではないでしょうか。「空気」というモザイクの向こうに、旧日本海軍という組織が犯した失敗の具体的な原因や責任の所在の真実があるのだと思うのです。ただし、その真実を立証するための史料は、恐らくは既に処分されていることでしょうけれど。
門外不出を謳った秘密の反省会においてもなお、「空気」論で真実をぼやかし、本当の反省から逃避している人たちがいるところに、旧日本海軍という組織の失敗の本質があるのではないか、というのが自分がこの番組を見て受けた感想です。
そして、「空気」論でまとめるような番組を作ってしまう今のNHKは、ひょっとしたら旧日本海軍と同じような組織的な病に犯されつつあるのかも!?w
明日の第三回は、面白くなりそうなテーマなので気を取り直して見たいとは思います。
【関連記事】
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開戦前、官民軍の30代エリート(戦後の日銀総裁もいる)を集めて設立された
総力戦研究所は、いわば来たるべき戦争をシミュレートする和製ランド研究所だった。
彼らの出した結論は、緒戦は勝ったとしても、物量作戦で必ずまけ、最後はソ連が
参戦してくるという(内容的にも正確性も)驚くべきものだった。
ところが、東條英機はこれを「机上の空論」と一蹴してしまうのだ。
「日露戦争も勝てるとは思わなかったが勝てた。戦とは計画通りにはいかないものだ」
ロジックで出した結論に対し、情緒で異を唱えてしまう典型だろう。
「正社員で雇うべきなのに、そうならないのはおかしい!」といって
派遣切りを拡大させてしまった共産党と本質的には同じである。
東條の情緒を生み出した空気こそ、陸軍と海軍を戦争に引っ張り出したものと同じ
だろう。
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日本海軍 400時間の証言 - Joe's Labo
http://blog.goo.ne.jp/jyoshige/e/7dddb9433a7718c547f045d8c33c144e
ここで語られる「空気」というものも、突き詰めていけば「ロジックで出した結論に対し、情緒で異を唱えてしまう」人間が出世してトップに立ってしまう組織の仕組みに欠陥があった、という事例にすぎない気がするんです。そういう根本的に問題に触れたくないと感じた時、我々日本人は反射的に「空気でした」という表現を使ってしまうのではないでしょうか。ちょうど某キャラが「禁則事項です!」と言うようにw
そう言えば、『空気の研究』って絶賛積読中なんだよなぁ。一神教世界との比較文明論的な話の部分とか回りくどそうな印象が、パラパラっとページをめくった印象であったんですよね。
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