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2010-08-15

『池上彰の戦争を考えるSP』をBGMに『八月十五日の神話 〜終戦記念日のメディア学〜』を読書中

 おなかがもにょもにょするなぁと思いながら観た池上彰プレゼンツ終戦記念日特番

 ちょうど読んでいた"2010年夏My課題図書"の『八月十五日の神話』に「もにょもにょ」の正体が。

「九・ニ敗戦」ではなく「八・一五終戦」が記念日に選ばれたのは、加藤典洋が『敗戦後論』(一九九七)で指摘したように、国民の多くは「敗れた」という声を発すべきところで、「喧嘩はよくない」と声をあげたためだろう。

 一九四五年八月に欠けていたものは何だったろう。そこでは、敗戦の以前と以後を貫いて他の国々との間で続いているゲームにおける「負け点」を引き継がなかった。この時国体の護持などということ以上に大切だったのは、はっきりと相撲をいったん負けきること、この"負け点"の護持、継承だったはずである。

 つまり、日本人戦争に負けたという事実から目を背けたのである。

佐藤卓己『八月十五日の神話 〜終戦記念日メディア学〜』ちくま新書 (544)、p125

八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)

八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)

 まさに『池上彰戦争を考えるSP』は「喧嘩はよくない」に重きを置いた番組で、「なぜ負けたのか」さらに言えば「なぜ負けると分かる戦争をしてしまったのか」という点については、比較的に軽く触れるに留まった印象でした。

 たしかに戦争の悲惨さを訴えることも大切です。しかし、日本の現状も加味すれば、「なぜ負けると分かる戦争をしてしまったのか」という切り口で掘り下げた方が面白い内容になったのではないかと思うのです。「戦争」を別の言葉に置き換えても通じるテーマですし。

 「なぜ負けると分かる戦争をしてしまったのか」という点を反省しない限りは、将来「戦争の悲惨さを頭では分かっているけど再び戦争を選んでしまった日本」になりかねないわけですし。

【追記】関連記事


【関連リンクNHK終戦記念日反省会

  


mametanuki
mametanuki

"準・国営放送"NHKが意外と真面目に反省する番組だった>「公共放送は、時の政府の御用聞き放送ではない」(敗戦ラジオ 放送はどう変わったのか|ETV特集 http://bit.ly/aibBMx)#nhk
(2010/08/15 23:33:18)

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【関連本】

勝間 制約はあっても近代国家だったということですよね。それなのになぜ、敗戦必至の戦争突入したのか、ますます疑問が募ります。

猪瀬 大きな区分で歴史を見ようとすると、そのあたりがわからなくなる。むしろ、ある一点に絞って徹底的に突き詰めて検討することで見えてくることがある。その「一点」がどこにあったのか、本書の場合は、総力戦研究所に絞った。

勝間 驚くべき事実ですよね。総力戦研究所に三十代前半の若手エリートが集められ、アメリカと戦った場合シミュレーションを重ね、そこで出された結論は、実際の太平洋戦争での経過とほとんど同じだったのですから。

猪瀬 総力戦研究所には、霞ヶ関の各省を中心に、丸の内大手町民間企業それから日銀からも一人、新聞記者同盟通信、現在共同通信)も一人、三十人ほどの若手エリートが集められた。彼らは「模擬内閣」をつくる。「閣議」をやる。データ自分の役所や会社から集めた。三十代前半ぐらいというのは仕事も覚え応用できるし、頭も柔らかい。その「模擬内閣」が行ったシミュレーションですから、かなり正確でした。

勝間 問題は、模擬内閣が出した結論が、当時の近衛文麿内閣に報告されていたにもかかわらず、実際の政策決定に影響を及ぼさなかったことですね。

猪瀬 勝間さんも、いろいろな審議会の委員を歴任されているけれど、苦労して報告を出しても、必ずしも取り上げてもらえるわけじゃないでしょう(笑)。近衛内閣陸軍大臣だった東條英機は、模擬内閣の「閣議」にたびたび顔を出していますから、関心は寄せていたはずです。ただ、その報告をもとに誰が意思決定を下すか、なんですね。

勝間 そこが大きなポイントですよね。

猪瀬 当時の最高意思決定機関は、天皇の御前に政府軍部の代表を集めて開かれる大本営政府連絡会議です。自民党政権時代の経済財政諮問会議みたいなものですね。ただ、議事録を読むと、どうも議論が同じところをグルグル回っているだけで…。

勝間 なぜ、実りのある会議ができなかったのでしょうか。

猪瀬 決断力が無い、といえばそれまでですが、誰も責任を取ると言わないからです。会議の主人公はみな五十代、六十代で、組織代弁者ですからしがらみがあって、ほんとうのことがわかっていても向き合わない。「模擬内閣」は、しがらみがないのでシミュレーションは正確です。

猪瀬直樹「巻末特別対談 日米開戦に見る日本人の「決める力」(VS勝間和代)」『昭和16年夏の敗戦』、pp271−272

昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)

昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)

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