雨宮まみの「弟よ!」

2007-09-04 エヴァ観てきました

★季節の変化についていけず、頭がくらくらして長い文章が書けないのでまた近況箇条書きを。


・「Numero」の最新号の米原康正の連載に「街からゴスロリ少女が姿を消していったのはなぜか?」という考察が書かれていてむちゃくちゃ面白い。ファッション誌だから注目している人は少ないかもしれないけど、この連載最高に面白いです。特に「ゴスロリ少女が『小悪魔ageha』に移動していった」という話、男がヴィジュアル系→ホストに移行していったのに対応して、女もゴスロリキャバ嬢ファッションに移行していったという考察は目が覚める思いでした。

・その『小悪魔ageha』の表紙キャッチが「生まれつきエビちゃんじゃなくたって 私たちは努力とともに生きていくんだ」みたいなやつ(うろ覚え)で引いた。私はわりとファッションで自分を変えるとか、モトのありものの素材をうまいことファッションで料理してかわいく見せるみたいなの好きなんですけど、これはなんかイヤだったな〜。ファッションて根性じゃないと思うよ。スポ根だよね、そのキャッチ。私が好きなのは「努力」じゃなくて「知恵」ですね。

・「エヴァ」新作観てきました。(※内容に関する記述が含まれますのでご注意)

・「今さらなんでエヴァなのよ」「もういいよ〜」「見る気も起きね〜」などと暴言をかましていたくせに直前になったらやっぱりものすごく観たくなって初日に行く私(席は事前にネットで予約済み)。もう私の言うことは金輪際信用しないでください!

・感想としては「12年前に得られなかったカタルシスが今やっと来た!」という感じです。

・物語がものすごくわかりやすくなっていて、いろいろすっかり忘れていたことも手伝ってかなり楽しめました。

・描き直されてるカット(特に景色)の部分が異様にカッコいい。

・ミサトの風呂場に干してある下着が、テレビ版:綿パンなどのダサ下着→新劇場版:赤や紺などのレース付きの妙齢女性の下着へと変更されていた! 監督、結婚を経ての変化か……? 妙齢の女はあんな『Cream』みたいな綿パンはかないよね。しかもキャラクターの絵が入っていたような……。あんなのはいてたら加持とセックスできないだろ! 相手は女たらしだぞ! 今で言う「ちょいワル」だぞ! Tバックとか必須だろ!

・ミサトとリツコがバーで語り合うシーンがあり「今の男は総じて自分にしか興味がないのよ」「我々女にはつらい時代になったわね」みたいな会話があった。庵野、言うね〜! 私がミサトにいま一番感情移入しているのは、年齢のせいだけではなく、とくに今回ミサトというキャラクターがすごくいきいきと描かれているせいもあるかもしれないと思った。現代とか、周りとか、自分の中にある消化できていないものとかと、きつい戦いをやっていく人という感じで描かれている。観た人の多くの人がミサトに共感するのではないか。昔は綾波にはかなわないという劣等感のようなものを感じていたけど、今は感じない。ストーリーの主軸は変えてないのに、ちゃんと「現代」になっているのがすごい。テレビシリーズは見直すと古く感じるのに、劇場版はそういう風には感じなかった。

 こういうセリフひとつ取っても、庵野さんという人は、アニメを現実に対して影響するもの、現実と拮抗するもの、ほとんど現実と変わらないものとして作れる人なのだと思う。現在を、現在の人の心の抱えている問題を描き出すという点では、ある種のドキュメンタリーを観ている感覚に近い。前のエヴァは現実に対して凶暴なまでに噛み付いてきた作品だったと思うが、今回は少し違う感触。細部ではなく、設定やなんかの新しさではなく、ストーリーの骨格とそこに描かれるキャラクターの成長を主軸にしっかり見せようという感じがする。「壊れてる」のがお家芸のようになっていたエヴァテレビシリーズ&旧劇場版とは、そりゃまぁ全然違う。

エヴァの蛍光部分の光り具合がぴかっとなっててカッコいい。

エヴァとは関係ないけど、最近「ONE PIECE」のチョッパーを見ると「チャッピー」と間違えて呼んでしまう。

・チャッピーのほうがかわいいと思う。あのかわいさは「チャッピー」だよ!

岡田斗司夫の「いつまでもデブと思うなよ」(新潮新書)を買った。

・どんだけ流行の波に流されっぱなしで人生送ってんだとふと思う30歳の秋。

・私は岡田斗司夫が「痩せてキャラが変わった」ということに興味があったのだけど、その現実での「キャラ論」のようなものが出てきて面白かった。岡田斗司夫の立ち位置がルックスの変化によってどう変わったか? ということを東浩紀氏や伊藤剛氏にキャラ論で語ってほしいなと思っていたけれど、お二人の手を煩わすまでもなく岡田さんが自分で書いていた。

・岡田さんは、「デブの頃は知性に説得力がなかった」(デブキャラに知的なイメージがないため)と言い、痩せてから仕事が増えたと言っているけれど、私はそれは「知性がある/ない」の印象ではなく、「岡田=オタク評論」という印象、および「オタク=デブ」という世間で思われている印象からの脱却ではないかと思う(ものすごい偏見ですけどね。わかりやすく記号化されると「オタク引きこもり」とか「オタク=デブ」とか、そんな感じに思われているんじゃないか)。もう「オタク評論」が専門とは言いにくい仕事ぶりなのではないかと思うし、そうなると「太っている、世間的に見てオタクっぽい外見」は、岡田さんにとってマイナスにしかならなくなり、書くものの変化、内面の変化に合わせて外見を変えた、キャラの転換を計ってそれが成功した、のではないかと思う。オタク評論をやる分には、太っていることは何のマイナスイメージにもならないと思うし(個人的には、それで説得力が減るとはまったく思わない)、むしろ問題は「オタク評論から少し違うところに向かい始めたとき」の説得力ではないかと思う。

・読み終わってすぐに岡田さんオススメの豆乳野菜ジュースを買いに行った。どこまで流行に流されれば気が済むのか。

・「801ちゃん」のマンガがなぜムカつくのか、その理由を考え中。

・たぶん、「かわいくて彼氏もいるくせに中途半端にマイナーな趣味があるってだけでそれをネタにすんなよ!」みたいな気持ち。自分が男と口きけなくてやおいに走ったときの屈折やルサンチマンが原因だと思う。当時私はものすごくアレな外見でしたし……。

・っていうか、もうボーイズラブはマイナーな趣味ではないのかもしれない。

・どっかで801ちゃんのことを「ずるい」と感じている。

・セックスしまくっているのにもかかわらず「江古田ちゃん」にはムカつきを感じない。

・「江古田ちゃん」最大の発明は「猛禽」という言葉を生み出したことだと思う。

・「ものすごいサクセスストーリー」か、「自虐的な負け犬語り」か、そのどちらかしか楽しめないのかもしれない。前者・叶恭子(男で言うなら島耕作……?)後者・なんか今すぐ思いつかないな〜。私がもう自虐芸の半端なやつには飽きてきている。クセでつい書いちゃうけど。恵まれている人間の書く自虐ネタほど嫌なものはなくて、立ち位置を間違えると本当に面白くなくなる。

 たぶん、私の世代の私のような人間は「やおい好き」(今で言う腐女子)という言葉に「モテの世界ではマイナス」な要素をふんだんに感じとってしまうけれど、「腐女子」という言葉をもっとフラットにとらえられる世代の人は、「801ちゃん」を読んでもムカつかず、素直にほほえましい話と思うのかもしれない。かわいいマンガではあることだし。「モテの世界ではマイナス」と捉えているから、それなのに普通に彼氏とかいて仲良しの801ちゃんがムカつくのだと思う。受けるべき罰を受けずに楽しみだけを享受しているかのように感じる(すごい言い方だ! 罰って!)のだろう。自分が感じていた苦しみは、決して自分が「やおい好きだから」感じた苦しみではなく、単に「処女をこじらせた」「見た目コンプレックスをこじらせた」だけだったのに。それを「やおい好き」「オタク」という、当時の自分の属性のせいにしていたのだと思う。受けるべき罰なんて、ないですよ。ばかみたい。でも、頭でここまでわかっていても、801ちゃんを読む気には、やはりなれない。

endo_yusaendo_yusa 2007/09/04 04:51 私は「801ちゃん」て読んでないんですけども、一般的に腐女子と呼ばれる人には好感持ってます。なんかロマンチストで可愛いと思う。「そんなもんじゃないよ!」って言われそうですけども(笑)。
あと、痩せた岡田斗志夫を見てると、やっぱりある程度の年齢になると太ってたほうが若く見えるなーと。デブマンセー!!(と、最近むくむく増量中の自分をさりげなく弁護)

border68border68 2007/09/04 05:13 「自分にしか興味がない男」って言い方(よくわかるけど)が、「今」の時代特有のものと感じられるのはなぜなんでしょうね。。。女にとってそれはつまらないとか不満だとかより「つらい」という感じなんでしょうか。このあたり「妙齢の女性」に伺ってみたいなと思いました。

suzu666suzu666 2007/09/04 11:51 初めてのコメント失礼します。「801ちゃん」自体は、彼氏側から綴ったノロケなわけじゃないですか。801ちゃん本人が書いているわけでもないし、あれは腐女子が読むもの…というよりかは「そういうカップルに興味がある人」が読むものでいいと思います。
まぁ、わたしも筋金入りの腐女子ですが、読みたくないものは読まなくていいと思いますヨ。でも、「腐女子なのに彼氏がいてムカつく」っていうのは心外です。なんか勘違いしてる本とか出ていますけど、「モテ」と「腐女子」は別問題だと思っています。彼氏がいる人は、それなりの努力とか知恵とかを駆使してその幸せをつかんでいるのだし、外野が避難するのはお門違いだと思うのです。

peperon227peperon227 2007/09/04 12:07 初めまして。いつも楽しく読ませてもらっています。「猛禽」についてのくだりがツボでした。私もあれはスゴイ発明だと思います

kaznekokazneko 2007/09/04 12:46 これは単純に、今の雨宮さんの状況とか性格(ネガティブコリドーつーかなんつうか)のせいで801ちゃんを直視できないだけなんじゃないかと思うのです。
別に雨宮さんを擁護する訳ではありませんが、外野はいつでも騒いでますから、まぁいいのでは。あ、あまり関係ないけど雨宮さんもぐずっと来てるときだと、批評が多くなりますねぇ。ネガティヴコリドーにはまりすぎちゃ駄目ですよ〜(ってはまってないか)。
過去の自分の日記を読んでいてもその日のテンションが思い出せます。

mamiamamiyamamiamamiya 2007/09/04 14:24 まとめてレスしますね。
私は801ちゃんを「腐女子が読むもの」とは思ってないですし、そう書いていませんよね。「腐女子に彼氏がいてムカつく」とも思ってません。モテと腐女子の問題も同じとは思ってないです。
自分が「801ちゃん」を読んでなぜイラッと来るのか? という感情を分析したら、過去に自分が「やおい好きでモテなかった」から、それを妬んでいるという感情が出てきたというだけの話です。非難はしてません。むしろ自分のイラッと来る感覚が古いのだな〜と思います。多くの人はあのマンガを楽しんで読んでいるのでしょうし。
「オタク、及び腐女子は恋愛と無縁」というのは過去の、しかも私だけの思い込みであって、それに自分がとらわれている、という話ですので、腐女子に彼氏がいるからムカつくとは思ってないですよ。あとはやっぱ「ノロケじゃん!」という部分がイヤなんでしょうね……。

>遠藤さん
私は自分がやおい好きだった頃は、もうモロに現実の「女としての自分」や「男女のおつきあい」(本当はしてみたいくせに、怖くてたまらない)からの逃避だったので、その頃の自分はイヤですね。本当に純粋に好きだった部分だけが今は残っている感じで、おそらく今は逃避じゃなく普通にBL好きな人いっぱいいると思う。健全になったと思う一方、過去の私のような人間は今どこに逃避しているのか? とも思ったり。
痩せると貫禄なくなるとか、失うものもあるよね。個人的には二の腕のむちむちはアリだと思いますが、男ってテレビで芸能人見てても「うわっ! 腕太っ!」とか平気で言いますからね……。我々女にはつらい時代になったものね〜。

>border68さま
「自分にしか興味のない男」とつきあったら、そりゃつらいですよ。相手は自分のことにしか興味ないわけですから、恋愛じゃなくて片思いに近い。
昔は「女とはセックスしたくて当たり前、彼女欲しくて当たり前、それが普通」って感覚があったような気がしますけど、今はあんまりないんじゃないですかね。そういうのに飽きちゃってめんどくさいって人も多いし、セックスは好きだけど女は好きじゃない人も多いような。
私の「つらい」は、今のこの空気がつらいわけではなく、個人的にそういう経験があって、観ていると「そうそう!」ってそのことを思い出して「つらい」という感じでした。リツコやミサトの会話の感じもそれに近いニュアンスというか、「だから女がチヤホヤされなくなってつまんないわね〜」的な感じではなく、身近な、自分が真剣に心配したり、好きだったり(恋愛の意味だけではなく)する相手が「自分にしか興味がなくてこっちを見てくれない」のが「つらいわね」という感じだった気がします。

kaznekokazneko 2007/09/04 14:36 やっぱりネガティブコリドーだった訳でしたね(ん?トラウマか?)。
エヴァを見に行く友人が捕まらないなー。週末かな。
帰省してたときはやたら暇だって言う電話をかけてきたのに、タイミングは、いい感じにずれますねー

border68border68 2007/09/04 14:56 突然のぶしつけな質問にレスありがとうございました。男は男で「自分にしか興味がない女」のことを酒の肴にしてしまうことがあるんですが。。。どっちかというと男(私は昭和男子)はそういう女を甘んじて受け入れちゃっているのかなという気がしました。ともあれエヴァ楽しみに見に行きたいと思っております。

mamiamamiyamamiamamiya 2007/09/04 23:19 >kaznekoさま
イラッと来る感じや引っかかる感じは、解いていけば自分の中に理由があることで、それを解く作業は非常に面白く、それゆえ私の中では「イヤだな」と感じることそれ自体がネガティブなことではありません。そこにヒントがあるわけですから。
だから、直視できないわけでも、なんでもないです。「好き」という感情の中に何があるのか探ることと、「イヤだな」という感情の中に何があるのか探ることの二つに、差はほとんどありません。
そこで見つかったものが何であれ、「わかった」という状態は「わからない」よりいいわけで、何らネガティブな感情はないですよ。

>border68さま
ははは……耳が痛い……。
そういえば私もよく自分のことでいっぱいいっぱいになってます……。

kaznekokazneko 2007/09/05 01:10 ごめんなさい。僕はネガティヴという言葉を使いすぎですねぇ。

それはそうと、僕は不躾ながらもborder68様と一緒にエヴァを見に行けばいいんじゃないかと思ってきた訳ですが。

SMZSMZ 2007/09/05 06:36 岡田氏はオサレに目覚めたそうですけど、写真拝見するかぎり「普通の服を着れた=オサレ」って思ってるような。スーツとシャツ全てに皺が寄ってて、げんなりします。(カール)ラガーフェルドみたいになれとは言いませんけど、ヘアサロン通ったりカラー診断受けるより、まずはリアルクローズ読みなさいよ、と誰か言ってあげればいいのに。
「巨体に説得力無し」も言い訳ですね。伊集院光氏を子供時代から存じておりますが、
周囲への吸引力や人気は相当なものでしたから。
整形やダイエットだけで全てが良好になるのなら、こんな幸せなことないですけどね。

suzu666suzu666 2007/09/05 11:41 >雨宮さま
不躾なコメントにレス有難う御座います。
頂いたレスを読んで、雨宮さんの言いたいことを履き違えた受け取り方をしていたなぁと思いました。気分を害されたと思います。すみません。

翌朝、自分のコメントを読んだらあまりにも攻撃的で引きました。
わたしが「モヤモヤ」しているものをうまく紐解けないので、雨宮さんが羨ましいのかもしれないです。

mamiamamiyamamiamamiya 2007/09/17 07:17 わー、超長期間コメント放置プレイにしてて申し訳ないです……。

>kaznekoさま
いいえー、気にしないでください。私もネガティブという言葉に過剰に反応するきらいがありますので。

>SMZさま
どなたかがブログで岡田氏のことを「しなびたほおずき」と書かれていたのに笑ってしまいました。
「デブだと知的に見られない」という文章を読んで、私も伊集院光氏を思い出しましたよー。彼は知的に見えますしね。まぁ、ご本人が痩せてハッピーなら何にも言うことないですが(さりげなく悪口言ってるけど……)。
ラガーフェルドの狂気と紙一重の激ヤセぶりは私も大好きです。クロムハーツのカタログの表紙になっている、顔だけデカくて、首までびっちり釦をとめた超細身のスーツ姿がたまらなくて、部屋にいつも置いてますよ。ラガーフェルドのデザインや生き方の派手さ、派手であるがゆえに「シックじゃない」「野暮ったい」と言われかねないところ、どちらも大好きです。

>suzu666さま
見にきて下さって嬉しいです。私は気分を害していませんので、どうぞお気になさらずに。コメント放置してしまって、ずっと棘が刺さったような気分でお過ごしになっていたら申し訳ないです……。
引っかかる「一語」だけが頭に残って文章が読めなくなる、というのは、誰に限らずよくあることだと思いますので(ネット上では特によく見られますね。suzuさんほど上品なもの言いでないものの方が多いですが)本当に気にしないでください!