やることも一つの選択、やらないことも一つの選択

朝から NTCIR という情報検索系の国際ワークショップに参加。本当は水曜日から参加したかったのだが (NAIST から shuhei-k くんが機械翻訳のコンテストに参加していて、ポスター発表があった)、今期は月曜日から水曜日が絶望的に忙しいので、断念したのである。ちなみに確か NAIST では修士の学生が国際会議で発表するときは誰かスタッフの引率が必要だったと聞いたことがあるのだが、最近は全然関係なく1人で行ったり ([twitter:@syou6162] さんとかね) しているようである。(そもそも shuhei-k くんは D1 だし、国際会議だとはいえ東京開催なので、ほぼ国内の会議だけど……)

聞きたかったのは RITE というテキストの含意関係の自動認識に関する評価タスクで、最終的には ロボットは東大に入れるか (人工頭脳プロジェクト) につながる基礎研究である (もっとも、テキスト含意関係の認識自体は自然言語処理の応用タスクなので、なにが基礎でなにが応用であるかは相対的ではあるが)。

ポスターで [twitter:@yotarow] くんや [twitter:@kanayama_h] さんから作ったシステムのお話を聞いたり。特に 大学入試サブタスクセンター試験の社会科 (世界史、日本史、政治経済、現代社会) から作成した問題を解くというタスクで、かなり難易度が高かったようである。「16世紀」が「1501年から1600年」のような範囲を指す、というようなヒューリスティクを入れるのが意外と効いて、いろいろ木カーネルをがんばってみたりしたのはほとんど効果がなかったとか、聞いたら「あ〜、あるある」というような感じの展開。数字が出るタスクだとやっぱり数字で勝たないと全然説得力がないのだが、数字が高いことが本質的に問題が解けたことと関係がない場合があり、なんかもやもやとした感じが残るのである。

午後もトークを聞いてみたが、やっぱりこういうのってタスクを設計している人はすごいけど、参加するだけの人はそれなりに真剣にやらないと、エネルギーを使った割にあまりあとに残らないような気がする。年間で研究に使える時間も限られているし、こういうのに出てわいわいやるのも一興、自分の本筋の研究に打ち込むのも一案、なにをやるかよりなにをやらないか、だなぁ、と思う。同じせりふは学生にもよく言っているのだが、特に好奇心旺盛な人はおもしろそうに見えるものはたくさんあり、どれをやっても楽しめるのだろうが、そういう場合、どれをやるかよりどれをやらないか決めることのほうが重要だったりするのである。(学生のうちは特に、優秀な人ほど周囲から誘ってもらうことが多いと思うので、取捨選択して断ることも時には必要だと思う)

夜はいつも通り (?) 根津の「ひより」へ。月に1.5回くらい通っているせいか、最近は顔を覚えてくださっている。土日は数量限定でランチをやってらっしゃるようなのだが、来年引っ越す前に一度ランチを食べに来てみたい。土日をまたぐような形で東京に来ること、もうないかもしれないが……。