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武蔵野日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-12-05

〆切の1月前に結果出す

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午前4時半から NAACL の原稿チェック。本数が多いせいか、授業と同時並行だからか、とにかく時間がない。いつも国際会議の投稿シーズンは2-3月で授業や勉強会がないので、原稿を見るのは割と楽なのだが、これはなかなか時間のやりくりが大変である。日記の更新も2ヶ月くらい滞っているのだが、ウェブ日記をつけ始めて2ヶ月のビハインドがあるのは初めてではなかろうか。

午前中、出勤してからも NAACL の原稿チェック、そしてオフィスアワー。成果がなかなか出ていない研究テーマもあり、かなり真実に近いところを攻めているという感触があるのだが、あと一歩及んでいない。これまでの経験上、こういうときは、数年後に別のグループが自分たちのやりたかったことをなんとか解決して、ACL や EMNLP にフルペーパーを通している、というパターンがほとんどなので、あと一踏ん張りしてなんとか我々で解決したいのだが、どうも修士論文の〆切的に(GPU の使用時間的に?)時間切れになりそう。

お昼からは論文紹介。

  • Surafel M. Lakew, Aliia Erofeeva, Marcello Federico. Neural Machine Translation into Language Varieties. WMT 2018.

これは方言のニューラル機械翻訳をする、という話で、実験結果等は「ふーん(これらの言語、似ていると思うのだけど違うのかな?)」という感じだが、こういう切り口でフルペーパーが書ける(書かれた論文がリファー可能な形で公開される)というのはよいことなので、興味深かった。深層学習の手法は本質的にはほとんどの研究で差はないので、新しいタスクだとか、この手法ではこれまでできなかったことが少しできるようになっただとか、あるいは言語的な考察があるとか、そういうのが分野としての蓄積につながるのだと思う。(流行っている手法を適用しただけに見える研究でも、いろんな設定で先行研究の追試をしていると思えば、似た設定で有効性が示せるのは全く意味がないという訳ではないが)

午後は研究会(全体ゼミ)で言語処理学会年次大会の目次発表。11月28日の研究会から目次発表がスタートしているが、うちの研究室で初めて原稿を書く人に関しては、11月末〜12月上旬のこの時期に研究会で目次発表(タイトル、共著者、全体の構成、主要な貢献、先行研究リスト、手法の概要、実験計画が盛り込まれた文書のチェック)をすることにしている。ちなみに、クリスマスあたりに原稿の初稿(投稿規定は4ページなので、少なくとも内容は全部揃って4ページ全体が埋まって、5〜6ページになっている状態の原稿)を提出してもらうことになっている。

投稿〆切は例年1月中旬なのだが、初めて原稿を書く人の場合は実験にかける時間と原稿にかける時間を別々に見積もる必要があり、11月末の段階でベースライン相当の手法の実験結果がない場合は、少なくともうちの研究室で言語処理学会年次大会に出すのは難しい。既に一度一緒に論文を書いている場合は、原稿の細部にわたって添削する必要がないので、ギリギリまで粘って書いてもらってもいいのだけど。以前は研究室内の原稿〆切を守ってくれない人にも付き合って、原稿が出たら(クオリティが高くない、つまり時間をかけないといけないので)〆切を守ってくれている人の原稿より先に見ていたのだが、数年前からは同じ投稿先の原稿は基本的に到着順に見て、かつ〆切を超過する人は投稿を見送ってもらう可能性を事前に予告するようにしているので、少し楽になった。

誤解のないように補足すると、投稿を見送る、というのは、投稿してはいけない、という意味ではなく、同時期に同じ場所に多数の原稿を投稿する場合、教員が原稿の添削にかけられる時間は上限があり、別の時期の別の投稿先に回ってくれれば、教員の原稿添削にかかる時間を分散させることができるので、他の人に譲ってもらうことになる、という意味である。この条件が当てはまるのは基本的には初めて原稿を投稿する人だけだが、初めて原稿を投稿する人だけで別の学会に参加してもらうのは気が引けるので、連動して他の人にも他学会に回ることをお願いする場合はあった。

どうも今回はうちの研究室から言語処理学会年次大会に最大で16本の投稿をする可能性がありそうで、学生数が28人いるから約半数が投稿したらそうなるという理屈は分かるのだが、さすがにそんなにたくさん同時に見るのは教員1人でやるのはほとんど不可能で、メンターの学生(新入生の面倒を見てくれる大学院生)にかなりお願いすることになっていて、メンターをしてくれる学生にも、このシステムに協力してくれる学生にも、研究室の学生には感謝の念が絶えない。そもそもこのやり方でやることに同意してくれない場合は、うちの研究室の運営がかなり厳しいので……。原稿を見るのは本来教員の仕事では、という意見もあるだろうし、教授以外に助教がいたりするような場合ではそうできるのだろうけど、うちは RA/TA または臨時職員として大学院生を雇用することで対応しているのである(他人に教えると大いに自分の勉強になる、という教育的効果も期待している)。