Hatena::ブログ(Diary)

超コンビニ店員

2011-04-29

コンビニのあるライフスタイル

コンビニは悪の代名詞とされることが多い。

大量の廃棄、24時間営業による電気の無駄遣い。一言でいえば、コンビニへの批判は「もったいない」に集中する。

逆にコンビニのメリットはどうか。「便利」ということだ。では、便利とは何か。


セブンイレブンの当初めざした店舗の姿は、「街の冷蔵庫」になることだった。何でも欲しいものが、いつでも手軽に買える便利な店。まさにコンビニエンスストアの存在理由がここにある。

コンビニ店長の仕事』(ぱる出版・宗重博之)

コンビニの便利さは大きな冷蔵庫が、自宅から歩いてすぐのところにあるということだ。

そうだとすれば、この先にあるライフスタイルは冷蔵庫のない家庭。冷蔵庫というのは保冷を目的とする。突き詰めれば、冷蔵庫は在庫置き場なのだ。

ということは、冷蔵庫のない生活というのは、在庫を必要としない生活のことだ。

必要なものを必要なだけ持っておく。「万が一」必要なものは一切持たない。その「万が一」がきたら、コンビニに行けばいい。

これがコンビニのある街の進化したライフスタイルだ。

だから、電池をまとめて買う必要はない。使うときに、使うだけ買えばいい。すぐそこのコンビニに売っているものは家にある必要がない。

はさみを年に一度しか使わないのなら、家にはさみがある必要はない。

コンビニで売られているということは、それは持っていなくてもいいということ。これがコンビニのある地域のライフスタイルだ。

田舎の家は大きい。大きな家に、必要なものが全部そろっている。

一方で、都会の家は小さいが、都会にはコンビニがある。もちろん田舎にもコンビニはあるが、すぐ近くにコンビニがあるのと、コンビニまで車で行かなければいけないのでは大違いだ。

そこが都会といえるためには、コンビニに行くのにサンダルでいくか靴を履くかで迷うレベルで近くないとだめだ。


そして、都会に住んでいるほとんどの人が、コンビニをまだまだ利用できていない。

コンビニに売っているものは捨ててしまって、モノを持たないライフスタイルこそ都会的なのだ。


昨今では、『断・捨・離』のブームがあったりして、シンプルライフが流行っている。

最小限のモノしか持たないシンプルなライフスタイルこそ、コンビニが私たちに提供してくれているものではないか。

今こそコンビニの時代がきたというべきだ。

コンビニは、会社帰りに暇を潰すために寄る場所ではないのです。

がんばれ、コンビニ!!



(しかし、考えれば考えるほどコンビニというのは時代の先を行きまくってるモデルだなあ、そんなすごいものに携われるなんて実に幸運ではありませんか!!)

2011-04-08

袋詰めはお客さんしか教えてくれない

コンビニはスーパーと違って、店員が袋づめをします。

袋詰めは研修で教わることはありません。

ケースバイケースなので、その場その場で対応していくしかありません。

基本的にはお客様の立場に立って、どういう風に詰められたら嫌なのか、持ち帰りやすいのか、嬉しいのかを考えます。

しかし、それだけではなかなかわからないのです。

袋詰めの問題は3つあります。

ひとつは、どの袋を選ぶか。

ふたつめは、どういう配置にするか。

みっつめは、袋をいくつ使うのか。


難しいのは、二つめと三つめです。

例えば、飲み物を横にするのは一般によくないとされますが、縦に入れたところで結局、お客様が持つ時に飲み物が倒れる他ないような場合があります。

そんなときは最初から横にしておいたほうが親切というものでしょう。

一度、飲み物を横にするなと言われたからと言って、強引に立ててお客さんに渡しているのでは、責任をお客さんに投げてしまってるだけなのです。

大切なのは袋を渡した時の状態ではなく、お客さんが持ったときの状態なのです。


私がコンビニで一番苦労したのは袋詰めです。

スーパーでよく買い物をする方なら慣れているかもしれませんが、私はスーパーで買い物をした経験が片手で数えるほどなのです。その中で、自分が袋づめをした経験は、なんと一度もないのです。

ですから、私が一番クレームを受けたのは、袋詰めです。

「すみません、こっちを上にしてもらえますか?」

と言われてはじめて、今の入れ方はよくなかったんだなと学習するわけです。

お客さんの中にはひどい言い方をする人もいます。

ですが、ここで面倒な客に当たったなとさっさと忘れてはいけないのです。

袋詰めに関してだけは、常にお客さんから教えて頂く姿勢を忘れないようにすることです。

お客さんは、誰もが思ったことを口に出すわけではありません。

もし袋詰めに自信がなかったら、会計の後にお客さんをよく見るのです。

そのときに、お客さんがご自身で袋の配置を直していたり、少し嫌そうな顔をしていたら、それはダメだったということです。

大事なのは、ダメだったときにすぐに考えることです。

袋詰めといっても適当にやっているわけではありませんから、常に自分がベストと思われる位置で入れているわけです。

それでもなお、お客さんに不満があるのなら、意識の問題だけではありません。

そのすぐ後に、お客さんが買った商品を思い出して、どう詰めるべきだったのか模索したないことには、同じ商品の組み合わせがきたときに、やはり同じ袋づめをしてしまいます。

袋詰めひとつでも試行錯誤があるのです。


#お客さんが帰ったら、もう一度同じ組み合わせで袋づめをしてみよう

2011-03-27

はじめてのアルバイト05

色々な意味でひどい職場で、法律をまったく無視した待遇でしたが休憩時間はきちんと取らせて頂きました。

ただ休憩室というのはなく、外の非常階段のような場所に灰皿がひとつあり、そこで勝手に休んでいろというものでした。

鞄はロッカーにあるので荷物は何も持ちこめません。ですから私は休憩時間はただ無為に空を眺めているだけでした。非常階段は裏口に繋がっていて、街行く人から見られる場所でもあります。人が通るたびに私はなんだかとても惨めな気分になったものです。

また、休憩時間は一人であることはあまりなく、もう一人か二人いるような感じでした。狭い非常階段でしたから、休憩中に人がいると、どうしても会話しなくてはなりません。

さっき怒られたばかりの人と二人きりで休憩をするというのはなんとも気まずいものです。怒られていなくても、休憩後に怒られる可能性もあります。せっかく休憩時間に楽しくお喋りをしたのに、その当の本人に怒られるというのはなんだか余計に落ち込むので、どちらにしても一人じゃない休憩というのはとても嫌でした。

たまに河村隆一と一緒に休憩をとることがありました。彼は休憩中も嫌な男でしたが、私は彼との休憩は決して嫌ではありませんでした。彼は私をあまり人間扱いせず、もっぱら上から目線でしたので、比較的会話も楽だったように思われます。「お前は本当に何もできないな」と言われても「どうしたらいいでしょうか。私の何がだめでしょうか」と尋ねればいいのですから、楽なものです。それに河村隆一はなぜか合コンの話ばかりをしていましたから対応が大変楽なものでした。

「合コンしたいなあ」

「よく、(合コンを)されるのですか?」

「誰も誘ってくれないんだ」

「ははは、そうなんですか」

「お前、友達とかいないの?」

「あんまりいません」

「ふーん、使えねえなあ」

こんな感じの会話でした。

それから、休憩時間には賄い(まかない)というものがでます。賄いというのは従業員用の食事の事です。ラーメン屋でアルバイトをしていればラーメンを無料あるいは通常よりも廉価でラーメンを食べることができると思うのですが、こういうのを賄いというようです。

私は最初は賄いという言葉の意味がわからず、「お前、賄いはいるか?」と言われても不思議そうな顔でぽかんとしていたような気がします。「いらないなら作らないぞ」と言うので、なんとなく空気を読んで「く、ください!」と言って、後でこれは食事のことかと学んだものです。

賄いは無料というわけではなく、1日300円食費として給料から引かれていました。ただ、賄いは出ないこともあり、出なかった日も引かれていたのかどうかは今となってはわかりません。

フランス料理屋なのですから、当然賄いはフランス料理を期待します。ところが、賄いはうどんかおにぎりでした。入ったばかりの頃、うどんを見た時に「これは何に使うのだろう」と不思議に思ったのですが、まさか私の食事のためにあるとは夢にも思いませんでした。こんなもので300円もとられたのでは溜まったものではありません。おまけに私は皿洗いの仕事が全然終わっていないことが多かったので、私は賄いを皿を洗いながら食べなければいけないのです。

「ほら、これお前の飯」と洗い場におにぎりを10個も置かれるのです。それぞれ味が違うらしく、「好きなのを食べていいぞ」と言われました。私はひと段落したら食べようと思っていたので、皿を洗っていたら、河村隆一がやって来て、「こんなものをいつまで置いている? 食べ終わったら片付けろ、邪魔だ」と言って、私が食べようと思ってとっておいたおにぎりをゴミ箱に捨ててしまったのです。私はこのとき、賄いというのはゆっくり食べるのではなく仕事をしながら食べるものだったのかと思ったものです。一体どこの世界に皿を洗いながら食事をする人がいるというのでしょうか! カルチャーショックです。

それから食に関してもうひとつ驚いたことがあります。

お客様の料理が終わると、ウェイターが皿を下げます。もちろん完食する人もいれば、残す人もいます。

この残した皿をウェイターが食べてしまうのです。親切に私の分を残しておいてくれる人もいました。

「お前も食え。フランス料理なんかなかなか食べられないぞ」

こう言われては食べるほかありません。新人の皿洗いが偉そうに「他人が口をつけたものを私は食べたくありません」と言うわけにはいきません。仕方ないので、端のほうを少し頂くことにしました。味はよく覚えていません。きっと、食事というのは落ち着いて食べないことには味を感じないものなのです。


仕事が終わると、私はボロ雑巾のように疲れ果てていました。近くにカフェがあったので、そこで菓子パンと紅茶を飲んで帰るのが習慣になっていました。仕事が終わる時間はいつも遅いので、1時間もしないうちにそのカフェは営業時間が終わってしまいます。私はゆっくりすることもできず店を追い出され、家に帰って風呂に入りすぐに寝てまた翌朝の出勤に備えるという生活でした。

私のシフトに休日はありませんでしたから、来る日も来る日も仕事でした。毎日「今日こそ辞めよう」と思いながら出勤していました。仕事が終わった後も、電話を見つめて「辞めるって電話しよう」と思いながら結局電話せず、また出勤するという日々が続きました。


to be continued...

はじめてのアルバイト04

一度皿洗いのポジションに定着してしまうと復帰は難しく、それからは朝オープンの準備をしたらすぐに私は持ち場(皿洗い)につき、それから仕事が終わるまでずっと皿を洗っているのでした。

それだけ皿を洗っていれば、さぞかしうまくなったのだろうと思われるかもしれませんが、それが全然そうではないのです。

私は皿洗いでもひたすら怒られてばかりで何度も洗い直しをさせられたものです。

皿洗いといっても、手洗いをするのではなく洗浄機を使います。テキパキと洗浄機にかけていくことが皿洗いには求められる能力なのです。

洗浄機をかけ終わったらナプキンで皿を拭きます。すぐにナプキンで水分を拭きとらないと水垢がついてしまうので洗浄が終わったらすぐに拭くというのが決まりでした。

ところが、洗浄しおわった皿というのはものすごく熱いのです。とても手で持てるような温度ではありません。ですから私は少し放っておいて冷ましてから皿を拭いていました。ところが、これがどうも分かる人には分かるらしく、「水垢が残ってる。全部やり直し」と何度もやり直しを命じられたものです。

あるとき、河村隆一が私の洗い終わった皿を人差し指スーっとなぞり、「これで洗ったつもりか?」と仰られたことがあります。私はこんなことを本当にする人がいるのかと目を丸くしたものです。

河村隆一はいわゆる「嫌な奴」でアルバイトのほとんどが彼を嫌っていましたが、私は彼のあからさまな嫌味が結構好きで、何かキツいことを言われても「今日もあの人は嫌味が冴えているな」と感心したものです。

それよりも最初は優しく接してくれていたアルバイトの方が日ごとに私に冷たくなっていくほうが私には堪えました。本当は優しいのに、私が無能なために怒らせているのなら、はじめから「嫌な奴」のほうがよほどいいというものです。

どの職場にも「嫌な奴」はいると思うのですが、こうした「嫌な奴」は皆に平等に「嫌な奴」です。それがかえって無能者にはやすらぎとなることもあるのです。みんな優しい人が私にだけ怒るほうがずっと嫌なのです。

河村隆一は、私が好いていたのを感じたのか、時折親切なときがあったように思われます。親切といっても相変わらず容赦なく嫌味を言ってくるのですが、ちょっとしたコツを教えてくれるのです。色々な方がいましたが、仕事のコツを教えてくれたのは河村隆一だけだったように思われます。

仕事のコツというのは、例えば前述した洗浄してすぐに皿を洗うときは両手にナプキンを持てというものでした。

ナプキンをひとつしか持たないからお前の指紋が皿につくんだ。お前はどれだけ無能なんだ、よく見ておけ」と言って、彼がナプキンをふたつとりました。それを左手、右手にそれぞれ持って、ごしごしと拭き始めたのです。なるほど、両手に持てば手が皿に触れることはありません。おまけに両方の手にナプキンを持っているので熱さも幾らかはましになります。これはいいことを聞いたと思いました。


拭き終った皿は厨房に持っていきます。私は皿の置き場所がそもそもわからないので厨房の人に尋ねなければなりません。皿は一ヶ所に置くのではなく分散して置きます。各シェフの近くに何枚か分散するのです。

私はどこに何をおけばいいのかわかりませんから、シェフに置き場所を聞かなければならないのですが、厨房は忙しいときが多く、そんなときは私はただ皿を持ってオロオロとするばかりでした。

あるとき、私が皿をどこに置いていいかわからず右往左往していますと、シェフが「厨房でうろうろするな、お前は二度と厨房に入るな」と皿を投げ付けられ、もともと癇癪持ちのシェフらしく私が厨房に入ると、厨房の雰囲気が悪くなるというので、それ以来私は厨房に入ることが禁止されました。


いよいよこれで私の居場所は洗い場以外に完全になくなってしまったのです。


to be continued...

2011-03-18

はじめてのアルバイト03

さて、早速週7というシフトを勝ち取った私でしたが、その後は散々なものでした。

私のシフトは朝の8時に出勤で、たしか夕方17時までのシフトだったような気がします。

だった気がするというのも、そこは残業が当たり前の職場で、退勤をしたあとも2時間も3時間も働かされるひどい職場でしたので、勤務表を見て帰る時間を確認する意味など皆無に等しかったのです。

また、勤務表も厨房にあり、私は厨房にほとんど足を踏み入れなかったので、勤務表は1度か2度しか見なかったのです。


仕事は大きくホールスタッフと調理場の担当の人がいて、私の仕事はホールスタッフでした。それとは別にお酒を作るポジションもあったような気がします。

そのレストランは9時から開くので、8時から机を拭いたり、ナイフとフォークを並べたりして、準備をします。準備が終わったら、店をあけるのですが、開店と同時にお客さんが来たりしていたので、そこそこ繁盛しているお店だったような気がします。

店を開ける15分前には、シェフが「今日のお薦め」を説明します。それを覚えて、「今日のお薦め」についてはホールが口頭で説明するのです。

はじめて「今日のお薦め」を説明されたときは、「別に食べるわけでもないのに、こんなことを説明されてどうしろっていうんだろう」と思っていましたので、何も聞いていませんでした。

すると、社員の方が、「お前、今の説明聞いていたのか?」と言いますので、「いいえ、聞いていませんでした」と答えると、大変お怒りになって、ようやくその趣旨を理解したものです。それなら早く言ってくれればきちんと聞いておいたのにと思ったのですが、メモも持たず初日から余所見をしてシェフの話を聞いていない私は大変印象がよくなかったようです。

もう一度説明してくださったときには、きちんと聞いていたのですが、「どうしてメモも持たずに仕事にくるんだ!!」と怒られた記憶があります。

メモを持っていくという発想がそもそもなかったのです。


いよいよ最初のお客さんがきて、私は水を持っていくように命じられました。お子様連れのお客様ですので、水が3つもあります。

どうもフランス料理の店というのはトレイをインド舞踊のようなポーズで片手で持たなくてはいけないようでして、給食の配膳を受け取る人のように両手で持ってはいけないらしいのです。

また、手のひらで持たなくてはなりませんから、重いものを持つとなると一苦労です。

「じゃあ、これ持っていって」と置かれたトレイには水が3つもあり、「これは気合をいれなくては……どう持つべきか……」と水を睨みつけていますと、社員の方が「早く持っていけ」と私の手に乗せてしまったので、もう行くしかありません。ヨロヨロとふらつきながら、お客さんのところへ持っていき、なんとか水を置くことに成功しました。

ほっと安心したのも束の間、すぐに社員が「裏に来い」と耳打ちをするので、ついていきますと、「なんだあの置き方は! 水が全部こぼれてるじゃないか!」と怒られてしまったのです。

それから何度か水を運んだのですが、私はどうもうまく持てず、お客様のところへ行くころにはトレイが水浸しになってしまっていて、何度も「もういい、下がれ」といわれてしまったものです。


私の1日は、単調なものでした。

店がオープンする9時までの準備がおわり、お客様がいらっしゃると、まず私が水を持っていきます。2回に1回はやはりほとんどこぼしてしまいますので、2人目かよくても3人目にはこぼしてしまうことになります。そうしますと、「もういい、お前は皿洗ってろ」といわれるので、それから帰る時間までずっと皿を洗っているのです。調子がいいときは30分くらいホールに出ているのですが、1時間ホールにいたことはありません。だんだんホールにいるのが嫌になり、「早く降板させられて、皿洗いをしたいなあ」と思っていました。「もういい下がれ!」と言われると妙な安心を覚えたものです。


それも最初の数日のことで、ある日を境に私は朝から晩まで完全な皿洗い要員になりました。

その日は、モーニングセットを頼んだやはり子連れのお客様でした。

水の提供が成功に終わったので、もう私の仕事はおわりで次のお客様まで登板を待っていればいいのかと思っていたら、そのお客様が、ホットケーキを注文されたので、私がシロップを持っていくことになったのです。

シロップは小さな小瓶に入っておりまして、それがなみなみと入っているのですから、いかにも難しそうです。シロップははじめて持ちますし、水と違って妙に軽いので、どうもバランスがとれません。歩いているうちにどんどんこぼれましたが、さっさと置いて引き返せば、わからないだろうと思ったのがよくありませんでした。焦るあまり手が滑って、お客様にシロップをぶちまけてしまったのです。あわてて、「す、すみません……」と謝ったのですが、ホールの方が「てめえは二度とホールに出るな!!!」と怒鳴りましたので、仕方なく私はすごすごと皿洗いに戻ったのでした。


to be continued...

2011-03-09

はじめてのアルバイト02

はじめてのアルバイト - 超コンビニ店員の続きです。

(読んでない人は上のリンクから読んでください。続きものです)


最初のアルバイト面接がフランス料理だったため、なんとなく飲食店というのが頭の中にあり、次はイタリア料理の店に面接に行ってみることにしました。

これも経験不足が原因で、不採用になりました。

このお店はたしか、面接のときに「未経験者はちょっと……」と断ってくださったと記憶しています。

続いてふたつかみっつほどイタリアンのお店を受けましたが、どれも不採用でした。

そもそも誰もが最初は「未経験」であるはずです。未経験者を雇わないとは一体どういうことなのでしょうか。

しかし、私はここで詰まってしまうほどバカではありません。

これらの経験を通じて、なるほど、アルバイトというのは未経験者に厳しいのだなと学習した私は、今度は経験者として堂々と面接に行ったのです。

「あー前はカフェでちょっとね……」といった風です。

ところがこれも不採用でした。

原因は不明です。だって、連絡がこないことが不採用を意味するのですから。

いよいよ、もしかして私の無能さが面接で伝わってしまっているのだろうかと不安になってきたちょうどそのころです。

一番最初に面接に行ったフランス料理屋から着信があったのです。

当時、私は採用されると思っていたので、携帯電話に店の名前を登録しておいたのです。

着信画面にそのお店の名前が表示されたときは目を疑いました。間違い電話かと思ったので、とらないでおこうかと思ったりもしたのですが、なんとなく出てみたのです。

「アルバイトはもうお決まりですか?」

不採用が続いていることをまるで知っているかのような口ぶりです。

「い、いや、特にしていませんけれど……」

「もしよかったら、うちのお店で働きませんか?」

こうして私は第一希望(だったのかな?)のフランス料理のお店で働くことが決まったのです。


いよいよ、最初に来てほしい日を指定され、生まれてはじめて働くことになったのです。


アルバイト先には45分も前に到着してしまい、あまりに早いとおかしな人だと思われると思い、喫茶店で時間を潰し5分前くらいに行きました。

すると、いきなり「アルバイトは20分前に着替え終っているのが原則だ。お前はなんなのだ」と怒られてしまいました。

なるほど、アルバイトには色々な不文律があるようです。

他にも、着替え終って、仕事を教わろうというときにフンフン聞いていたら、「お前はどうしてメモをとらないんだ、メモを持ってくるのは常識だろう!」と怒られたこともあります。


話は前後しますが、アルバイト先にはじめて向かい、着替えを命じられました。白いシャツに黒いパンツに、それからサロンという前掛けのようなものが制服でした。

私はそのサロンというものの巻き方がよくわからず、手間取っていたら、着替えが遅いといきなり怒られてしまい、随分ショックを受けた記憶があります。

新人には皆が優しくしてくれているのかと思ったら大間違いなのです。それどころか、シンデレラのような扱いです。

「ああ、やっぱり働くのなんて嫌だな、やっぱりおうちで勉強していればよかったわ」

情けない私は早くも帰りたくなっていたのでした。


こう書くと、いかにも悪い職場で私が可哀想だったかのようですが、実際は私がサロンを巻くのに30分以上かけてしまって、怒られて当然だったことは記しておきます。


ようやくサロンを巻き終って、おどおどと更衣室から出ますと、ロッカーを用意して頂きました。

ロッカーには従業員の名札がかかっており、その中に私の友人であるIの名前もありました。それを見つけたときは、戦場で味方を見かけたような大きな安堵を感じたものです。しかし、その安堵は思わぬ形で裏切られたのです。


「えーと、お前のロッカーは……そうだ、このIってやつは辞めたんだったな、こいつのロッカーでいいや。お前はここだ」

や、辞めた!?

「あ、あの……Iさんって辞めたのですか?」

「そういえば、お前Iの友達なんだっけ? 辞めたの知らなかったの?」

「し、知りませんでした……」

「Iは、最低な奴だな」

信じられません。私を生贄にして、Iは辞めてしまったのです。


視界が遠くなっていくのを感じていると、河村隆一似の大変格好いい男性が(以下、河村隆一)やってきました。

「お前のシフトを決めるぞ」

「はい。よろしくお願いします」

「えーと、お前は火曜日が×になっているな、これはなんか用事があるのか」

「いえ、ただ、週に一度はお休みを頂けたらという趣旨ですので、火曜日の出勤でも構いません」

当時、私はシフトを提出したら、そのままのシフトになると思っていたので、適当に休みを入れておいたのです。

「お前、そういうのは×を入れないんだよ」

「そうなのですか。知りませんでした」

「この通り、シフトに入れるとか考えているんじゃないだろうな?」

「違うのですか?」

「当たり前だ。シフトは勝ち取るものだ」

お、おおーー。

か、かっこいい。そうか、シフトは勝ち取るものだったのか。

「じゃあ、とりあえず今月末までは全部入ってもらう」

「ええっ!」

「つべこべ言うな!」

「は、はい!」

こうして早速私はシフトを勝ち取ってしまったのでした(笑)。


to be continued...

はじめてのアルバイト

私がはじめてアルバイトをしたのはフランス料理のお店でした。

当時、私は傲慢にもアルバイトは時間の無駄だと思っていましたので、友人がアルバイトをしようが全く興味をもたず、関心をもたなかったので、アルバイトに関しては何も知りませんでした。

そんな私が友人から突然、「バイトしない?」と誘われたのです。

当時、暇で暇で仕方なかった私は、なんとなくおもしろそうな気がして、話を聞いてみたのです。

友人が働いていたのは、フランス料理店でした。人手が足りないからアルバイトを探しているそうなのです。比較的高価な店だったと思います。フランス料理といえば、なんとも上質な感じが致しますし、なんとも私にぴったりの職場(!)です。おまけに、時給も1000円と高額です。当時は小遣いで遊んでいましたから、給料となると桁が違うわけです。1000円で50時間も働けば5万円です。5万円といえば、お年玉の金額です。これはすごいことになるかもしれない。考えただけでも、舌舐めずりをしてしまいます。答えはもう出ていました。やってみよう――。


もっとも、私の家庭はアルバイトが禁止されていました。理由はいまひとつよくわかりませんが、私の両親はどうもアルバイトというのは下品なものと考えていたようです。しかし、そんなことは構いません。だって言わなければいいのですから。言わなければ、お小遣いもアルバイト代も両方貰えます。はっきり言って億万長者です。考えただけでも涎が垂れてきます。

当時、私は月に3万円のお小遣いと1日1000円の食費と、その他必要経費は全てもらっていましたから(携帯代、電車賃など)、月に15万円くらいはもらっていました。そこにさらにアルバイト代が入るのですから、涎が止まらないのも無理はありません。


早速、承諾の返事をし、教えて頂いたアルバイト先に電話をしました。

面接の日が決まり、私は初めてそのフランス料理店に足を運びました。

たしかランチとディナーの間の時間でお客さんは誰もいない状態だったと記憶しています。誰もいない店に入っていくのは大変勇気のいることです。

面接で、何を話したかは実はあまり覚えていないのですが、簡単な業務内容を説明してもらったような気がします。メニューはフランス語で書かれ、メモもフランス語でとらなければならないと言われ、覚えるためにメニューを貸して頂きました。

メモをフランス語でとるという話をすると、「大変そうだ」と色々な方から言われるのですが、実は私は語学は大変に得意で、記憶も得意なものですから、かえって、これは私に向いてそうな仕事だと自信満々に帰ったのでした。


それから数週間が経ちました。待てども待てども、連絡がきません。

当時、私はアルバイトの暗黙の了解である「不採用時は連絡をしない」という業界の常識を知りませんでしたから、随分連絡が遅いなと呑気に考えていたのです。

あまりにも遅いものですから、いよいよ私から勇気を振り絞って連絡をしてみたのです。

すると、

「すみません、うちは経験者を募集していまして……」

と言われてしまったのでした。

これには大変にショックを受けました。

私は既にアルバイトをする気満々で、面接のときに言われた「家でトレイを持つ練習をしててね」という言葉を真に受け、コップに水を入れて密かに練習をしていたのです。メニューのフランス語もすべて正確に記憶していたのです。わからないものはひとつひとつインターネットで調べてどういう料理なのか、カフェオレとカフェラテの違いもひとつひとつ検索していたのです!

ちなみにカフェオレとカフェラテの違いは、カフェオレはミルクが入っているにすぎませんが、カフェラテコーヒーエスプレッソ(濃い)という違いがあるそうです。

とはいえ、「そんな! 話が違うじゃないか!」と叫ぶほど私は権利を主張する人間ではありません。小市民らしくすごすごと「そうですか……」と引き下がったのです。

実は、「へへー、フランチのメニュー手に入っちゃった」としょうもないことで喜んでいたりしたのですが(笑)。


フランス料理には断られてしまいましたが、バイトをやりたいという気持ちに火がついてしまったので、他を探すことにしました。


(つづく)

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