nOrh Tube Phono Amp

さて、なにか使えるものはないかと物置をごそごそしていたら、nOrh の Tube Phono Amp が出てきた。何でこんなものを使わずに置いてあったのかと我がことながら訝しく思ったが、要するに向こうが間違って 220V 仕様を送ってきて、返品するのも面倒なので放置していたのだった。たしか電圧昇圧トランスをかまして使ったこともあったと思うのだが、その時は気に入らなかったのだろう。
12AX7 を三本使っているので、これをすべて松下の 12AX7 (T) に差替えて、西川さんから借りっぱなしになっているマランツの MC トランスを介して音を出してみる。電圧昇圧トランスのコンセントが中国やヨーロッパで使われているタイプなので、コンセントにも変換プラグが必要だし、あまりいい感じではない。が、音はなかなかのもの。少なくとも GSP Audio のフォノアンプよりはずっといい。これを買った時とはシステムも全く変わっているし、今の機材との相性が以前よりはいいということなのだろう。また昇圧をトランスに任せているのもいい結果につながっていると思われる。
フォノアンプとしてはノイズもほとんどないしゲインも十分。最初右チャンネルだけハムが出るので、真空管の不良かアンプそのものの限界かとも思ったが、配置を変えたら全くハムはなくなった。微小信号は敏感で大変だ。ただ、電源トランスがやはり唸る。電圧のこともあるし、見るからにしょぼいトランスなのでこれはなんとかしたい。トランスの二次側の電圧を測ろうとしたらいきなりテスターの電池が切れたので明日にでも電池を買ってきて測ってみるが、合う電圧のトランスがなければそれこそフェニックスに特注かな。トランス交換となればケースも使えなくなるので、基板とトランスを別のケースに移植しなければならない。幸いなことにトランス以外は一枚の基板に全て収まっているので移植は難しくないだろう。RIAA 素子はともかく出力部の WIMA のコンデンサももうちょっといいものにしたいとも思うし。トランスやコンデンサの変更で化けそうな予感はする。というわけで、ちょっと改めてこのフォノアンプと付き合ってみよう。

トランス

テスターの電池を買ってきて、nOrh のトランスの電圧を測ってみた。ヒーターが13V、B電源が240V。これに近い電源トランスを探してみたら、春日の KmB60 という製品が、6.3V二系統と230Vのタップを持っていて使えそう。伏型は今回の用途には使えないので、このトランスは縦型でちょうどいい。B電圧がACで10V下がるけれど許容範囲内だろう。価格も3,000円と高くない。少なくともデフォルトのトランスよりずっとグレードが高いだろうことは確かだ。

DAC のトランス

トランスといえば、DAC に使っているトロイダルトランスの唸りが気になるということは以前も書いた。とりあえずニードルフェルトを適当な大きさに切ってトランスの下に敷いてみたら、振動がケースに伝わることを相当抑えられたようで、聞こえる唸りが半分くらいになった。それでもトランス自体が唸っていることは確かなので、以前 MJ に載っていた、ブリッジダイオードを使った AC 電源から DC 成分を取り除く仕掛けを使ってみようかと思っている。500円くらいのダイオード一個でこの唸りが抑えられるなら安いものだ。