香港 九龍市場探索

ワンチャイからフェリーで九龍にわたり、地下鉄で太子駅まで乗り、そこから延々と徒歩で戻ってくることにした。

まず遭遇したのは金魚街。中国では金魚を買うと商売が繁盛すると言われていて、縁起物として飼う人が多いようだ。主流は金魚なんだが、トランスルーセントグラスフィッシュとかクマノミとか龍魚とか熱帯魚も普通に売られている。しかも朝になると水槽からビニール袋に小分けにされて店先に吊るされる。扱いが雑というか魚が逞しいというか。日本という文字もよく見る。和金から日本獅子頭、出目金、日本劉金など日本品種は人気のようだ。日本では江戸末期まで多くの品種が作られたらしいけれども、震災と大戦で多くの種が失われてしまったそうな。ひょっとして中国に残ってるなんてことはないだろうか。マニラに行ったら金魚鉢で金魚を飼いたい。中華街に行けば買えるかもしれない。

次は女人街。女性のアクセサリーやチャイナ服、下着がわんさか露天に吊るされて売っている。景色としては面白いけど当然買うものはない。いくら本物だって言われても、この看板じゃあ買う気起きんな。


そしてランガムプレイスだったか。5階分突き抜けた長エスカレーターのある新しいモールで昼を食べた。金衣皇蟹粥と茹でた空芯菜で$60HK。美味。

さらに翡翠市場をひやかし、青物市場を通り抜けていく。途中、市場の中で麻雀に興じる男達に出くわす。朝の競りを終えた後の遊びなのか。麻雀をしばらく見ていたが、どんな手で上がっても毎回$100HKを3人から受け取っていた。単なる面前ピンフで5,400円だからなかなかの高レートである。気づくと、たくさんのギャラリーに囲まれていた。勝つ度に歓声が上がる。遊びの域を超えている。勝負というか日々の稼ぎの一部といった雰囲気。皆上半身裸で腕には刺青。襲われたら敵わんな、と退散してきた。


男人街の角で爺様の北京ダック屋がなんとも美味しそうだったので、店先に吊るされた肉の数片を切ってもらった。一人には丁度良い量でたったの$10HK。食べ歩きながら飲み物が欲しくなったところで立ち飲みお茶屋を見つける。よく冷えた五花茶$7HK。商売途中の店の人がよくふらりと飲んでいく。美味い北京鴨を食べながら先週の食費が高すぎたことを反省する。うちのチームの子は一人$150HKで意外と安いなんて言ってたが出張中だからといって些か調子に乗りすぎだ。マニラにいてしないことを出張中だからと当たり前のように贅沢するのはやはりおかしい。来週から引き締めよう。

最後はフェリー乗り場傍のショッピングモールを歩き、フェリーで渡った後は中国芸術中心とやらで中国の工芸品を見て回る。値段も目が飛び出るような特級品が多かったが、やはり質は高い。想像するとげんなりする程の労力をかけたであろう一本彫りだとか、中国らしい細緻を極めた工芸品が並ぶ。

上海ではこんなに購買欲をそそるものは見なかった。良品は殆ど北京、香港に集まってしまうのだろうか。香港はウィンドーショッピングも楽しい。最終日に何か土産に買って帰ろうか。