荒川修作、宇崎純一

国立国際美術館で開催中(6月27日まで)の「死なないための葬送--荒川修作初期作品展」を観覧。国内美術館(高松市岐阜県名古屋市富山県、国立国際、横浜市千葉市青森県、東京近美、東京現美、板橋区宮城県、個人蔵)収蔵の20点が一堂に会するのだから圧巻。気になる作家の棺桶シリーズだから、これは確認しなければならない。いゃー恐い作品だ、修復したものもあるが、経年変化し綿にいろいろなものが付着し、近づくと匂うようである。立てかけたり、安置されたりしている箱を見入りつつ、どの作品が、どの美術館所蔵なのかと、会場でメモをとりながら歩いた。併陳のコレクション1は「荒川修作と1960-70年代の美術」すでに見ている作品ばかり、展示方法の問題かもしれないが、どうも、インパクトが弱い。ボイスなどメツセージ性の強いものは、苦しいな。楽しみのためのマン・レイが一番か、「イジドール・デュカスの謎」とも久しぶりだったので、嬉しかった。ルノアールの大規模な展覧会も開かれているので、観客は多い。
 その後、美人店主経営のCalo Bookshop & Cafeで一服。美味しい珈琲にサンドイッチ、世間話をいろいろ、そして、新刊の「spin07 ブックイベントのたのしみ」を求める。掲載された海文堂のトークショーで店主は「お金もらわないところがいちばんおもしろかったりするので、そういう楽しさみたいなのをもうちょつと商売とくっつけられないかな、といつもおもっているんですけど、お金とくっつければくっつけるほど、楽しくなくなっちやうみたいな....」と発言している。彼女と話すのが楽しいのは、このスタンスにあるのだろうな、本当にそう思う。


 さて、淀屋橋から心斎橋で乗り換え、初体験の長堀鶴見緑地線西長堀へ。大阪市立中央図書館・1階エントランスギャラリーで開かれている「大正ロマンの画家・スミカズの優しき世界」を拝見し、2時からのフォーラムに参加する。知人の顔もチラホラ、林画伯の基調講演の後、井渓明氏の司会で瀧克則氏、橋爪節也氏のお話をお聞きする。興味深いお話は改めて報告したい。---若い友人との予定がはいっていたので、途中で退席、残念だった。




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長堀鶴見緑地線70系、1992年に開業した大阪初のリニアモーターカー地下鉄。お洒落で良いね。