吉田家で正月の室礼を楽しむ。


新町通蛸薬師上ルの吉田孝次郎宅で催された「京町家歳時記」【第4回】に家人と参加した。「正月の室礼〜新しい年を迎えた京都の町家〜」がテーマ、時間に伺うと皆さんお揃いだった。早速、奥の間に集まり御当主から正月を迎える京都の町人の暮らしぶりについて伺う。座敷中央には講座用に台所から「年徳棚」が移されている。本来は吊り下げておいて年毎の恵方に向けるそうで、今年の恵方は西南西とか。

    • -


「年徳棚」

吉田氏のお話で「年徳棚」は、毎月供える12個の餅を中央におき、左右にお灯明をセットとして合計12個、1年間の祈りを元旦1回で済ませる、まことに商人らしい合理的なもの、例年餅の上に飾るのは橙だが、今年は、仏手柑にした。商人の家は質素で、正月の祝い料理も簡素にし、毎年同じ事を繰り返すことが、先祖を敬い神様に感謝できるのだと続けられた。吉田家のお雑煮は白味噌に丸餅二つ、おせちはお煮しめ、ごまめ、たたき牛蒡、黒豆。子宝を願って数の子といったところ。お酒好きの正月贅沢は海鼠腸、からすみ。お話を聞きながら拙宅での、簡素なおせちと同じだと思った。日本酒の銘柄ばかりに気がいく小生には、高価な当ては時期尚早、明治生まれの祖父は海鼠腸が好きだったと家人。

    • -



新年のお屠蘇をいただきました。美味しいですね。

    • -


座敷庭には元旦、二日の雪が残っております。

春が早く来ますように---

    • -