マン・レイと余白で

2017-05-05 林哲夫『花森安治装釘集成』記念トーク

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誠光社

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林哲夫氏

河原町丸太町の誠光社で催された林哲夫氏のレクチャー『花森安治装釘集成』刊行記念イベントに参加した。誠光社は河原町通りから一本東の通りを上がった所にある街の本屋さんで、直仕入れを基本に独自の棚構成で気持ちのよい空間。レクチャーは書棚を移動させ、スクリーンを下ろし、30名程度が聴講できるようにして始まった。今日の話は林氏が装釘を手掛けた6年間に渡る『花森安治装釘集成』(みずのわ出版、税抜き8,000円)にまつわる興味深い裏話(?)と某テレビ連載で知られるようになった花森の人間的魅力について、2時間あまりのスライドと現物を交えての熱いバトル、当事者の思いが伝わってまいりました(感謝)。

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ゲラ刷り

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左手に『花森安治装釘集成』

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 わたし的には、70年代に『暮らしの手帖』のバックナンバーを幾冊も手にしていたので、表紙の魅力が判っていたのだけど、某テレビ番組の影響で花森から遠ざかっていたところ、林氏のブログ「daily-sumus2」で、刊行に至るエピソードのライブと、花森の仕事の多面的言及を拝読し、只者でない「尖端ぶり」に驚いたところなので、京都でのトークを非常に楽しみにしていた訳。花森安治の幼少期風景や雑誌『New Yorker』の表紙、四角と文字を使うバウハウス、あるいは女性誌『アンアン』の表紙などが、引用と云うより花森的解釈が施されて紙面に現れた様子などに興味を持った。花森の雑誌を含めた書物へのこだわりは、画家で文筆家で装釘家として知られ、さらに、花森流に弁論も立つ林哲夫氏だからこそ、読み解く事の出来る世界だと思った。画家とデザイナーの違い、罫線と活字だけの美しさ、雑誌表紙の花森原画のテクスチャーの完成度、よろしいな。

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ゲラ刷り

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 林哲夫氏のレクチャーはおよそ2時間、あっと言う間でした。誠光社の堀部篤史氏が締めの挨拶をされた後、用意された花森装釘本が並べられた。現物を手にすると新著『花森安治装釘集成』の主な執筆者唐澤平吉さんが、こだわり、集めた、花森本(雑誌)の「集成」が、一般的な「古書目録風の表紙だけを並べる」構成から雑誌や書籍の内側、花森の構造へ肉薄する度に増殖(頁数のアップです)していったのが理解できた。マン・レイに関する本で、これをやりたいと思うのだけど、こればかりは---

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誠光社・取扱本

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林コレクション