コムサ(ぼちぼちでんな)


ギャラリー恵風 丸太町通西大路東入ル
林画伯の個展が熊野神社近くのギャラリー恵風で開かれている(24(日)迄)。今日の市内は風が吹いて気持ちのよい自転車日和なんだけど、今夏の京都は酷暑にみまわれ、わたしなどはビールばかりの自堕落(銀紙書房の仕事はお詫び程度)な毎日を過ごしておりました。でも、画伯は暑さに悲鳴をあげながらも、京町家でこつこつと油彩15号3点を仕上げたご様子、本当に脱帽いたします。そんな、苦労話が画面に現れることなく、いつもの、光が当たった優しい眼差しに、パリの壁やら鳥の巣やら樹木やらが、しっかりとキャンバスに描きこまれている。人形や古い書物もまた良くて、人柄と画風が一致する、この清々しさこそ、林画伯ファンを虜にする魅力だと思う。

「思い出(人形と荷車)」油彩6号部分

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林哲夫画伯

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 16日(土)16:00〜17:30の予定で、ギャラリー恵風1階で個展をされている浅野真一氏と二人でのアーテイスト・トーク「じゃあ、絵の話をしましょう」が行われ、終了後にはパーティも催されるとの事。「世代を超えた具象画作家」二人によるトークは、どんな展開になるのだろうか。林画伯のブログには、「今回の個展には「コムサ」というタイトルを付けました。これはたいへん便利なフランス語です。買い物をするときに品物を指差して「コムサ」と言えば「これ」とか「それ」という意味になります。誰かに「サヴァ?」(もうかりまっか?)とたずねられたら、「コムサ」(ぼちぼちでんな)と答えます。見たまま、こんなもんだよ、というこころです。近作をそんな気持ちで並べてみたいと思いますが、「コムサ!」(こんだけ!)と言われないように……がんばってます。」との表明があった。本当に良い距離感。人柄がにじみ出て、油彩を持って帰って、癒やされたいと思います。思いませんか?

正面3点が油彩15号 左から「雨の後」「空/クウ」「壁」