Hatena::ブログ(Diary)

「あなたは悪くない」別館 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-02-01

「察してもらいたい」は甘え

13:51 | 「察してもらいたい」は甘えを含むブックマーク 「察してもらいたい」は甘えのブックマークコメント


NHK追跡!AtoZ 1/30(土)放送「問われる日本人の"言語力"」を見ました。


途中からだったのですが、印象に残ったことを少し。



性暴力がどうしてこんなにも多いのか、そしてあまりに社会の問題意識が乏しいのか、などを考えているのですが、

どうしても日本人の根本的な価値観というものがやはり絡んできます。

もちろん日本だけではないのですが、特に日本的だなとやはり思うことも以下の中にはあるのではないかと思っています。



いろいろな言葉で表現できるとは思いますが、


・個人の意思を尊重しない

・多様性を認めない

・「権利を主張する」ことをよしとしない

・曖昧ですませる、なあなあですませるのが大好き

・「マジョリティが考えるであろうこと」にあわせた言動をすることを求められる

・「我慢は美徳」という考えが根強い

・過ちをすること、不完全であることを認めない



そしてこれを支える背骨となっているのが、家父長制です。

ジェンダーとイエ意識、「母性」信仰社会にも深く結びついています。

ところが「保守」とされる人々は、それを良しとして維持したがるので、いろいろなことがずれてきているわけです。


家父長制と一言では言い切れないくらいの様々な抑圧や差別は、もう文化となり私たちの意識に刷り込まれています。

私にももちろんあります。日々それに気付かされ考えさせられます。

幼い頃から次のようなことを刷り込まれていきます。


年長者、男性の言うことをきけ、

男性は優れている、女性は劣っている、

男性は社会に出て活躍、家事や育児をするのは女性に向いている、

男性は強くリードしていかなければならない、女性は優しく周囲にあわせなくてはならない、

などなどです。


いろいろな「べき」「べき」論があるわけです。

これは結局、弱い立場の人、少数とされる人への抑圧へと結びつきます。



性差別の問題だけではなく、さまざまな差別と共通しています。

イエ制度を信奉するあまり、虐待やDVなど家庭内のことにはノータッチで、

「日本には虐待はない、しつけはある」なんて怖ろしいことを言い不介入。

「馬鹿な女をしつけてるんだ、教育してやってるんだ」と言いDVをする。

(そもそも男性にとって都合のいい妻のことを、ふしぎと「いい奥さん」という表現がまかりとおっています。

 これはDVの始まりでしかないので、誉め言葉として使うのは変でしょう。)


まだまだ、本当にまだまだ、全然、虐待もDVも対応できていない。

社会全体で救おうという体制になっていない。

性暴力なんて「ない」ことにしたいわけですから、まともに取り組もうとさえしない。

(それでも、昔よりは少しずつ少しずつですがよくなっていて、ようやくここまできた、というのは事実です。)



それを維持したいのは、これで利益を得ている人たちなわけで、

これを打破したいのは、思いっきり不利益を被っている人なわけですが、

権力のあるところには、維持したい人たちばかりです。



番組では、

「察して動け」は甘え、

自分の意見を主張することをしていくことが求められる、

などと放送していました。


こういったことを「言語力」という切り口で捉えて、グローバル社会に対応できない、という焦りを強調することで、聞く耳を持つ人もいるのか、というのが新鮮というか、ショックというか・・・。



個人的にはそういった意識がつくられる背景にもっと迫ってほしかったと思います。

ジェンダーやイエ意識など。(でもそうすると聞く耳を持たない人ばかりなのだろうと思います)


結局、上のものにあわせて動くのが求められていて、それが普通とされていて、そしてそれに疑問を持たない人が実際に多く、大多数とされていく世の中。そういう流れをつくられてしまう世の中。

本当はどうかわからないのに、考えたり疑問を持ったりすることさえ許されず、マジョリティ意識をつくる。

そこからはみ出るヤツは叩いて構わない、という意識を無意識につくられている社会。

出る杭は打たれる、というのがまかりとおっているわけです。でも人間はモノではない。杭の一つになって揺るがないモノをつくる(何のために?)ことが目的なんて、怖すぎます。

多様性を大切にしない、というのが、マイノリティ、少数とされる人たち、例えばしょうがいを持った人に対して優しくない世の中になっていると思います。

被害者もしかり。性犯罪被害者はいろんな抑圧をされる。



このエントリは、昨日、他のテレビを見ていて、思うことがあったので、それにつなげて書こうと思ったのですが、深遠なるテーマで、私の言葉が追いつかない。


とりあえず、考え続けることが大切なのだろうと思うので、メモ代わりにアップしておきます。




追記:番組の内容はこちらのサイトを読まれるとよりわかりやすいと思います。

   ■50代オヤジの独言■     追跡AtoZ:言語力 


TB送信先:■はてこはだいたい家にいる■左利きが右手障害じゃないなら自閉症は?http://d.hatena.ne.jp/kutabirehateko/20100126/Asperger_syndrome

y_arimy_arim 2010/02/02 18:29 釈迦に説法かもしれませんが、性犯罪において加害者から「察してもらいたかった」的な言葉がよく聞かれるようですね。逆に、「勝手に」相手の気持ちを察してしまうケースも。

manysidedmanysided 2010/02/03 15:44 y_arimさん、コメントありがとうございます。

いえいえ、釈迦に説法だなんてとんでもない。全体像としてはまだまだわかっていないことだらけです。包括的に捉える努力はここ最近始めたことなので。

>加害者から「察してもらいたかった」的な言葉

ああ、そういうつもりだったのはわかっていただろうに、ということでしょうか?
どう考えても無理ですし、ならば小出しにすればいいのに、騙してそういう状況をつくっているのが殆どだと思います。
ネットでもあちこちに見かけますね。
通報制度をつくって性教育を受けるのを必須にしてほしいものだと思います。


>「勝手に」相手の気持ちを察してしまうケースも



本気で合意だったと思っている怖ろしい人もかなりいるようで
す。

スカートをはいていたとか(まだまだ法廷戦略として使われています、弁護士は恥ずかしくないのですかね?スカートの女性を見れば必ずそう思っているのでしょうか)、
夜会ったからOKしているとか、勝手に思い込まれても迷惑ですね。

結局、言う側の差別意識があらわれていますね。
教育というか育った環境というのはおそろしいものです。