ctrlswapmini v0.21 登場!……で、[es]のファームアップによる影響は大きい模様。

 W-ZERO3[es]では、「文字」キーを押すたびに、文字種が【あ】【カ】【_カ】【A】【a】【_A】【_a】【_1】の順でトグルしていきます。一般的なケータイと同じ考え方ですね。
 初期のファームでは、「プラスATOK」というIMEを用いて和文入力中に英数文字を入力すると、入力した途端に「和文部分が未変換のまま確定してしまう」という不都合*1がありました。


 もともと「プラスATOK」は【英数】【ひらがな】キーコードによる「入力中の文字種変移」をサポートしていなかったらしい(内部的にははじめから対応しているはず)のですが、これに対して携帯メーカー各社は文句を言うことなく、そのまま「英数が来たらかな部分は未確定でブン投げる」仕様にしていたようです。ほかの携帯電話用IMEでも同様の仕様を採用するものがあるらしく、おそらく「解決できない仕様」と思われていたのかもしれません。
 メール体の文章では「!?」を割とよく使う可能性があることを考えると、これはさすがに困る仕様でした……が、今回のファームアップで「プラスATOK」側がこの点に対応し、かつシャープのテンキー用デバイスドライバもこの変更に対応した(MS-IME用の設定を使いまわした?)ようです。
 今では、文末の「、。!?」を分け隔てなく使うことができ、無意味な未確定もなくなりました。


 ……で、話をctrlswapminiに戻します。
 ctrlswapminiが2タッチ入力よりも先にサポートしはじめた機能として、キーマップを読み込まない状態の「default定義」拡張かな入力(=逆トグル&後変換付きかな入力)があります。
 従来のファームでは「選択したとおりの文字種で入力できていた」のですが、今回のファームではできなくなっています。
 原因のかなりの部分が「私のせい」だと思うので、せめて動きの検証をしてみよう……と。


 いずれも、キーマップは「default」にして「拡張かな入力」を選択した場合の挙動です。

【あ】
1 あいうえおぁぃぅぇぉ──後変換OK・逆変換OK
2 かきくけこ──後変換OK・逆変換OK
3 さしすせそ──後変換OK・逆変換OK
4 たちつてとっ──後変換OK・逆変換OK
5 なにぬねの──後変換なし・逆変換OK
6 はひふへほ──後変換OK・逆変換OK
7 まみむめも──後変換なし・逆変換OK
8 やゆよゃゅょ──後変換OK・逆変換OK
9 らりるれろ──後変換なし・逆変換OK
* 改行(未確定時は後変換キー)、──OK
0 わをん ー──後変換なし・逆変換OK
# 、。【英!和】【英?和】・──後変換OK、逆変換なし

【カ】
1 【和あ】いうえおぁぃぅぇぉ──一打目でかなモードに転んでから「かな」が入る。以降はかなのまま。
2〜# 以下同じ

【_カ】
1 【和あ】いうえおぁぃぅぇぉ──一打目でかなモード転んでから「かな」が入る。以降はかなのまま。
2〜# 以下同じ 

【A】
1 【(英?).和】いうえおぁぃぅぇぉ──一打目で正しい文字が入った後にかなモードへ転ぶ。以降はかなのまま。先頭の(英)は入っているかどうか不明。2打目以降には入っていない様子……?。
2 【(英?)A和】きくけこ
3 【(英?)D和】しすせそ
4 【(英?)G和】ちつてとっ
5 【(英?)J和】にぬねの
6 【(英?)M和】ひふへほ
7 【(英?)P和】みむめも
8 【(英?)T和】ゆよゃゅょ
9 【(英?)W和】りるれろ
* 【改行→和】
0 【(英?)スペース和】をん ー
# 【(英?)-和】。【英!和】【英?和】・──さらに押し続けると「、。【英!和】【英?和】・」になるので、一番最初に「(英)」は入っていない様子。

【a】
1〜# 上記と同じ。

【_A】
1〜# 上記と同じ。

【_a】
1〜# 上記と同じ。

【_1】
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
6 6
7 7
8 8
9 9
* *
0 0
# #

 私はW-ZERO3[es]では「キーキャプチャ」の類を使ったことがないので、とりあえず外側から見るのみ……ということで。


 ctrlswapminiの挙動としては、おそらくこういう感じになっているのかもしれません。

  • 標準状態は「かな」。
  • 英数/かなの状態は内部で保持する。
  • 異なる文字種の文字を入力するためのキー入力があった場合にのみ、「英数」または「ひらがな」キーコードを挿入してから文字キーコードを挿入する。

 今回の場合、意図しない「ひらがな」キーコードが、どこかの処理過程で挿入されていることが原因なのかもしれません……。


 見ていると、テンキー用デバイスドライバが表示している【あ】【カ】【_カ】【A】【a】【_A】【_a】【_1】の変移タイミングは一様ではないようです……キーを押して文字を出力した「後」に変移するときがあれば、またあるときには「次の」キーを押した時に、文字を出力する「前」に変移するときもある……という状況ですので。
 ゆえに、このドライバが「常時」モードを正確に表示しているものとみなすのは危険なので、正確なところは「キーキャプチャ」の類を使わないと解らないのかもしれないですね……。


 それにしても……一ヶ月やそこらでプラスATOKがらみの挙動を変更してみせた*2JustsystemSHARPの行動力も、それに対応してctrlswapminiをガリガリと修正してみせる*3小笠原さんの行動力も、どちらもすごいものがありますね……。
 私には、いまのところ何もお手伝い出来そうにありません……というか、むしろ迷惑を掛けてばかりのようなorz

続報。(2006年12月7日23:02:52追記)

 本家をチェック済みの方は既にご存知かもしれませんが……ひとまず転載させていただきます。

ATOK + 拡張かな → IMEctrl必須 ※IMEctrlにチェックを入れると従来どおりの入力になります。
(from http://hp.vector.co.jp/authors/VA004474/wince/wince.html 、体裁を一部変更)

 「和文字と英文字を未確定のまま混在させる」動作には対応しないものの、「ファームウェアのバージョンアップ前と同じ状態は」きちんと再現できています。
 これで、ひとまず「ファームウェアのアップデートを保留する理由」は全て解決!ですね。

*1:他社のIMEでも似た動作をするものがあるようで、別にプラスATOKだけが劣っているというわけではない点に注意。

*2:この変更によるメリットと波及効果を即座に理解し実践したことには驚き。

*3:まだファームアップしてから「1週間」すらも経過していません。前回の「外部定義の読み込み対応」でもそうでしたが、迅速な対応には驚かされてばかりです……。

メモ。

 19AQ5ヘッドフォンアンプ、意地でも「EtymoticResearch/ER-4P」でノイズが聞こえないようにしてみたい……のだけれど、12月4日の時点から進展なし。耳栓型イヤフォンかつ107dB/mWの感度という時点で間違っている気はするのだけれど。こういうときばかりはER-4Sが羨ましい。
 未テストは↓ぐらいだろうか。役に立つかどうかは不明だけれど。
 (注意:この回路図は色々と省略されています。それと、500kΩじゃなくて470kΩだった……)

 ……それと、TUGEIさんから頂いたコメントからすると、(他にも低インピーダンスなイヤフォンがあるうちの場合は)ER4P-24の同等品を自作するのが一番確実なのかも。82Ωの抵抗は20本ぐらいあるから、選別すれば十分使えそう。外付けにするか、アンプに内蔵としてしまうかは考え中。この抵抗をショートするスイッチをつければ切り替えできるけど……そういう作業はしない方向で。