パナソニック 250GB DVDレコーダー DIGA DMR-XW100の操作性レビュー。
(未来:Panasonic製Blu-ray/DVD+HDDレコーダの「かえで化」メモ。)
パナソニック 250GB DVDレコーダー DIGA DMR-XW100
- 出版社/メーカー: パナソニック
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: エレクトロニクス
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- あと4万足してBlu-rayが読み書きできるものを買っておけばよかった……DVDにハイビジョン記録できるなんて、完璧に生殺しじゃないかorz。
- 解りやすいのはリモコンだけで、奥にあるメニューにも、取扱説明書にも、アフォーダンスがぜんぜん足りてない……えーごのモード表示はダメなんだってばorz。
……という感じ。
2011年7月までにインターフェースが刷新されるとは思えないので、Panasonicのレコーダを買うなら「今のうちに買って、一通り使い方を覚える」方がよいと思います。
HDMIによるデジタル接続を用いてテレビとレコーダを接続する場合、各社各様に好き勝手なリンク機能を付加しているので、この2つはメーカーを揃えておくほうがいいと思います……ので、レコーダを先に買ってテレビを後回しにする場合は、ある程度どこのメーカーのテレビを買うかということも考慮に入れつつ選択するほうがよいのかもしれません。
デジタルチューナーは2系統入っているので、「1チャネルは録画しながら、別チャネルを見るためのデジタルチューナーとしても使える」というのが、今選択する時点でのポイントなのかも。
うちはCATV経由のパススルー受信なので「きれいに受信できて当たり前」という環境なのですが、その点を差し引いても「アナログ放送よりも色味が安定していて、音声品質がFMラジオからMPEG Audio品質になった効果は大きい」と思います。
ただし、「つくり込みが甘い」……いや、違った。「マニュアルやメニューが、適切なメンタルモデルを提供できていない」というのは痛い所だと思います。
多機能なのはいいのだけれど、「Blu-rayでやるべきこと」と「DVD-Rxでやるべきこと」がぐっちゃぐちゃに提供されていて、かつてのPanasonic製ワープロにあったような「心地よい制限」が、今の段階ではまだ出来上がっていない気がしました。
過渡期製品なので作りこみが甘いのは仕方がない部分もあるし、「メンタルモデルを自力で構築するような」家電好きの人間にとっては難なく使えるレベルにある……のだけれど、もう少し松下らしく踏み込んで、ユーザにとってのわかりやすさに注力した「適切なメンタルモデル」を提供してほしいところ。
一番面倒なのは、「Blu-ray用の記録モードを使って、DVD-Rxに記録できてしまう」ところ……このモードをBlu-ray陣営が突っ込みたい、という意図は痛いほどよくわかるのだけれど、そういう過渡期用技術については「なるべくユーザが選択しにくいように、一段深い階層におくべき」であって、ほかの「本来使われるべきモードとは違うものなのだということを表現する」ことが必要になると思います。
それから、次の点を一まとめに理解するために苦労しました。
- 「エンコードしつつ記録」できる回路は一系統しかなくて、「生のまま記録(DRモード)」と組み合わせることで2系統同時録画ができる……ということの「事実」は示していても、そうなってしまう「理由」が理解できにくい。
- そのうえ、「生のまま記録(DRモード)」で記録したデータをディスクに焼けるようにと変換することができるという事実や、「生のまま記録(DRモード)」で記録したデータを変換する工程に「ほぼ実時間が掛かってしまう」という事実に至る理由も理解できにくい。
- 録画モードには、DRモードのほかに「Blu-ray向けのフォーマット」と「DVD向けのフォーマット」の2種類が混在しているが、どちらのディスクに対してどちらのディスク向けのフォーマットでも記録することができてしまう。
……で、さっぱりわけが解らなかったので、私の解釈でブロックダイアログ(?)を描いてみました。
これでもまだ微妙なのですが、少なくとも何もないよりはまだましかな……と思いまして。
この手のメンタルモデルは、「複雑な機械をシンプルに解釈するためには絶対に必要」なので、マニュアルを記述する場合には「メンタルモデルをまず提示し、それに沿って説明を行う」方法を採用していただきたいな……と思いました。
あるいは、マニュアルなどなくてもできるように、メニュー自体にこういう仕掛けを突っ込むというのもありかもしれません。
機械が単純であれば、自然とメンタルモデルなど構築できるのでよいのですが、こういう製品にとっては「明示的に説明する」ことが必要になるはずですので。
それと、記録モードについては「DR/HG/HX/HE/XP/SP/LP/EP/FR」という略語ではなくて、きちんと「取説に書いている日本語どおりに」表示してほしいなぁ……というのが、正直なところの要望ですね。
もしも製品のアップデートでこういったところが直せるのであれば、モード名の変更が行われるように期待したいところです。それと、EPモードでは6倍モードと8倍モード3倍モードと4倍モードの選択を「初期設定のメニュー内で変更する」様になっていますが、これはかなり解りにくいので、こういったものは通常のモード選択で選べるようにするべきところかと。
従来のモード名 | モード名の変更候補 |
---|---|
DR | 放送画質そのまま(DR) |
HG | ハイビジョンきれい(HG) |
HX | ハイビジョン1倍モード(HX) |
HE | ハイビジョン長時間(HE) |
XP | |
SP | |
LP | |
FR | 標準画質自動モード(FR) |
(2008年1月13日22:19:25追記:一部おかしな表現になっていたので、取り消し線を引いて書き直しました。)
そして、マニュアルに関しては……「録画機器として使うためのマニュアルと、応用アプリケーションを使うためのマニュアルはきちんと分けてほしい」ところですね。
さすがに取扱説明書が150ページを超えるという状況では、とても「ビデオデッキの代わりとして買う層」にとって解りやすくはないはずですので、どうしても分冊する必要が出てくるように思います。
ページ単位での出来はさして問題はないのですが、基本的な「DVDディスクへの録画・書き出しをするだけ」であってもマニュアルを精読しておく必要がある……というのは、ちょっと何かがおかしいように思います。
たとえば、マニュアルの記述順序を「ひとつずつのステップを踏んで、少しずつ学んでいける」構造にする工夫が必要なのかもしれません。現行マニュアルの記述順序を、コンテンツはほぼそのままに
- チューナーとして使う、再生方法の解説。
- 単体HDDレコーダとして使うための、基本的な解説(DRモードに絞り、編集などを除いた操作の解説)。
- 記録モードに関する解説。
- ディスクの種類に関する解説。
- 単体DVDレコーダとして使うための、基本的な解説(記録モードは紹介済みのものを使い、編集などを除いた操作の解説)。
- DVD/HDDレコーダとして使うための、ダビングに関する基本的な解説(記録モードは紹介済みのものを使い、編集などを除いた操作の解説)。
- 編集や文字入力などに関する解説。
という章立てにしていけば、それだけでも機器に対する理解をしやすくなるのではないかと思います。
アナログ放送の終了が迫っていて、ビデオデッキからの買い替えを考えている方も多いと思います。
そして、それ以上に「ビデオデッキでは録画できないことに、アナログ放送が停波してから気づく」という方が多い可能性すらあります。
そういう事情もあり、マニュアルやインターフェースについては「今のままではなく、よりわかりやすくする工夫が必要」だと、私はそう思います。
このあたりは、新製品や、現行製品のアップデートで、どうにか対応していただきたいですね。
2008年1月13日22:16:19追記。
このデッキにある「4倍記録モード(EP4)」は何のために使うのだろう……と思っていたのですが、こいつは
- 1時間ドラマの1クール分を、DVDディスク二枚に収めきるため。
に存在しているんですね……はじめて知ってびっくりしました。
2008年1月13日23:29:37追記。
容量計算用のメモ。
Blu-rayは「25GB/単層」で、PanasonicのBDHDRは「250GBの整数倍」の容量を持っている……ので、たとえば250GBモデルは「BD10枚分のHDD容量がある」というふうに単純計算できる、と。このあたりは松下らしさ*1を提供していると思う。
……ということは。
250GBモデルの記録時間を示した表を見たときに、その1/10の時間がBDにおける記録可能時間になる、と。
BD非対応のデッキについてくる取説であっても、250GBモデルの表が乗っているものであれば計算は可能ということになる。
……で、今日の関心ごとは「Blu-ray Discで記録するときに、どういうモードを選べば1時間ドラマを1クール記録できるか」ということ。
1時間ドラマの1クール(と、たとえば30分アニメの2クールでも同じですな)は、大体16〜18時間ぐらいになる。
とすると、内蔵の250GBHDDで「180時間」以上記録できるモードを選べば、25GBのBlu-rayディスクに「18時間」記録できるので、きちんとおさまることになる。
そうすると、この条件を満たす中でもっとも高画質なのは「LP(VHS2倍モード相当)」で、LPモードを使えば22時間記録できる。
2層のBlu-ray Discが標準的に使われるようになれば、当然記録密度は倍にすることができるので、その場合には「SP(VHS標準モード相当)」モードを使えば22時間記録できる。
うーん……やっぱりBlu-ray対応のものを買っておけばよかったorz。
ええと……記録モードについての紹介をするときには、こういった情報を含めて「ユーザがやりたいと思うことに即応する」ことも検討していただきたいところですね。
とくにBlu-rayの長所を生かすには「1クールを1枚にまとめて収録」とかいう、生活にしっくり来る提案がとても重要になってくるので、そういうところはきちんとマニュアルの要所で提示して「利用者が考え込むことなく、電卓やメモなどを必要とせずにモードを選択・活用できる」次元を目指してほしいところです。
こういうところは松下がもっとも得意としているはずなので、ぜひとも実現していただきたいですね。
2008年1月14日0:06:42追記。
「圧縮モードでの2番組同時録画はできません!」ではなくて、「圧縮モードでの2番組同時録画をする場合、うち1番組は電源を切ったあとで変換処理を行います!」にしてくれないと困るかも。
こういうところはソフト的にできる話(予約録画をした後で、予約内容にしたがって後変換をする……というのは、それぞれ単独では既にできているのだから、予約時点で後変換するように指定することは可能なはず)なので、この点での作りこみは必要ですね。
2008年1月14日0:42:30追記。
この点については、アマゾンの製品レビューにまとめて掲示しました。
パナソニック 250GB DVDレコーダー DIGA DMR-XW100
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800字以内にまとめるのは結構大変でしたが、この日記を見つつ「漏れ・重複」がないように(MECEに近くなるよう)注意して書いてみたつもりでいます。
開発者さんに気づいていただければよいのですが、果たしてどうなることやら……という感じ。
2008年2月10日19:10:57追記。
うわさの(?)ユーザー報告によって、以前に書いたAmazonレビューが非表示になったようです……あらら。
2008年3月27日0:55:50追記。
マニュアルを延々と見返していて、ようやく判った……のですが、このデッキは「ディスクに落とすなら【おまかせダビング】をつかってくれ!」という方針らしく……確かに、その方法で使うとしっくりきますね……うーむ、すっかり肝心なところをすっ飛ばして読んでいましたorz。
この場合、DVD-Rに記録するときには「無圧縮で録画しておいて、DVDへの記録時に圧縮と書き込みを同時にやる」方法になる……と。
お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)の読書を中断、決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルールを途中まで読んだ。
お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)
- 作者: 勝間和代
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/11/16
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pp.1-25までチラッと読んで「やっぱダメだ」と思い、読書を中断することにしました。
リスクを吸収できるほどの体力があれば、読書を再開したいところですが……順序としては明らかに勉強本/時間投資本が先にこないと無理だよなぁ……と。
原資の量がものをいう世界だけに、ちょっと手を出せそうにはないなぁ……というのが今の感想。
ひるがえって、
- 作者: 勝間和代
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
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たとえ話にちょっと妙なところがある(p.45とか、ごく一部だと思いますけど)のは厳しいですが、簿記3級を持っていなくても読み取れるように(p.6)という話については、確かにそう思わせてくれるところがあるし、とても理解しやすい点が好きです。
とりあえず、「かえでにこら」がらみの作業をしないといけないので、今日のところ読書はここまで。