AirMac Expressよ、さよなら。そして、ありがとう……。

(過去:dbx Driverack PAを使って「音の焦点(?)」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その4。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:似非プロケーブル環境関連メモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:(メモ)ONKYOのSE-U55SX(SE-U55GXでも同じ)を買うべきか、あるいはROLANDのUA-25からONKYOのSE-U55Xに光接続でつなぐべきかを検討してみた。 - 雑記/えもじならべあそび)


アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A

アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A

 ……って言っても、↑を窓から投げ捨てた……ってわけじゃなくて、単に↑を「ヘッドフォンオーディオシステムから追い出した」ってだけの話。


 こいつをLAN-DDC単独ではなく「LAN-DAC」として使う場合、内蔵DACの都合で振幅軸精度には弱点があって、でも時間軸精度はCDP同等にまとも……ってゆー変な特性なンだから、これはもう無理に「ヘッドフォンシステム」で使うんじゃなくて、「スピーカーシステム」にあてがうほうが、利点は大活躍する&欠点はきれいに隠れるのでちょうどいいに決まってる……ってことで、はじめから非ヘッドフォン専用システムとして組んでいた、おなじみ?の↓システムへと移設することにした。
 (写真に写ってるうち、USB-DACは貸し出し中なので、AirMac Expressのアナログ出力を直接ミキサーに導入してます)

 ……予想どおりに以下のような状態になった。

  • USB-DACよりも1~2桁は落ちる「振幅軸精度の悪さ」が、気にならない。
    • ヘッドフォンみたいに「検聴」的な聴き方はできないし、振幅軸精度が1〜2bit程度落ちて「ダイナミックレンジが96dB(typ)よりも6〜12dB(typ)落ちる」程度だと、私が普段スピーカーで聞く音量はせいぜい60dB(typ)レベルなので(※ここがとても重要)、そこから50dB下にある「2kHz帯の可聴限界(=スレッショルド)、約10dB」より40dBぐらい地下深くのところで「-36dBだった精度が、-24〜-30dBに変化する」だけ……こんな状態なら、スレッショルドの遥か下に位置する「そもそも聞こえもしないレベルの振幅精度」がおかしいだけの話なので、「これ以外におかしいところがない現状では」どこにも影響する要素がない。
  • USB-DACのような1~2桁の落ちがない「時間軸精度の普通さ」が、しっかり効いていて、USB-DAC時代には消失していた「定位感・空気感」が復活。
    • スピーカーオーディオだと、基本はすっげー安物でも「セッティングやAutoEQ次第で、きちんと空気感や定位感を出せる」のに、デジタル的なブレが出るとぶち壊しになりがち……ここはせめてCDプレーヤレベルの、システム全体で30ppmくらいの精度が欲しいのだけれど、現状のシステムだと(オートEQユニットのDriveRack PAが時間軸精度を悪くしている現状でも)AirMac Expressをソース機器として使う分には、十分に目的を達成できる。

 ……と、まさに「安くて速くて確実」ってこと。
 事前の予測とうまく合致してくれて、ほっとしたよ……ってゆーか、なんですかこの「ギリギリ」システムぶりは(苦笑)。
 #接続上の都合で、左右のセパレーションレンジが60dB位しかない……ってところが(心理的には)気になるのだけれど、これも今の時点では害がないし、大音量再生にハマった時点でDAC経由にして修正する予定。


 ……で、ヘッドフォンシステム側は、以下のかたちで確定。

ラトックシステム オーディオ用USB-HUB RAL-HUB02

ラトックシステム オーディオ用USB-HUB RAL-HUB02

ONKYO SE-U55X(S) WAVIO USBデジタルオーディオプロセッサー シルバー

ONKYO SE-U55X(S) WAVIO USBデジタルオーディオプロセッサー シルバー

STAX インイヤー型イヤースピーカーシステム SR-001MK2

STAX インイヤー型イヤースピーカーシステム SR-001MK2

 すでに元を取りまくったはずの8年選手USB-DACから、ちゃんと「CDクラスの」音が出る……ってゆーのは◎。
 ってゆーか、さっさとONKYOが「powered by RATOC」なVLSC系のUSB-DACを出してくれれば、言うことないんだけどねぇ……VLSCの「USB環境における時間軸上の欠点」をスッキリと解消して、VLSCの利点をまるっと生かした「中級機CDPに並びうる質感」へと引き上げてくれる、ONKYOにとって特においしい技術だと思うのだけれど。

……で、「なんだ、やっぱりいい音で鳴るじゃん」と思った……のだけれど。

 調子に乗って、AirMac Expressのアナログ出力を、ためしに同室の「STAX/Lambda Nova Classic System」へと導入してみたら……だめだこれ、やっぱりDACの振幅軸が腐ってやがるorz。
 ……AirMac Expressのアナログ出力は、結局のところ「ヘッドフォンで聴いてはいけない」ってことか。
 「中音量以下で聴くための、スピーカー専用」なんだなぁ。


 なんというか、DACの性能を「振幅軸」と「時間軸」に分けて考えるだけでも、だいぶ評価がやりやすくなるんだなぁ……ってゆーところに気づけたって意味では、今回一連の評価作業をやってみたことには、意味があったな……と思う。
 一軸的な評価方法では「のどに小骨が刺さったかのような」妙な違和感を抱くことが多々あった……のだけれど、それを二軸的な評価方法に変更するだけで、もう悩まされずにすむ……ってのは、精神衛生上とても楽になった気がする。

……で、ひとつ気づいた。

 「DriveRack PA」単体の時間軸精度が30ppm位?なのかな、これは調査しよう。で、

  • 時間軸ズレが少なそうな、「ふつうのCDP」とか「DAP(alneo@victor)」とか「AirMacExpress」を接続しても、○のまま。
  • 時間軸ズレが大きそうな、「DVDP」とか「USB-DAC」を接続すると、×になってしまう。

……ってゆー理由は、もしかすると「DriveRack PAとソース機器との、時間軸ズレ合算値が、耳のスレッショルドを踏み越えたか否か」によって決まっていたのかも。
 もうちょっと色々な機器を試してみる必要があると思うのだけれど、なんか妙に符号するものがあるんだよね……。
 今までは「DriveRack PAが、単独ですでに屑」なんだと思ってたけど、もしかすると「ソース機器との時間軸ズレ合算値で、はじめて結果が決まる」のかも。