いよいよ幻の湖へ

空は気持ちよく晴れている。
とりあえず準備万端整えて出かける。

森を抜け、川をいくつか渡り草原へ出る。
ゲル・キャンプが続く道を常足、速足で通り抜け、やっと駆け足のできる草原へ出た。

しばらく走ってから、スーチンさんがビデオを撮るから走って・・と言って丘の上に上って行った。
Uさんが駆け出し、その後をIさん、Sさんがぴったりくっついて走り出す。

・・と思ったら、二人が倒れていた!
Sさんはすぐに立ち上がったが、Iさんは大きなうめき声を上げて、マッタク動かない。

しばらくしてうめき声も止み、ホイガさんが抱き起こしたがぐったりして全く動かない。
「まさか、死んじゃったんじゃ・・」

スタッフが胸や背中をたたいたり、水をかけたりしているのを、皆遠くから見ている。

30分程過ぎただろうか、Iさんがフラフラ立ち上がり、馬に乗せてもらっている。

帰ったほうが言いと皆が思っていたが、本人は湖へ行くのだとの強い決意。

Iさんを労わりつつ、ゆっくりと進む。

昼休みということで馬を止め、手綱を持ち変えたりしていたら、突然私の馬が前にいた牝馬に襲い掛かった。
私はそのまま後ろにすべり落ちてしまった。
私の鞍には後橋がなかったのだ。
背負っていたリュックの中に、ウエストポーチを入れていたが、そのとがった部分が背中にあたり、息ができない感じ、わざとユックリ水を飲んでからユックリ立ち上がった。

見かけは後ろにユックリ落ちただけなので、そんなにダメージはないように見られていたらしい。

でも本人はけ中が痛く、動くのも乗馬もつらい。
夕方やっとキャンプ地についたときはほっとした。
Iさんと「今日は遠かったね」と言い合う。

参加者6人、スーさん、モンゴル人大人6人、子ども2人、荷物馬7頭。




犬が3匹、一匹の犬は左後肢を怪我をしていて、ビッコを引いている。

スーさんの馬の奥さんという牝馬1頭。



この牝馬は荷物馬と一緒にいるが、牡馬と何時も鳴き交わして、うるさいこと!

カラ馬で、無口も付けていないので、自由に走り回っている。




私の馬はこの牝馬が気になって仕方ないみたいで、ついに襲い掛かったのだろう。

その後は気をつけて近寄らないようにしていたが、何しろ自由に動けるのだから困ったものだ。