「うだつ」修復、中塗りにラスチコ

       
 伝統建築地区にある歴史深い商家の「うだつ」部分のみの修復工事です。
季節は厳寒の2月、短い工期で”シックイ黒仕げ”の修復に際し、ラスチコが、下塗り・中塗り材として
                    本領を発揮することができました。その底力をご紹介いたします。
     
 ・・ところで、「うだつ」とは・・・
町屋が隣り合い、連続して建てられている場合、隣家からの火事が燃え移るのを防ぐため取り付けられた
土造りの防火壁のこと。 
   
隣家との境界、1階屋根と2階屋根の間に、張り出すように設けられており、これを造るには相当の費用がかかった為、
「うだつを上げる」とは、富の象徴であり、各家々のうだつの豪華さが、建築当時その商家の繁栄を物語っています。
    
さて、こちらは、兵庫県高砂市内のうだつ現場、修復前の状態です。
Before:
 
一方の面は、土の中塗りが露出していて、これ以上放置できないほど劣化していました。
             もう一方の面は、劣化がマシで”黒仕上げ”の漆喰が残っています。(写真右)
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・・・・・・・右写真の部分に残るような黒っぽい ↑ ”シックイ黒仕上げ”が修復の最終目標状態です。
    
 
劣化がひどい面の天井まわりも同様に傷みがひどく、シュロ縄巻き下地の縄までボロボロでしたから、
今回の修復では、シュロ縄ではなく、イタリア製グラスファイバーメッシュGT165を、こまめに使用しました。
  
 

 ・・・ ここで、従来の状態と今回の修復の「下地〜仕上げ」の仕様 比較! ・・・
従来の状態: シュロ縄巻き下地 ⇒ シックイ下塗り ⇒ 土 中塗り ⇒ シックイ黒仕上げ
  
これでは、下塗り・中塗りの乾燥・硬化に(特に冬季では)時間がかかり、強度が弱い という問題点がありました。
そこで、採用される事になったのが、ラスチコです!
      
今回修復で: イタリア製グラスファイバーメッシュ ⇒ ラスチコ下塗り ⇒ ラスチコ中塗り ⇒ シックイ黒仕上げ

イタリアしっくいのラスチコは、日本シックイや土より乾燥・硬化時間が早く、強度があるという点で採用になりました。 
    

       土色に似るよう、ラスチコmono、チェバ色を使用
       
 AFTER:       
 ラスチコによる中塗り段階が 完了です。


修復工事はまだ完了ではなくて、ここから、シックイ黒仕上げ = 白シックイ⇒黒ノロシックイ塗りです。
   
       

 こちらが、うだつの修復工程を全てを完了した状態です。
    
          
    
   
こうして、うだつの両面とその周辺部分を再生させ、もとの伝統建築物らしい外見に戻して無事に修復工事が終わりました。
    
工期に追われていた現場で、ラスチコの存在を思い出して採用して頂き、お役に立つ事ができ、本当に良かったと思います。
          
ラスチコは、厚塗り材の仕上げ材ではありますが、「うだつ」の中塗りだけでなく、
   もちろん土壁にも、その他の強度を要する下塗り、中塗り材としてご利用頂いております。
      
   どうぞ、お気軽にお試しください。
  
    
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