TWDとGoT



毎週月曜9時に『ウォーキング・デッド』(以下TWD)のシーズン7最新エピソード配信を観る、という最強の月9が今週でおわってしまったー。半年前にTWDを一気に見はじめるまでは「ゾンビやだー無理―こわーい」ってずっと思って生きてきたのに、シーズン7にいたっては「ウォーカー(TWDにおけるゾンビの呼称)少なっ!もっと出してもいいよ!」と物足りなくかんじるまでに成長しました。
TWDに夢中になった大きな要因は、なんつっても人間ドラマのおもしろさ。しかしシーズンを追うごとに人間ドラマのクセが強くなりすぎて、とくにシーズン6〜7にかけての流れは非常にヘビーで、むしろウォーカーが出てくると、インドの道路にいる牛くらいの存在感で和むレベルに。ちょっと間延びしたエピソードが多いシーズン7でしたが、最終話は”OH! MY! GOD! YES! YES!”ってマジで叫んでしまいました。あのテンションをシーズン通して見られればなお良かったのだけど贅沢は言うまい。TWDシーズン8の放映まであと半年くらいかな?まちどおしい!

そしてもうひとつ、最近わたしの心を超いまさらながらにわしづかみにしたのが『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下GoT)。『ブレイキング・バッド』を見終わったとき、今までに見たドラマでこれが一番おもしろい!最強!って思ったけど、GoT が更新しました。ほんっとにこれは、脚本、演技、編集、美術、衣装、CGどれをとっても、史上最高にクオリティが高いドラマだと思うー!!なお『Sex and the City』はもはやバイブルなので殿堂入りとみなしランキング外とする。



中世ヨーロッパっぽい雰囲気で描かれる架空の7つの王国を統治する王の座をめぐる陰謀や争い、LOR的なファンタジーな世界、ドラゴン、なんかゾンビみたいなの、甲冑、一騎打ち、戦争、血しぶきブシャー!首スポーン!という、わたしがまったく興味を持てない要素が勢ぞろいした本作。とりあえずシーズン1の第一話を途中まで観ては「ショーン・ビーンが主役なのかあ。しかし登場人物おおいなあ」とぼんやり考えながら脱落、というのを4,5回は繰り返しておりました。

あるときなんとなく第一話の最後まで行けた!という状態でポンポンと何話か続けて観たら、なんだかおもしろくなってきた。ファンタジー要素やグロテスクさが気にならないくらい、そこに描かれる物語の濃厚さに夢中になってしまったのです。
周囲でこのドラマをおすすめしてくるのは圧倒的に男性が多かったのですが、裸の女性がバンバン出てくるからやね!と納得。同僚が「旦那が家でよく観てるんだけど、たまに画面を見るといっつもエロいシーンか血みどろのエグいシーンしかやってない」と言ってて笑った。ほんと、最初のほうは特にそんなかんじ。

登場人物がめちゃくちゃ多いのも難易度高い。『ダウントンアビー』のように、あらゆる立場の人に細やかな設定や物語があり、あれのさらに70倍くらい人の出入りが多くて複雑になったかんじですね。

正直、シーズン2の途中くらいまでロブ・スタークとジョン・スノウ(かなりメインの若者たち)が出てくるたびにどっちがどっちか顏が判別できなくて混乱してた。年配のひとはさらにお手上げ。白髪のおじいちゃんとか髪の薄い男の人とか髭面の人とかがいろんな土地にわらわらいるから本当にわからない!!誰と誰が今いがみあってるかもわからない!女性も、娼婦系ははだかだと見分けるのが難しいよー。王国とか城とかの見分けもつかないし城主も見分けがつかない!と、ひたすら混乱し続けながら見るのが、なかなかやみつきになっていくのです。

そしてやっと名前と顔が一致してきたー、とか、このひと好きだなー、とか、けっこう重要な役だなー、という人物がさくっと死亡・退場するのがなんともクセになる。
はっきりと善と悪が分かりやすいひともいれば、悪いやつだー、と思ってたひとがやがてよきひとに思えるようになることも。たしかに人間ってそういうグレーな生き物だったりするよね、というリアルさがよい。

ウェスタロスという大陸にある王都、その他あちこちの城、壁と呼ばれる場所、そしてnarrow seaを挟んだエッソスという大陸が舞台となっており、まー、いろんなところでいろんなひとたちやいやい揉めたりいろいろ大騒ぎするので、頭が混乱するのだけど、エッソスのほうはメインのキャラクターがとてもわかりやすいので、比較的すっきりと頭に入ってくるかな。そちら方面で話されるドスラク語(架空の言語)、ちょっと勉強したい。

Red Nose DayでColdplayがGoTのミュージカルを手がける、という大がかりなネタ映像が作られていてめちゃくちゃ笑った。ネタバレ全開の歌や、途中の展開が推し量られるシオン役の人(リリー・アレンの実の弟。似てる!)とある人の小芝居などがあるので、シーズン4、5あたりまで未見の場合は閲覧注意ですが、ほんと大好きでしょっちゅう観てる。ジョン・スノウが『ワイルド・シング』を”Wildling(野人)”って歌うのがとくに好きー。そして"You know nothing, Chris Martin"とお決まりの台詞を言われるクリス。


今2周目をみているんだけど、初見ではぜんぜん把握しきれていなかった人間関係や土地勘がだいぶついてきた状態でみると、ちゃんとあちこちに伏線があって、ほんとよく練られた物語だなーと、ひたすら感心してしまう。そしてばっさーと広がった大きな大きな風呂敷が、これからじょじょにまとまっていきそうな気配がシーズン6のラストで感じられたので、たしか7月くらいから日米同時放映がはじまるシーズン7がものすごーーく楽しみ!!