私がお芝居を観て本当にいつまでも心に残るのは、一瞬の表情や声や風景だったりします。
一瞬見えた一面の雪景色。俳優の顔がぐにゃりとゆがんで別のものに見えたとき。最初の一言がどこまでも響いていく波のように見えたこと。
まりまりのチロルは演技だけでドレスや牛や、大冒険の崖や、一人で歩くくらい森・・・を次々見せて、そんな一瞬を次々繰り出していかなきゃならない。
見えないはずのものが見えたときの子どもたちの表情が忘れられません。
でもそれを見せるために、まりまりは無駄なものをはぶいて行かなきゃならない。頼れるのはただ、演技の可能性と・・・横にいる相手役。